【感想・ネタバレ】帰命寺横丁の夏のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

つい一気に読みました!「亡くなった人が生き返る」ことに反対する一派も出てきますが、その言い分も分かるなと色々考えながら読みました。作中に出てくる「月は左にある」もとてもよかったです。

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Posted by ブクログ 2022年01月29日

米児童文学賞受賞作。去年の夏「岬のマヨイガ」の原作と映画を見てその出来の良さに感心していたが、これは吉田玲子の脚本のおかげだと思っていたら、この著者の原作に力があったのだと思い知らされた。黄泉がえりした人間がその正体を見破られない限り普通に生活して行き子孫を作っていくことも可能と言うファンタジー、日...続きを読む本では良くある設定ではあるがストーリーが素晴らしいし、作中作の結末もなかなか切ない。日本の女性作家たちの力は本当に素晴らしい、男性作家はミステリー作家しかいないのかと嘆かわしくなる、村上春樹がんばれ!

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Posted by ブクログ 2016年12月28日

偉大なる柏葉幸子大先生〜。・゚(´□`)゚・。
日本の商店街が舞台の話を読んでたつもりが、途中から洋風ファンタジーに…
癖のあるおばあさんも出てくる!

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Posted by ブクログ 2016年11月21日

本編の物語も,挿入されている物語もどちらもテーマは同じながら,違った面白さで素晴らしい.水上のおばあさんも長生きして,新人デビューしてほしい!

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Posted by ブクログ 2015年11月16日

祈ると亡くなった人が帰ってくるという信仰があった帰命寺横丁が舞台の物語。
生き返ったあかりとあかりを必死に守ろうとするカズの思いに胸が詰まる箇所がいっぱい。水上のおばあさん・カズ、どちらが正しい・間違っていると単純に割り切れない。現実的ではなく甘い結末だと思うかもしれない。でも、ただ単純にカズを応援...続きを読むし、あかりの明るいこれからを応援せずにはいられない。
作中作品のファンタジーも先が気になる展開で、一冊で二冊分読んだ気分。

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Posted by ブクログ 2014年07月27日

深夜突然自分の家の一角から見ず知らずの女の子が出てきたら。
そしてその子がいつの間にか学校に溶け込んでいて、周りの人達も昔からその子を知っていて、自分だけがその子の事がわからない状況になったら・・・
って最初の方では怖い話かと思ってたんだけど。

主人公カズの家の辺りの古い地名を授業で調べた頃から怪...続きを読むしげなお年寄りたちが出てきたり、幽霊の女の子あかりに同情し始めたりと、めまぐるしく話が動きます。 
主人公のカズとあかりの初めての会話でうるうるしました。
その後から挟まれてくる作中作の出来がまた良くて、そっちの話にも引き込まれてしまいました。 
終盤に向けての話の展開を示唆する内容になっています。

不条理な事は許せないって考えもわかるし、せっかく生き返ったのにすぐ消えちゃうんじゃ可哀想って気持ちもわかるのでモヤモヤしたり、
命の重さ、他人を思いやる気持ちの大切さ等色々考えさせられたりした作品でした。

読み終わった後は泣いてしまいました。

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Posted by ブクログ 2014年05月29日

素晴らしい物語だった。
一冊で二度美味しい、というのがぴったり。もう一つの話も、まるまる一冊の本にできるでしょうに!
夏というどこかふわふわと楽しく、そして不安定な季節に感じる郷愁と、小学生が一生懸命になる様子に、心がジーンとしました。
もし自分が小学生だったら、どこか身近にこんなことあるんじゃない...続きを読むかしら?あの横丁にそういう歴史はないかしら?なんて、楽しくなってしまいそうです。
子供だけでなく、大人が読んでも素敵なお話です。

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Posted by ブクログ 2014年04月14日

子どもの頃、大好きだった柏葉幸子さん。久しぶりに読んだけれど、やはり大好きです。
夏、お盆のころに読めばよかった~とちょっと残念なのは自分の都合。お話にはとても満足。

主人公のカズは、ある夜中、家の仏間から出てくる女の子を目撃する。
ゆ、幽霊?!驚くカズにさらに驚くできごとが。次の日、学校にその女...続きを読むの子がいて、しかも周りの友だちは以前から彼女を知っていて「同じクラスのあかり」だという。
同じ日、古い地図で自分の家の辺りがかつて「帰命寺横丁」と呼ばれていたことを知るカズ。調べていくと、死者が生き返るという帰命寺さまの怖くて不思議な言い伝えにたどり着く。

