あらすじ
異世界で母になる。
不妊治療の末、離婚した「私」が見知らぬ少女の母になる――亜ノ国で。
【どんでん返し×異世界エンタテイメント!!】
第54回野間児童文芸賞作家 新作!
柏葉幸子原作『岬のマヨイガ』、2021年8月27日より全国ロードショー!
●あらすじ
不妊治療の末、夫が浮気相手と子どもを作り、離婚した塔子。帰った故郷で見つけた亡き祖父のトランクは、異世界への扉だった。魔力が支配する過酷な世界「亜ノ国」に飛ばされ、塔子は村の娘ムリュの世話係を任される。一目会ったときから、なぜかムリュに夢中になる塔子。六十年に一度城で行われる「六祝の儀」にムリュも参加するというが、それは少女たちが競い合う、命がけの儀式だった。塔子はムリュを守り、生き残れるのか。すべての母と娘に贈る感動の物語。
●
「亜ノ国」で六十年に一度行われる、特別な少女「六祝様」を選ぶ儀式。
村の領主の妻リフェは自分の野望のために、娘ムリュが選ばれるよう画策し、異世界からやってきた塔子にムリュの世話係を任せた。
「ムリュを泣かせないで。涙のあとをつけたまま城に行くわけにはいかない」
塔子はうなずいて、ムリュのそばへしゃがみこんだ。スミレ色の瞳はもううるんでいる。
「ハリといいます」
と腕をさしのべると、ムリュは素直にすぐ塔子に体をあずけた。
この日から、塔子にとってムリュは特別な存在となった。
どんでん返し×異世界エンタテイメント!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
個人的には結構面白かったですよ!
理解するのに少し頭を使いましたが(^_^;)
ファンタジー×現代物って話ぶれるし好きではないんですが、これは面白かった。
最後も綺麗に終わっててスッキリ。続編は無さそうですが、この1巻で終わらせたからこそ良かったのかなと思います
Posted by ブクログ
『時空を超えて亜の国へ、明かされた秘密』
子供向けファンタジーかと読み始めると、不妊治療やら離婚やら、子供に読ませたくない言葉が連なる。読み進めていくと、これは立派な大人向けファンタジー。『亜の国』での出来事は、子供の心で読むと楽しい!
Posted by ブクログ
読みたい本に児童書も一般書もないと考えている。ただ児童書の体を取るとどうしても易しい内容にはなると思う。
著者が児童書の作家と承知して読み始め、一瞬でそれを忘れてぶっ飛んだ。この感覚を言葉にするのが難しいのだけど、とにかく文章のうまさに唸ってはため息の連続。そしてそれがファンタジーにリアルさをもたらしてる。最後は「日記」で全部かたをつけちゃうのはやや惜しいけど、すっきりとさせるためには致し方ないかしら。
主人公と一緒に旅をしたこの一冊。面白かった!
