【感想・ネタバレ】ピーター卿の事件簿のレビュー

あらすじ

ピーター・デス・ブリードン・ウィムジイ卿は十五代デンヴァー公爵の次男。クリケットの名手にしてワイン通、書物蒐集と音楽、そして犯罪の探究を趣味とする貴公子である。クリスティと並び称されるミステリの女王セイヤーズが創造したピーター卿は、従僕を連れた優雅な青年貴族として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間として大きく成長し、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はその貴族探偵の活躍する中短編から「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、代表的な秀作7編を選んだ作品集である。【収録作】「鏡の映像」/「ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失踪」/「盗まれた胃袋」/「完全アリバイ」/「銅の指を持つ男の悲惨な話」/「幽霊に憑かれた巡査」/「不和の種、小さな村のメロドラマ」/解説=戸川安宣

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Posted by ブクログ

十五代デンヴァー公爵の次男坊であるピーター・ウィムジイは、ワインとコーヒーそして一流の謎が好きな貴族探偵。そんなウィムジイの魅力がたっぷり詰まった短編集。7篇収録。

「盗まれた胃袋」が一番好き!

ウィムジイがいいキャラなんだよねー。飄々としていて雰囲気イケメン(容姿は普通)カッコつけすぎず、でもスマートで、ザ・英国紳士。夫婦喧嘩したら黙って皿洗い始めちゃうあたりでもうダメ、めちゃくちゃ好き。
周りも良キャラ揃いで読んでいて楽しい。
謎自体はバカミス味もあるし、本格派には

ウケなさそうな気はするけど(クリスティの方が日本で売れているのがおそらくそれ)バカミス&キャラ小説好きな私にはたまらんぐらいハマりました。これからシリーズ読むの楽しみ!(東京創元社さんの名著復刊で常連だから安心感ある)

「盗まれた胃袋」で胃袋のこと「大叔父」って呼び合っているのがたまらなく好き。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

公爵で金に不自由がなく金髪で背が高く、粋で優しいスポーツマンのピーターウィムジィ卿の短編7篇収録。個人的にセイヤーズの長編より短編の方が無駄がなくて好きだ。この中でのおすすめは「幽霊に憑かれた巡査」。存在しない13番地の家はどこに?という不可能興味あふれる作品。左右の臓器が逆になってる男が記憶を失っている間に殺人を犯したらしい…「鏡の映像」や首のない馬と頭のない馭者の乗る馬車の話、中篇「不和の種、小さな村のメロドラマ」など怪奇趣味の意外な発端が面白い。

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2021年02月24日

Posted by ブクログ

新版になって、ウィムジー→ウィムジイと他の創元推理文庫のピーター卿シリーズと同じ表記になり、各短編の邦題&原題が1頁に記載されたのが良いです。解説も加筆・補填されている一方、「暗号ミステリ傑作選」収録の『龍頭の秘密の学究的解明』の解題は残っているので、これを機会にピーター卿短編全集を完成させるために、東京創元社さんには「事件簿3」の刊行を切に願います。

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2018年04月26日

Posted by ブクログ

我らが貴族探偵・ピーター・ウィムジイ卿が、様々な謎を解明する探偵譚、短(中)編七話が収録されております。

先日長編シリーズをコンプしてしまった私としては、ピーター卿に再会できて嬉しく思いながら読みました。

怪奇風味なものからサイコサスペンスチックな話、そして王道ミステリ等々・・各話、毛色の異なる謎解きモノで、何故かどこにでも現れるピーター卿が謎や事件を解決していく展開なんですけど、長編の時よりピーター卿の引用癖といったクセツヨな部分は控えめな印象です。

個人的に好きな話は、“ちゃんとミステリ”していた「盗まれた胃袋」、「完全アリバイ」ですかね。
加えて、「ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失踪」も、事件の異常性(犯人がサイコすぎて何気に一番怖いかも?)と、ピーター卿が仕掛けた解決方法のトリッキーさのコントラストが印象に残りました。
あと、しょーもない事なんですけど、ピーター卿&ハリエット夫妻に第一子が誕生した日に起こった不可解な出来事を描いた「幽霊に憑かれた巡査」」では、何故かこの話の時だけピーター卿の台詞の語尾が「~だぜ」とスギちゃんみたいになっていたので、「どうした?」と気になってしまった私です~(^^;)

と、いうことで久々のピーター卿節とバラエティーに富んだ謎解きを楽しませて頂きました♪
(バンターの出番が少ないのが寂しかったですけどね)

因みに、本書の解説もピーター卿とセイヤーズのまとめサイトみたいな感じで(?)何気に情報満載でしたので、こちらも興味深く読ませて頂いた次第です~。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

 収録されているのは1928年から1938年にかけて発表された、ドロシー・L・セイヤーズのウィムジイ卿シリーズの短編。
 セイヤーズはどうもアガサ・クリスティと双璧のイギリスのミステリの女王とされているそうだが、やたら古めかしい『ナイン・テイラーズ』はさほど面白くもなかったし、どうなんだろう、と思っているところ。
 こちらの短編集も、古典的な本格推理小説としてはディクスン・カーのそれよりはかなり劣るし、そもそもセイヤーズの持ち味なのかサスペンスフルな急展開がなく遅いテンポでのんびり進んで行くし、それぞれそれなりに興はあってもとりわけ優れている感じがしない。
 そんな牧歌的な印象が強かった作品集だが、最も長く巻末に収められた「不和の種、小さな村のメロドラマ」が中では一番面白かった。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

「誰の死体?」に続いて、著者作品2作目。

こちらは、7編の短編ミステリー。

「幽霊に憑かれた巡査」では、ピーター卿に子供が誕生したとは、興味深い。
これはやはり、ピーター卿シリーズをきちんと順番に読むしかない。

解説に、著者のプロフィールと小説とのリンクが、諸説あるようだが、有力説を詳細に記されている点も「新版」として面白い。

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2024年07月16日

Posted by ブクログ

【収録作品】鏡の映像/ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失踪/盗まれた胃袋/完全アリバイ/銅の指を持つ男の悲惨な話/幽霊に憑かれた巡査/不和の種、小さな村のメロドラマ

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2020年05月29日

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