がっつり和風のお話なのに、表紙には遠くお城と魔女・裏表紙には騎士の絵に「?」と思いながら読んでいたら、なんと贅沢に作中作!
この作中作が本編に劣らずとてもわくわくするファンタジーで、これだけでも一冊読みたいくらい。
謎の「作者」ミア・リーの正体と、この夏に書かれた続きの物語と新しい結末が、また素敵。

――人生は平等に一度きり。だから生き返ってやり直すのはずるい。不公平じゃない?
帰命寺さまの存在を否定する派の人たちの言い分は、もっともすぎるほどもっともなのだけれど。
帰命寺さまの力で甦ったあかり、彼女を守ろうとするカズ、帰命寺さまがあってはならないと思いながら揺れる水上さん。
それぞれの気持ちは、言葉にすれば否定・肯定と正反対のようだけど、どちらか「だけ」が正しいというものでもない。むしろ、どちら「も」正しいといえるもので、着地点をどうするのか、最後までどきどきしたけれど、そんな心配は柔らかく吹き飛ばされる。
道理も不思議もすべて包み込む、懐の深い優しい結末だった。

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Posted by ブクログ 2013年02月26日

人が生き返って未練を晴らすというのは『カラフル』とか『願掛けねこの日』とかよくある話だが、この話は、
・主人公は生き返った人本人ではなく現世へ戻ってきたのを目撃した人
・生き返ることがよいことなのかという問いかけ
が少し珍しいなぁーと

読み終わって、作中作との絡みに驚いた。そして、ボーイミーツガー...続きを読むル的な感じが好きだった分、あかりが離れたところに行ってしまって少しさみしくなった。

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Posted by ブクログ 2017年05月14日

亡くなった人をまた生きさせてやりたいと願うと、どこかで生き返らせてくれるという「帰命寺様」。
生き返ったとおぼしき女の子にたまたま気づいてしまった小学生のお話と、最初に生きていたころに女の子が読んでいた物語が交錯するファンタジー。
しまった、真夏か真冬に読めばよかった

面白かった。
馬鹿だなそっち...続きを読むいっちゃだめー!とハラハラしたり、主人公が嫌な奴だと思った相手が本気で憎らしくみえたり、主人公の視点を素直にそのまんま楽しめた。
作中作の物語がまた魅力的で、これなら続きが気になるのも無理はないと思える。
どうリンクするんだろうなんてことは考えずに物語自体を追っていた。
(でもちゃんとリンクしてる)

決着のつけ方が見事。

「帰命寺様」で、グアテマラにマシモンという神様の面倒を持ち回りで見るという話があったのを思い出した。こういう信仰の形は結構あるのかな。
「魍魎の匣」の中にも昔の神主が当番制だったという蘊蓄があった。

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Posted by ブクログ 2012年04月14日

おもしろかった~。
柏葉さん、大好きですっ!!

まず表紙がよいです。
ちょっと懐かしい感じのする裏通りにふわりと立つ少女、
道の向こうにはホウキにのった魔女の影。
守り人シリーズの画家さんとのこと。
好きなものがダブルできてるとなんか嬉しい。

この女の子が主人公なのかと思い、
魔女の影もあること...続きを読むだし、霧の向こうの、をちょっとイメージしたんだが、
全く違うものだった。

主人公は男の子、とゆー時点で、おやっと思う。
どうもあの少女は幽霊的なもののよう。
この設定が素晴らしいと思う。
命が帰る寺。
ただし、ただ生き返るんじゃなくて、
全く別の人間として生き直す、とゆーこと。
カズが水上のばあちゃんとかと話すうちに、
幽霊でもいいじゃんか、誰に迷惑かけるでなし、生きさせろよ、と
はっきりとあかりの立場にたつ決心をするとこが好き、
なんかちょっぴりじんとした。

影の魔女は、
あかりちゃんが読みたがっていた話の登場人物だった。
この話がまたおもしろくて、
わたしもカズたちと同じく夢中になって読んでしまった。
続きが知りたくてたまらなかった。
んで、それをあのばあさんが書いたとゆー展開にびっくり。
でも続きが読めてよかった。
そして、消えなくてよかった。

