柏葉幸子のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
小学校の国語教科書(光村図書出版)3年生に紹介されている本。
小学5年生のまひるは、二人の弟の面倒を見るしっかり者。ある日お父さんの会社呼ばれて「亡くなった前会長が管理していた『木かげ美術館』の館長になって欲しい」と言われる。なんでも前会長が遺言で「館長は10歳以下」と言い残していて、大人が美術館に入るとおばけにいたずらされるらしい。
まひるが木かげ美術館に行くと、絵や彫刻の中身が勝手に出歩いているではないか!
だが面倒見と度胸の良いまひるにはおばけたちなんて怖くない。美術品たちからも「館長」と認められるようになる。
だが木かげ美術館は取り壊しが決まっていた。このままではおばけたちの美術品 -
Posted by ブクログ
この本の対象読者層は小学校中高学年?夫のDVから逃れてきたゆりえさんが夫の影に怯えながら生きていることをどう理解するのだろう。キツイ。
行く宛もないゆりえさん、両親を一度に亡くし言葉を失い、岩手県の親戚に預けられるために来たひより、そして不思議な力を持つおばあちゃんの三人は、東日本大震災のその日、避難所で出会う。
それから三人は家族として暮らし始めるが、穏やかな暮らしが、あの地震で封印されていた海ヘビが解き放たれ村は脅かされる。
遠野物語にも描かれた伝承の不思議なものたちや土地に棲む神々を巻き込んだ戦いになる。柏葉洋子さんのファンタジーの世界だ。
地震により封印が解かれることが物語として重要 -
Posted by ブクログ
敬老の日に紹介しようと「おばあちゃん」というワードから手に取った本、面白かった。
東京からさまざまな事情で狐崎にたどり着いた結とひより、そこで地震による津波に襲われる。
ふたりにたまたま同じ電車に乗り合わせただけだが一緒に避難所へたどり着くが身寄りがなく地元民ではないふたりをキワさんというおばあちゃんが助けてくれる。
まったく繋がりがない3人は狐崎のマヨイガで暮らすことになる。
震災によって封印されていたこの地の化け物が現れ人々を翻弄しようとするのをキワさんが救う。
震災後の東北で現実から逃避したように暮らす3人の様子が東北の民話を交えて進んでいく。
ハラハラドキドキ、この世の住人とは思えな -
Posted by ブクログ
ネタバレ同名アニメ映画の原作。元々この映画を観ようと思ったのは(WOWOWだけど),大好きな羊文学がテーマ曲を担当していたからでそれがなければ多分映画を観ることも原作を読むこともなかった。こういうきっかけが有り難い。
映画版の方は原作から色々改変されていた。悪く言えば俗っぽくなってるかも。避難所でおばあちゃん,山名キワさんに保護された年上の方は原作ではDV夫から逃げてきた既婚女性である。かっぱの活躍やアガメ伝説は同じだが,封印が解けて狐崎に戻ってきた海蛇が街の人を幻で操るところはちょっと違う。原作では海に引きずり込んでしまおうとしていた。街の人が会いたがってた人には海蛇が化けていて,その赤い目に何かが -
Posted by ブクログ
ネタバレどの物語も良かった!
物語りに夢中になるまで少し時間がかかったが、どれも魅力的で私もこの物語たちのような経験を子供の時にしたかったなーーーと思った。
・霧のむこうのふしぎな町 ★★★★
読み始めは平仮名多いし、村の人の訛りがすごくて読みにくいなーって思ってたけど、霧の谷の村や村の住人達がすごーく魅力的!
まだまだ物語は続くのかと思ったら、急に終わりですごーく取り残された感!
もっと読みたーい!って思いつつ、みんなからのお土産が素敵だった。
それにしても、お菓子がすごーく美味しそうだったなー
・地下室からのふしぎな旅 ★★★★
春夏秋冬の美しさを感じられる物語だった〜
壁を抜けるとか -
Posted by ブクログ
主人公の「カズ」は、何度、情けないと思い、泣きそうになったのだろう。
ただ、勘違いしないでほしいのは、彼が決して弱虫とか、意気地無しではないということ。
それは、小学五年生の彼一人の戦いであり、いじらしい彼女の、かけがえのない新たな人生を守るための戦い。
亡くなった人の命が還ってきて、新たな人生を歩むことが本当にいいのかどうかを、様々な物語で考えさせられる、ファンタジーならではの題材は、却って、現実の人の命の尊さを如実に表してくれるように感じられる。それぞれの立場に上手く重ね合わせられる構成の素晴らしさも。
何度も泣きそうになるカズは、少しでも彼女にやりたいことをやらせてあげたい、生き