柏葉幸子のレビュー一覧
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主人公の「カズ」は、何度、情けないと思い、泣きそうになったのだろう。
ただ、勘違いしないでほしいのは、彼が決して弱虫とか、意気地無しではないということ。
それは、小学五年生の彼一人の戦いであり、いじらしい彼女の、かけがえのない新たな人生を守るための戦い。
亡くなった人の命が還ってきて、新たな人生を歩むことが本当にいいのかどうかを、様々な物語で考えさせられる、ファンタジーならではの題材は、却って、現実の人の命の尊さを如実に表してくれるように感じられる。それぞれの立場に上手く重ね合わせられる構成の素晴らしさも。
何度も泣きそうになるカズは、少しでも彼女にやりたいことをやらせてあげたい、生き -
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表紙からもなんか異世界からの出会い、とは思っていた。
家族から疎まれ、自分の居場所がないミト。
家に戻りたくなくて、ふと思いつき、バイト先で知り合ったおばあちゃんが家族にも秘密で買ったという家を1人訪れる。
その晩現れたのはそのおばあちゃんだったが、姿はそうだが中身は違うようで…。
とまどいつつも始まった2人暮らしの中にミトは居心地のよさを感じていく。
おばあちゃん、もといヨシノもそうかと思っていたのだが。
異界との触れ合いと主人公の成長、という感じの児童書かと思ったけど、もいちょい心の機敏、というか、
誰も知らない不思議な町、とはちょっとテイストが違うかな。
話しが湖の国に移ってからが第二 -
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ネタバレ僕は上杉智則、小5。最近、母さんが変だ。ぼんやりしていたり、出不精なのに、なんか内緒で出かけていたり。
父さんが出張でいないその日、夕食を終えて風呂あがり、暗い台所で牛乳を取り出そうとしたとき、肩をたたかれた。巨大なネズミ(イラストでは主人公より少し大きいくらい)が、肩をたたいて、話しかけてきた!しかも母さんの名前「ゆみえ殿」はどこにいるのかと聞いてくる。
なぜか母さんはいない。だけど巨大ネズミは、何かを知っているようだ。そして時間がないとカップボードから窓の向こうへ行ってしまいそうになる…ところで、ぼくはしっぽにとびついて、ひきずられて、
今と似てるけど違う世界に来たのだ。
ネズミは前殿と