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Posted by ブクログ
深夜突然自分の家の一角から見ず知らずの女の子が出てきたら。
そしてその子がいつの間にか学校に溶け込んでいて、周りの人達も昔からその子を知っていて、自分だけがその子の事がわからない状況になったら・・・
って最初の方では怖い話かと思ってたんだけど。
主人公カズの家の辺りの古い地名を授業で調べた頃から怪しげなお年寄りたちが出てきたり、幽霊の女の子あかりに同情し始めたりと、めまぐるしく話が動きます。
主人公のカズとあかりの初めての会話でうるうるしました。
その後から挟まれてくる作中作の出来がまた良くて、そっちの話にも引き込まれてしまいました。
終盤に向けての話の展開を示唆する内容になっています。
不条理な事は許せないって考えもわかるし、せっかく生き返ったのにすぐ消えちゃうんじゃ可哀想って気持ちもわかるのでモヤモヤしたり、
命の重さ、他人を思いやる気持ちの大切さ等色々考えさせられたりした作品でした。
読み終わった後は泣いてしまいました。
Posted by ブクログ
子どもの頃、大好きだった柏葉幸子さん。久しぶりに読んだけれど、やはり大好きです。
夏、お盆のころに読めばよかった~とちょっと残念なのは自分の都合。お話にはとても満足。
主人公のカズは、ある夜中、家の仏間から出てくる女の子を目撃する。
ゆ、幽霊?!驚くカズにさらに驚くできごとが。次の日、学校にその女の子がいて、しかも周りの友だちは以前から彼女を知っていて「同じクラスのあかり」だという。
同じ日、古い地図で自分の家の辺りがかつて「帰命寺横丁」と呼ばれていたことを知るカズ。調べていくと、死者が生き返るという帰命寺さまの怖くて不思議な言い伝えにたどり着く。
がっつり和風のお話なのに、表紙には遠くお城と魔女・裏表紙には騎士の絵に「?」と思いながら読んでいたら、なんと贅沢に作中作!
この作中作が本編に劣らずとてもわくわくするファンタジーで、これだけでも一冊読みたいくらい。
謎の「作者」ミア・リーの正体と、この夏に書かれた続きの物語と新しい結末が、また素敵。
――人生は平等に一度きり。だから生き返ってやり直すのはずるい。不公平じゃない?
帰命寺さまの存在を否定する派の人たちの言い分は、もっともすぎるほどもっともなのだけれど。
帰命寺さまの力で甦ったあかり、彼女を守ろうとするカズ、帰命寺さまがあってはならないと思いながら揺れる水上さん。
それぞれの気持ちは、言葉にすれば否定・肯定と正反対のようだけど、どちらか「だけ」が正しいというものでもない。むしろ、どちら「も」正しいといえるもので、着地点をどうするのか、最後までどきどきしたけれど、そんな心配は柔らかく吹き飛ばされる。
道理も不思議もすべて包み込む、懐の深い優しい結末だった。
Posted by ブクログ
主人公の「カズ」は、何度、情けないと思い、泣きそうになったのだろう。
ただ、勘違いしないでほしいのは、彼が決して弱虫とか、意気地無しではないということ。
それは、小学五年生の彼一人の戦いであり、いじらしい彼女の、かけがえのない新たな人生を守るための戦い。
亡くなった人の命が還ってきて、新たな人生を歩むことが本当にいいのかどうかを、様々な物語で考えさせられる、ファンタジーならではの題材は、却って、現実の人の命の尊さを如実に表してくれるように感じられる。それぞれの立場に上手く重ね合わせられる構成の素晴らしさも。
何度も泣きそうになるカズは、少しでも彼女にやりたいことをやらせてあげたい、生きて欲しいという、純粋な思いやりから、それが中々上手くいかない自分自身へのふがいなさから、そうした思いに至る。
確かに、彼の軽率だったり、考えなしの行動には、その時は失敗だったのかもしれないが、一貫して彼の行動には、他人の痛みを知ることによる無償の優しさが起因しており、私からすれば、その気持ちが大切なんだと彼に言ってあげたいし、彼の姿を見て、逆に泣きそうになるのは私の方である。
しかも彼の行動には、人の性格は変えられないけれど、行動を変えさせることはできることを、改めて教えてくれた。それは、彼の思いの一途さが相手に伝わったからである。
物語の終わり方には、好みが分かれるかもしれないが、私はこれでいいと思う。
いろんな未来をあれこれ想像できるし、人生、まだまだ先は長いし、カズもようやくいい男なのが認められたし。まあ、相手はともかくとして。
でも、この先絶対モテるだろうな、彼は。
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小説・文芸
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