うーん、なんかうまく言えないけど、
とにかく、このお話は好きだ。

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Posted by ブクログ 2011年12月31日

柏葉 幸子  作
佐竹 美保  絵
講談社 (2011/8)


久しぶりに 読み応えのある児童文学に出会いました
ファンタジーですが 現実の足場もしっかりしています

二部に分かれて挿入されている童話
ストーリーとからまって紡がれていくのですが その紙が淡いグレー
素敵です

表紙の向うに描か...続きを読むれた小さな魔女
「魔女の宅急便」の画家さんだったのですね うふふ
どの絵も 物語へいざなってくれました

ラストもふんわりと よかったです


≪ 夏の日の 命の連鎖 帰命寺へ ≫

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

帰命寺横町にある不思議なご本尊「帰命寺様」に祈ると、死者がよみがえるという。主人公のカズと、よみがえった少女・あかりの不思議な夏休みのお話。2人の物語の中でもうひとつの童話「月は左にある」が展開していて、そちらも楽しめた。
死者はこの世に戻るべきではない。でも、理として正しくないことであっても、目の...続きを読む前で懸命に生きようとする命を摘んでしまうのはどうなんだ?という答えのない問いが描かれている作品。帰命寺の結論は、正しくはないのかもしれないが、やさしさに溢れていてこれはこれで良いのではないかと思った。

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Posted by ブクログ 2022年05月31日

生まれかわるようただ祈る母と、生き返らせるために他者を傷つける母。後者の母はゆるされなくても、そこにある命は、生きているその人のものだ。誰に憚ることなく、伸びやかに、ただ生きてほしい。子どもはただ、自分の命を生きることだけを全うしてほしい。

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Posted by ブクログ 2021年12月01日

主人公の「カズ」は、何度、情けないと思い、泣きそうになったのだろう。

ただ、勘違いしないでほしいのは、彼が決して弱虫とか、意気地無しではないということ。

それは、小学五年生の彼一人の戦いであり、いじらしい彼女の、かけがえのない新たな人生を守るための戦い。

亡くなった人の命が還ってきて、新たな人...続きを読む生を歩むことが本当にいいのかどうかを、様々な物語で考えさせられる、ファンタジーならではの題材は、却って、現実の人の命の尊さを如実に表してくれるように感じられる。それぞれの立場に上手く重ね合わせられる構成の素晴らしさも。

何度も泣きそうになるカズは、少しでも彼女にやりたいことをやらせてあげたい、生きて欲しいという、純粋な思いやりから、それが中々上手くいかない自分自身へのふがいなさから、そうした思いに至る。

確かに、彼の軽率だったり、考えなしの行動には、その時は失敗だったのかもしれないが、一貫して彼の行動には、他人の痛みを知ることによる無償の優しさが起因しており、私からすれば、その気持ちが大切なんだと彼に言ってあげたいし、彼の姿を見て、逆に泣きそうになるのは私の方である。

しかも彼の行動には、人の性格は変えられないけれど、行動を変えさせることはできることを、改めて教えてくれた。それは、彼の思いの一途さが相手に伝わったからである。

物語の終わり方には、好みが分かれるかもしれないが、私はこれでいいと思う。

いろんな未来をあれこれ想像できるし、人生、まだまだ先は長いし、カズもようやくいい男なのが認められたし。まあ、相手はともかくとして。

でも、この先絶対モテるだろうな、彼は。

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Posted by ブクログ 2021年05月17日

生と死の問題を、ソフトに深く問いかけてくるストーリー。今を生きる人の祈りが、この世を去った人たちを新たな「生」へとつなぎます。柏葉センセイ会心の一作、読み応え十分です。

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Posted by ブクログ 2017年05月13日

月は左にある、がはじまってから、ぐいぐいひきこまれてしまった。
むしろこっちがメインなくらい、すごく好みだった。いやでも、もとの環境がないとこれも生まれなかったわけで。
あまいんじゃない、といわれてたけど、月は~のラストで、あのこがのこって、そして、対峙するのがほんとすきだった。
それから、ほんとの...続きを読むラストの手紙もよかったなぁー!
やっぱり本読むの楽しい!と、思えた本でした!

