柏葉幸子のレビュー一覧

  • 湖の国

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    ネタバレ

    児童書としては、主人公が前を向いて力強く生きていくことを
    最終的に期待してしまいますが
    この物語はちょっと違うような気がする
    いろいろ経験した大人が共感しながら読んでいくような感じ
    そして、物語という夢から覚めてからもどこかで続いているような印象

    前半はミステリーで後半はファンタジー
    印象が違う不思議な物語
    追いかける人の姿が見えないところも
    いままでにはない展開ですね!

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    2020年05月02日
  • つづきの図書館

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    YAもののブックガイドから、かな。絵本の登場キャラたちが、逆に読み手のことが気になって、表に出てきてしまうっていう物語。物語の続きが気になるとか、絵本の世界に入ってしまうとかはよくありそうだけど、本作の設定はそういう意味で斬新。変に難解なオチのつけ方とかもなくて、安心して読み進められる。それが逆に、ちょっと物足りなくも思えてしまう訳だけど。

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    2020年02月10日
  • 湖の国

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    いや~やはり柏葉幸子さん、素晴らしく面白かった。前半は割とうだうだとまどろっこしい鬱々とした雰囲気だが、後半すべての伏線が縒り合され加速度を付けてぶっ飛ばされてくような物語展開スピード感が素晴らしくて一気にダア。(この前半ウダウダ後半ぶっとばしパターンの感じってちょっとダイアナ・ウイン・ジョーンズ思い出すなあ。)珍しく子供向けというよりは少し上の世代にも、と思えるような主人公の年齢設定、恋愛要素。てんこもりにビルドゥングスロマン、自己確立、民話的要素、大地に根差したファンタジー、ミステリー。何しろ魅惑的。是非続編出てほしい。

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    2019年12月11日
  • 王様に恋した魔女

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    国を守るとして杖殿と呼ばれた魔女たちをどの王様も欲しがっていた。杖殿を召し抱えるために大金をもいとわない。だから、一般の人々は魔女とわかると金貨欲しさに王様に突き出すのだ。しかし、杖殿として使えないとわかると魔女はすぐに処刑されてしまう。だから魔女たちは名前を名乗らず、人間の女としてひっそりと暮そうとする。また杖殿としてお城で暮らす魔女も、常にお城を守ることに気を配らなくてなならない。そんな時代(世界)の魔女たちのお話。
    短編集だが、世界観が統一されている。戦や処刑があるという設定ではあるが、実際にはその現場が出てくるわけではない。ゆったりとした世界観で楽しめる。

    1
    2019年07月04日
  • ミラクル・ファミリー

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    9つの短編集。本の裏表紙の解説にあるように、どの話も「不思議であったかく秘密の匂い」がする。

    私は壮大な国つくりの類いのファンタジーが苦手だ。読んでいる時は、ハラハラドキドキして面白いと感じるが、読後に反芻して楽しむ事が少ないからだ。

    これらの小編はファンタジーの括りとしても差支えないと思うが、この人とこの人はどんな関係だっけ?と迷うこともなく、もちろん手に汗を握ることもない。家族の短いお話なにで、当たり前ですが。子どもの頃、自分の周りにもあったことなのに大人になって忘れてしまったことかもしれないと思わせる現実味がある。

    私は、「木積み村」「ザクロの木の下で」「『信用堂』の信用」が好きで

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    2018年04月23日
  • つづきの図書館

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    ネタバレ

    桃さんのキャラが独特。
    これといった特技もなく地味で友達のいない40代のバツイチ女性が主人公の児童書なんてそうそうないと思う。
    親を亡くして独り身、家族の縁のない桃さんが、王様達の持ち込んできた問題を追いかけるうちに改めて家族の絆を取り戻していくようなストーリー。
    形は様々でも思い合っていない家族はいない。そう思えた。
    最後がまたとてもいい。たった一人の大切な人ってそういうことかと。温かい気持ちになった。

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    2018年01月25日
  • 帰命寺横丁の夏

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    ネタバレ

    月は左にある、がはじまってから、ぐいぐいひきこまれてしまった。
    むしろこっちがメインなくらい、すごく好みだった。いやでも、もとの環境がないとこれも生まれなかったわけで。
    あまいんじゃない、といわれてたけど、月は~のラストで、あのこがのこって、そして、対峙するのがほんとすきだった。
    それから、ほんとのラストの手紙もよかったなぁー!
    やっぱり本読むの楽しい!と、思えた本でした!

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    2017年05月13日
  • 帰命寺横丁の夏

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    ターちゃんが帰命寺っていうお寺で祈願してくれたから借りた.僕は五年生.今日から夏休み.この世に未練があって蘇った女の子.劇中劇も面白い.もう少し淡い恋愛感情が入っていた方が良かったと思う.