Posted by ブクログ
児童文学で名を馳せる柏葉さんの、最初の大人向けファンタジー。テーマには重さもあるものの、丁寧で愛のある描写に引き込まれてサラッと読んだ。ひらめちゃんの過去の日記を見つけてからの塔子の高揚感、はやる気持ちは特に胸に迫るものがあった。
家族・親戚関係を理解するのにやや苦労。
Posted by ブクログ
子供ができなくて不倫された主人公が突如異世界へ飛ばされる話です。
最初に家族の話が私のひいおばあちゃんやらお母さんの叔母やらいろんな家系図が出てきて
わかりづらいですが、とりあえずそこをサクッと読んでも話がわかるので読めました。
全体的に面白いというか、続きが気になる~っと読んでたら読み終わっていました。
話の展開は面白かったのですが、サブタイトルの水はそんなに関係してたかな?と思いました。
Posted by ブクログ
割とスケール大きいSFだと思ったんだけど、コンパクトにわかりやすくまとめてるのがさすが!柏葉幸子の世界観そのままに、大人が主人公なんですね。ちょっと重たいから、もう少しふわふわっと読めるものも書いて欲しいなー。とおもった。
でも、霧のむこうの不思議な街もすこし複雑な設定あったような気がするから、これが柏葉ワールドなのかな〜
霧の向こうの不思議な街とかドードーどりとか、読み返したくなった。異世界転生より、日常に紛れる不思議なお話が好きかも。
Posted by ブクログ
何十年か振りに柏葉幸子さんの本を読みました。
まさに大人向けのファンタジーでした。
親族関係が少し難しかったのですが、亜の国へと連れてってくれました。
最後は、そうきたのね〜っと心を掴まれました。
Posted by ブクログ
ファンタジー好きの私が期待して手に取った一冊。
なんだろう。思ったようなファンタジーではなかったけど、それはそれです。
魔法とかがもっと派手に展開すると心躍ったのかもだけど、人と人との関わり、心の揺らぎがえがかれる。
Posted by ブクログ
大人向けのファンタジー、との触れ込み通り、本当に大人向けのファンタジー。
柏葉ファンの大人にぜひ読んでもらいたい。
子供を授かるということ、子供を育てるということが、異世界を通じて語られる。
Posted by ブクログ
強すぎる感情が破滅のトリガーとなりかねない魔法世界において、執着と表裏一体の愛は必ずしも賛美されない。
それでも、様々な女たちの葛藤と決着が、めぐりめぐって塔子の背中を押すラストシーンに溢れるものは。
Posted by ブクログ
装幀から児童ファンタジーと思いきや、主人公は不妊治療の末に夫の浮気が原因で離婚した女性。
そんな背景があるから、亜の国で出会った子どもか愛おしくて仕方ない。
祖父は別人の成りすましなのか?なぜひらめちゃんが亜の国に?選考の行方は?
と気になるポイントが散りばめられており、楽しく読めた。
Posted by ブクログ
不妊治療したにも関わらず、夫が浮気相手と子供を作ったことにより、離婚した塔子。故郷に帰って、母の従姉が遺した家を訪ねる。遺言書により、塔子に引き継ぐということで、中を見ていると、何かをきっかけに異世界へ飛ばされた。そこは「亜ノ国」というところだった。どうすれば元の世界に戻れるのか?その鍵となるものはあるのか?塔子の物語が始まる。
元々柏葉さんは児童文学を中心に活躍されている作家で、今作が初の一般向け小説だそうです。
異世界ファンタジーですが、どこか児童文学で読んだようなワクワク感や優しさの雰囲気を保ちつつ、不倫や愛憎劇といった大人な要素もあるので、その中間をいっているいんしょうでした。
軸となるのは、どうすれば元の世界へ戻れるのか?という要素なのですが、翻弄されるまま、その国でのやり方に従順していくので、出口のない暗いトンネルを歩いているかのような間延び感があった印象でした。
途中から、鍵を握る人物は登場するのですが、なかなか物語が進まない印象だったので、気持ちを持続するのにちょっと苦労しました。
後半から、亜ノ国だけでなく、塔子の家族にも注目されます。段々と明らかになっていく2つの関係にほぉーと驚いてしまいました。
ただ、いかんせんと登場人物表はあるのですが、亜ノ国だけなので、塔子の家族構成も書いていただきたかったなと思いました。頭の中で整理しなければならない事が登場するので、ちょっと一苦労ありました。
結果的に複雑な人間関係で紡いでいく物語でしたが、様々な「愛」の形が描かれていました。「親」と「子」、「男」と「女」。それぞれの背景は違えども、人を愛することには真剣なのが垣間見れました。
後半にいくにつれて、児童文学にはないような残酷な展開や愛憎劇が繰り広げられていきますが、そこには感動の要素もあって、良かったです。
どんでん返しかわかりませんが、意外な事実や人物が現れたりと意表をつく異世界ファンタジーでした。