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Posted by ブクログ 2017年03月05日

ターちゃんが帰命寺っていうお寺で祈願してくれたから借りた.僕は五年生.今日から夏休み.この世に未練があって蘇った女の子.劇中劇も面白い.もう少し淡い恋愛感情が入っていた方が良かったと思う.

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Posted by ブクログ 2013年07月30日

児童書?ですが、話のテーマがめっちゃ重いです。高校生以上くらいが読みそうな……。
夏の街の風景と、その中で繰り広げられるとある女の子との邂逅。最初は女の子の存在に半信半疑だったけれど次第に…な物語。
現実と、自分の心情との葛藤が細かいです。
すこしケチつけるなら、ちょっと展開がうまくいきすぎているよ...続きを読むうな印象ですが…。そこは児童書ですし。
切ないです。幸いなことにアンハッピーエンドではないですが、じんわり寂しさは残るかも。
大人が読んでも良いと思いますよ

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Posted by ブクログ 2013年06月27日

面白かった!
最初は子供の読み聞かせ本だったんだけど、もしかして幽霊?ってところでチビちゃんはドン引き。
子供にはちょっと難しい内容ではある。
今のうちのチビちゃんにはまだかな。再読して欲しい本。

作中の物語の方が正直、帰命寺のお話より面白くて、これが始まると読むテンポがグンと早くなる。
ドキドキ...続きを読むするファンタジー。
魔法使い、宝探し、王子さま、呪い、血筋の不思議な力。

キャラクターは帰命寺の面々の方が魅力的なのになあ。
なんと言っても水上のばあさんが素敵。何時の間にか子供の視線に降りてきてるところとか。
なにしろ、前向きだし。
こういう元気なおばあさんも柏葉幸子ワールドだよね。

帰命寺と石の鳥の話が最後は一つの結論になる。
「昔思ってたストーリーとかえましたか?」
そこ気になるよね。
最後は爽やかだけど、寂しいような、でもこれがベストな終わり方なのかも。甘くもなく辛くもなく。
少年のちょっと大人になった夏休みの出来事。

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Posted by ブクログ 2013年05月04日

もう夏も過ぎて久しいのですが、読みました。
児童向けですが、面白いです。

子供向けだけど、できたら、映像化なんかしていただけないでしょうか?

ちょっと、ツナグに似てます。

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Posted by ブクログ 2012年12月05日

柏葉幸子さん、健在!と思わせる作品。ファンタジー路線はかわらないのに、初期の作品に比べると、かなり現実よりになっているのがすごい。
最後がもう少し知りたかったような、これでいいような…もう少し余韻を楽しみたかったというところか。

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Posted by ブクログ 2012年08月19日

祈りのお陰で生き返った女の子と、その子を守ろうとする男の子の話。
それだけでも充分面白いのに、『月は左にある』という作中作も面白くて、一粒で二度美味しい感じ。
ただ、話の進みがもうちょっとゆっくりでも良かったんじゃないかな。
もっとじっくり読みたかった。

実際にこういう事もあるんじゃないかなって思...続きを読むえる、リアルな不思議さが好き。

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Posted by ブクログ 2012年01月13日

小学五年生のカズは近所に住む女の子あかりがよみがえりの人だと知っています。彼女を守るため、そして生きていることの喜びを感じてもらうために奔走します。
この物語の中に「月は左にある」という小説が挿入されています。半分近くを占めるこの話を書いた人、そしてそれを読んでいる登場人物たちの気持ちがリンクし深み...続きを読むを増しています。
読めば読むほど味わいのある物語です。

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Posted by ブクログ 2011年11月11日

柏葉幸子の物語と、佐竹美保の挿絵は、私の中で最強コンビ!

小学校5年生の僕・カズは、ある夜、幽霊を目撃してしまう。
翌日、その子は同級生あかりとしてクラスにいた!
僕以外のみんなは、何のわだかまりもなく、その子と接しているが……

と、よくあるお話風。
ところが、柏葉さんは違います!

