大江健三郎のレビュー一覧

  • みずから我が涙をぬぐいたまう日

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    「みずから我が涙をぬぐいたまう日」と「月の男(ムーン・マン)」という、狂気をユーモラスにかつ哀切をこめて描いた二つの中篇からなる本。

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    2009年10月04日
  • われらの時代

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    1959年に書き下ろしとして刊行された長編。外国人相手の中年娼婦である頼子、そのヒモとして同棲している主人公の靖男、その弟の滋がピアノを弾いている十代のジャズトリオ<アンラッキー・ヤングメン>。「若さ」という残酷さと如何に向き合うか。

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    2009年10月04日
  • 空の怪物アグイー

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    1962年から64年の間に書かれた短編集。<収録作品>
    不満足
    スパルタ教育
    敬老週間
    アトミック・エイジの守護神
    空の怪物アグイー
    ブラジル風のポルトガル語
    犬の世界

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    2009年10月04日
  • 見るまえに跳べ

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    <収録作品>
    奇妙な仕事(昭和32年5月「東京大学新聞」)
    動物倉庫(昭和32年12月「文学界」)
    運搬(昭和33年2月「別冊文芸春秋」)
    鳩(昭和33年3月「文学界」)
    見るまえに跳べ(昭和33年6月「文学界」)
    鳥(昭和33年8月「別冊文芸春秋」)
    ここより他の場所(昭和34年7月「中央公論」)
    上機嫌(昭和34年11月「新潮」)
    後退青年研究所(昭和35年3月「群像」)
    下降生活者(昭和35年11月「群像」)

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    2009年10月04日
  • 日常生活の冒険

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    斎木のモデルは故伊丹十三であったとか。高校の時に伊丹十三と知り合う。1960年、伊丹万作の長女ゆかり(伊丹十三の妹)と結婚。1994年ノーベル文学賞受賞。

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    2009年10月04日
  • 新しい文学のために

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    文学を読み書くための本。
    全体として自分にとっては難解であった。
    ただ、日常で使っている言葉を、
    いかに小説や詩において特別な意味を持たせるか、
    そこまではいかなくとも特定の効果を働かせるか、
    という異化の章はなるほど!と思った。

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    2009年10月04日
  • 燃えあがる緑の木―第一部 「救い主」が殴られるまで―

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    16歳の私を「文学とはいかに難解で深遠なものか」と嘆かせた作品。
    今思うと、もしかして簡単かもしれない「癒し」をここまで突き詰める、そういう作家がいること自体に価値を見出すべきなのかもしれない。

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    2009年10月04日
  • われらの狂気を生き延びる道を教えよ

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    走れよ、走り続けよ!が好きです。後は何というかまあ、いつもどおり。というか。まあすべていつもどおりですが。しかし短編と長編でこれだけイメージが揺るがないというのも珍しいんじゃないかという気がしますよ。どうだか知りませんが。「食べ物をいかにもまずそうに描写する」のが上手ですよねー。コーラと排骨麺って絶対遠慮したい組み合わせだと思う。何か、こういうの上手ね。(意図してやってないとゆー可能性もあるが)作中で異常な程不味そうに描かれていたオックステイルスープは、大江健三郎本人の得意料理らしい。実際おいしいらしい。(大江健三郎にインタビューしたSwitch編集者の弁)

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    2009年10月07日
  • 空の怪物アグイー

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    『個人的体験』と同時期に読むことをオススメします。
    『個人的体験』と同時期にかかれ、全く逆の「答え」を与えているからです。(表題作)

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    2009年10月04日
  • 遅れてきた青年

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    遅れてきた青年は、早すぎる未来に復讐を試みるが、やはり早く去りすぎた戦争という過去にはただ憧れるのみで、恨む事は永遠に無いのである。それはひとえに、青年にとっての戦争(過去)が現実に起こった事ではなく、お伽話の空想事と同じ意味合いの存在に過ぎないのであり、それ故にやはり青年は遅れてきた青年なのだ。仮にこの青年が第二次世界大戦の真っ只中に生きた青年であったとしたら、やはり青年は早く来すぎた世界大戦の時代に復讐を誓い、早く去りすぎた過去の戦争いくつかに憧れを覚えたのではないか。青年にとってすべては早すぎる訪れ、或いは早すぎる終焉を持つ出来事なのであり、己を取り巻くすべてのものに対して、己は遅れ続け

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    2011年07月15日
  • われらの時代

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    大江健三郎、23歳の作品。

    現状から逃げ出そうとしながら、逃げ出すきっかけが掴めずに鬱々と日々を過ごしている青年が やっとの事で残酷な程怠惰な日常から逃げ出すチャンスを得たところに、思わぬ事件が降りかかり・・・・みたいな。(分かりやすくあらすじ)
    見ようによっては飛び立とうと思いながら飛び立てない、臆病な卑怯者の主人公。という側面での理解もそれなりに深く掘り進める事は出来るのだが、この主人公が必要としているのは自ら足を踏み出す馬力と勇気、ではなくて 外側から自分自身を引っ張ってくれるあらがいようのない力 であったのだともまた言えるのではないかと思う。自分自身の意思とは関係無く、自分を引き上げ

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    2011年07月15日
  • 取り替え子

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    以前これを読まずに憂い顔の童子を読んでしまってえらい目にあった。未読!ていうか続きものってちゃんと書いとけ!

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    2009年10月07日
  • 「雨の木」を聴く女たち

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    大江さんが光さんのお父さんになる前の作品は、読んでもちーとも頭に入ってこないのですが、光さんが家に来てからは激変した、と思うのです。森がそばにある生活を、小さい頃に経験できて良かった、と思いました。

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    2009年10月04日