あらすじ
死んだ人が生き返る!?
帰命寺横丁からあらわれた幽霊の女の子。気がつけばクラスの一員だった!!
祈れば生き返ることができる「帰命寺様」からくりひろげられる、柏葉幸子の大ファンタジー!
帰命寺横町には不思議なご本尊「帰命寺様」が、代々まつられていた。「帰命寺様」に祈ると、死者がよみがえるという。
ある夜、トイレに起きたカズは、庭を横切る白い影を見る。それは、よみがえった少女・あかりの影だった。
二人の不思議な夏休みがはじまる!
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Posted by ブクログ
米児童文学賞受賞作。去年の夏「岬のマヨイガ」の原作と映画を見てその出来の良さに感心していたが、これは吉田玲子の脚本のおかげだと思っていたら、この著者の原作に力があったのだと思い知らされた。黄泉がえりした人間がその正体を見破られない限り普通に生活して行き子孫を作っていくことも可能と言うファンタジー、日本では良くある設定ではあるがストーリーが素晴らしいし、作中作の結末もなかなか切ない。日本の女性作家たちの力は本当に素晴らしい、男性作家はミステリー作家しかいないのかと嘆かわしくなる、村上春樹がんばれ!
Posted by ブクログ
素晴らしい物語だった。
一冊で二度美味しい、というのがぴったり。もう一つの話も、まるまる一冊の本にできるでしょうに!
夏というどこかふわふわと楽しく、そして不安定な季節に感じる郷愁と、小学生が一生懸命になる様子に、心がジーンとしました。
もし自分が小学生だったら、どこか身近にこんなことあるんじゃないかしら?あの横丁にそういう歴史はないかしら?なんて、楽しくなってしまいそうです。
子供だけでなく、大人が読んでも素敵なお話です。
Posted by ブクログ
おもしろかった~。
柏葉さん、大好きですっ!!
まず表紙がよいです。
ちょっと懐かしい感じのする裏通りにふわりと立つ少女、
道の向こうにはホウキにのった魔女の影。
守り人シリーズの画家さんとのこと。
好きなものがダブルできてるとなんか嬉しい。
この女の子が主人公なのかと思い、
魔女の影もあることだし、霧の向こうの、をちょっとイメージしたんだが、
全く違うものだった。
主人公は男の子、とゆー時点で、おやっと思う。
どうもあの少女は幽霊的なもののよう。
この設定が素晴らしいと思う。
命が帰る寺。
ただし、ただ生き返るんじゃなくて、
全く別の人間として生き直す、とゆーこと。
カズが水上のばあちゃんとかと話すうちに、
幽霊でもいいじゃんか、誰に迷惑かけるでなし、生きさせろよ、と
はっきりとあかりの立場にたつ決心をするとこが好き、
なんかちょっぴりじんとした。
影の魔女は、
あかりちゃんが読みたがっていた話の登場人物だった。
この話がまたおもしろくて、
わたしもカズたちと同じく夢中になって読んでしまった。
続きが知りたくてたまらなかった。
んで、それをあのばあさんが書いたとゆー展開にびっくり。
でも続きが読めてよかった。
そして、消えなくてよかった。
うーん、なんかうまく言えないけど、
とにかく、このお話は好きだ。
Posted by ブクログ
生まれかわるようただ祈る母と、生き返らせるために他者を傷つける母。後者の母はゆるされなくても、そこにある命は、生きているその人のものだ。誰に憚ることなく、伸びやかに、ただ生きてほしい。子どもはただ、自分の命を生きることだけを全うしてほしい。
Posted by ブクログ
月は左にある、がはじまってから、ぐいぐいひきこまれてしまった。
むしろこっちがメインなくらい、すごく好みだった。いやでも、もとの環境がないとこれも生まれなかったわけで。
あまいんじゃない、といわれてたけど、月は~のラストで、あのこがのこって、そして、対峙するのがほんとすきだった。
それから、ほんとのラストの手紙もよかったなぁー!
やっぱり本読むの楽しい!と、思えた本でした!
Posted by ブクログ
柏葉幸子さんの男の子が主人公のお話もいいなと思いました。
祈ると生き返ることのできる「帰命寺様」によって生き返った少女あかり。
その秘密を知り、あかりを守ろうとする少年カズ。
生きているうちに最後まで読めなかった物語の続きを、あかりに読ませてあげたいと思うカズは、
その作家を探し、あかりのために続きを書いてもらいます。
そうして、お話の中にもうひとつのお話が登場するという贅沢な仕立てになっています。
その作家である水上のおばあさんとネコのキリコのキャラも好きです。
小学校高学年向き。