郷土史研究...続きを読むから帰命寺の不思議な由来を絡ませてきます。
一心に祈ると、亡き人が別のどこかで生き返る、
そんな信仰がかつてあったと。

さらに入れ子構造の別物語までご用意……
そこにこの幽霊あかりちゃんと重ねてみせるのです。

一粒で二度おいしい……(笑)

正直、あのエンディングはどうなのかな……
いや、むしろ、今風なのか、ちょっとわからないのだけれど。

最後の最後、オチは痛快。
五代路子の私、人生、これからだよね、って思わせてくれました。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

柏葉幸子さんの男の子が主人公のお話もいいなと思いました。

祈ると生き返ることのできる「帰命寺様」によって生き返った少女あかり。
その秘密を知り、あかりを守ろうとする少年カズ。
生きているうちに最後まで読めなかった物語の続きを、あかりに読ませてあげたいと思うカズは、
その作家を探し、あかりのために続...続きを読むきを書いてもらいます。
そうして、お話の中にもうひとつのお話が登場するという贅沢な仕立てになっています。
その作家である水上のおばあさんとネコのキリコのキャラも好きです。
小学校高学年向き。

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Posted by ブクログ 2022年01月30日

アメリカの翻訳児童書に与えられる文学賞を受賞したということで読んでみました。

日本文化についてもかなり詳しくないと翻訳できないと思うし、これが評価されたということに驚いたというのが率直な感想。

最初は主人公のカズの言動にイライラも感じたけれど、途中から、「あかりを消したくない」という一生懸命さが...続きを読む伝わってきて、気づいたら応援していました。

途中に別の話を挿し込むのは「トムと3時の小人」と同じで、そっちはちょっと飛ばし読み。

読後感は悪くなかったけれど、私にとって柏葉作品のトップは、まだ「霧のむこうのふしぎな町」のままです。

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Posted by ブクログ 2021年02月03日

私が一番好きだった児童文学の作者が柏葉幸子さんだ。子供が大人の保護、管理の下を離れ、不思議な経験や冒険を経て成長する、王道でありながらも夢中になる物語を書く作家さんだ。
 
この本は、甥や姪に贈るために買ったもの。2011年に初版が出たものであり、私が夢中で読んでいた小説から30年以上の時を経て書か...続きを読むれたものだ。
私も大人になってしまい、かつてのように児童文学に夢中にはなれなくなってしまった。

しかし、だ。やはり柏葉さんの「世界」は健在だ。
この物語は、魔法や別世界が出てくるファンタジーではなく、現実っぽい世界が舞台だが、主人公が直面する「謎」と「不思議」、そして登場人物が夢中で読む「ファンタジー小説」が合間に挿入され、「日常」にバランスよくファンタジーがミックスされている。「はてしない物語」を思わせるような作りになっている。

柏葉幸子さんの小説としては「霧の向こうの不思議な街」や「りんご畑の特別列車」などを推したいが、これらの本を読んでいた時から30年が経ってなお、新しい小説に触れることができることを感謝したい。

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Posted by ブクログ 2020年01月19日

「帰命寺様に祈って、どこかで死んだ人に似た人をみかけると、ああ、帰命寺様にお祈りしたから生き返ってきたって思うんだろう。祈れば帰れるっていう単純なものらしい。―」祈ると生き返ることができる「帰命寺様」。生き返ったあかりの運命はいったいどうなるの?夏休み、小学五年生のカズが奮闘する。

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Posted by ブクログ 2012年08月04日

ふたつの物語が併走して全体が進んでいく。
ひとつは、突然幽霊がクラスメートになって戸惑う主人公の視点、
もうひとつは、その幽霊が何十年も前に大好きだったという幻の連載小説そのもの。
前者は、いわゆる普通の小学校5年生の日常が描かれていて、
後者は、魔女の呪いにとらわれた哀しい少女たちが、
どうにかし...続きを読むてそこから自分たちと世界とを救おうとする話が描かれている。
全くテイストが違う両者なのだが、根底では、
「死んだものがよみがえるということ」という同一のテーマで繋がっている。

淡々としたタッチの魔法の国での話も予想外に惹きつけられて、
一気に全部読んでしまった。
面白い。
のだが、柏葉ファンとしては、
もっと登場人物たちに大胆に冒険して貰いたかったというか、
もっと文量が多くなってもいいから、
幽霊の女の子や「帰命寺」の謎を深めて深めて深めて、
そしてじわじわと紐解いて欲しかった、気もする。
猫のキリコも水上さんも、キャラが立っているだけに、
もっと動き回るところが見たかったなぁ。

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