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    2017年03月05日
  • おしごとのおはなし パティシエ 父さんはドラゴン・パティシエ

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    ケーキ屋さんの息子の雄太。 雄太のクラスで、ドラゴン・パティシエという単語が話題になった。 だが誰もドラゴン・パティシエが具体的には何を指すのかは知らない。 ドラゴンだからには強くて美味しいとか何とか好き勝手に噂してしまいには雄太のお父さんは見るからにあり得ないと笑われる始末。
    しかしそれから1週間ほど経ったある日・・・

    どうやらこのシリーズは、職業紹介を兼ねているようですね。 そしてこの本ではパティシエが紹介されているよ。

    とは言っても、今回ケーキを食べるのはドラゴンなんだけど。 先代ドラゴン・パティシエが亡くなって、新しいドラゴン・パティシエを探しているらしい。 しかもその探し方はネッ

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    2017年01月20日
  • 岬のマヨイガ

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    震災のとき偶然に一緒に居合わせ、そのまま一緒に暮らすことになったおばあさんと女の人と女の子。それぞれ事情を抱えた3人が、震災後の狐崎で一緒に生きていく。

    震災という現実に起こった災害に、遠野の不思議な物語がうまく組み合わされ、暗くも重くもない素敵なお話になっている。前半は、ひよりたち3人の生活に焦点があてられ、後半は遠野の昔話や不思議なひとたちが中心になって、どんどん物語の世界にひきこまれていく。おもしろかった。実際の出来事と物語の世界がとてもきれいに溶け合っていると思った。

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    2017年01月04日
  • つづきの図書館

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    むしろ大人向けなのではないかと思うほど、寂しくて幸福なものがたり。

    昔読んでも魅了されなかったろうし、今になって手に取って、良かった。
    本って本当に巡り合わせだな。

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    2016年12月17日
  • 王様に恋した魔女

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    ネタバレ

    表題となにより表紙が素敵。
    そしてよくみたら柏葉さんだった。
    ああ、すきなものだらけじゃないか。

    表題の恋した魔女の話は、
    そーゆー魔女はいた、とは話にでてくるんだが、
    物語はないのであれ?っとかおもってたら
    結構後半で、でてきた。
    意外となんとゆーか暗め?な話が多いなか、ふふふっと
    楽しく読めた一話。
    三つ目の話はめっちゃ切なく、
    彼女に見つかって殺された魔女たちもかわいそうだが、
    その裏にそんな話があったとは・・・・という感じ。

    利用できるかできないか、
    それによって大切にされたり殺されたりする魔女たち。
    その理不尽さに憤りを感じながら、
    そんな中でも大切なものを守ろうと必死に生きる彼

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    2016年12月04日
  • つづきの図書館

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    連作短編4編.
    裸の王様,オオカミと7人の子ヤギの狼,瓜子姫の天邪鬼,「ふたりはなかよし」の幽霊達が,読んでくれた人の続きを探す物語.そしてその続きを探す手伝いをしながら、にわか司書の桃子も失っていたもの見つける,とても良かった.

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    2016年11月30日
  • 大おばさんの不思議なレシピ

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    ネタバレ

    とってもぶきっちょな女の子が大おばさんの不思議なレシピをみて作ったものに導かれて不思議な世界へ。
    ぶきっちょゆえにできたものが不良品であるがために起こる出来事にわくわくします。

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    2016年11月28日
  • 王様に恋した魔女

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    おとぎ話の雰囲気漂う連作短編。

    必ずしもすべてがハッピーエンドなわけではない。そんなもの悲しい雰囲気がとてもいい。とても素敵。

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    2016年11月04日
  • 岬のマヨイガ

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    震災を絡めたお話です。作者の方が、頼まれて書いたって聞きましたが、どうなのでしょう。
    直接体験された方は、いろいろ思うところもあるでしょうが、わたしは好きなお話でした。
    辛い経験も背負っていかなくてはならないけれど、それを過去として、未来をどう生きていくか。選ぶのは自分自身以外にはいないんだなと。
    おばあちゃんが素敵でした。

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    2016年10月23日
  • 大おばさんの不思議なレシピ

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    癒された。
    子どもがもう少し大きくなったら
    読んでほしいなぁ~。

    こういう不思議な世界を行き来できること、とてもうらやましい(^v^)

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    2016年03月11日
  • 天井うらのふしぎな友だち (新装版)

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    本好きになったきっかけの本。
    天井裏に秘密の部屋があるって、ものすごくワクワクした覚えがある。
    大人になって、読み返すとまた違った視点で見れるんだろうな。

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    2016年03月06日
  • 岬のマヨイガ

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    大好きな柏葉幸子さんの児童書。女流児童書作家、水木しげる版というか、お話の中に、よく、昔からの不思議なものが出てきます。今回は震災後の岩手の話で、最初読み終えられるか心配だったけれど、わたしにとっては、良いリハビリになりました。
    最近は、主人公がおばさんだったりすることも多くて、やはり、読者も一緒に年齢を重ねてるのかなぁと。

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    2016年03月02日
  • つづきの図書館

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     本の中の人物が読者のつづきを知りたいと言って本から飛び出してきて…というお話。柏葉さんがあとがきで仰っているように、昔自分が読んだ本の登場人物に今も気にかけてもらえるというのは嬉しいことだと思う。そんなつづきを知りたがるはだかの王様たちの温かい心と思いやりに癒され、桃さんと同じく元気をもらった。それだけにラストは寂しかったし、最後の最後の王様たちからのプレゼントには本当に泣かされる。王様たちはこれからの桃さんのつづきも、お話の中で気にかけてくれるのではないかと思う。良書。

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    2015年11月29日