大江健三郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2ヶ月くらい前からおすすめと言われて貸してもらってずっと放置していた
繰り返し読みたくはならない
気に入ったのは「他人の足」。それ以外はふつうかなー
身体中の孔が粘ついた腐敗臭で満たされていくような閉塞感が不快だった、じめじめしすぎていた。
でもその湿っぽさこそが、死者や胎児のような物体、飼育されて観察対象となった黒人兵士と一般的な人間とを隔てている気持ち悪さなのだろうけど(湿気は人間側の特徴として
何かに身を費やさないと存続できないのかというほど無意識に観念に追い立てられ、根拠で生を掌握しようとする様子も嫌気がさす
そしてその差を感じることで優位(人間側としての優位性ではなく、存在としての違 -
Posted by ブクログ
大江健三郎が三島由紀夫による自決を受けて執筆した小説と知り、興味を持って手に取った。三島は簡単にいえば右翼的な思想、大江はおなじく左翼的な思想で知られているが、それがどのように結節して小説に反映されているのか、注目しながらまずは表題作を読んでみた。しかし、たしかに天皇に対する言及は存在するが、なかなか理解が難しい小説で、まず、主人公が通常の状態ではない。みずからをガンに罹患して瀕死の状態にあると思い込んでいるという特殊な設定で、そうなると当然そのなかの物語もストレートに受け止めることはできなくなる。あるいはこの描きかたじたいが、天皇を語りづらいものであると暗に示しているのかもしれないが、どうに
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Posted by ブクログ
おほきな疲労感とともに
狂気を書く。その点では『ねじまき鳥クロニクル』とおなじだが、前者は社会の狂気。こちらは個人の狂気だ。
しかも、こちらの狂気は説明的な人工の(=絵空事の)狂気なのだ。人間に直に根ざした狂気とは感じられない。
一文がながながしい変革期の文体。それは、大江がのちに『さようなら、私の本よ!』で書いたとほりだ。《あなたの出発時の文章はスッキリして、書いてることがよくわかった、いまはゴテゴテしている。それは批評家が賞めてるような、あなたに豊かな資質があるということじゃなくて、いま何を書いたらいいかわからないから、形容詞の煙幕を張ってということじゃないのか?》
「核時代