【感想・ネタバレ】みずから我が涙をぬぐいたまう日のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年06月16日

大江健三郎「みずから我が涙をぬぐいたまう日」

なぜ今までこの作品を未読だったのか非常に悔やまれる!
やはりこの時期の大江作品は神憑っている。
物語の進行上かなり重大な新事実を、
さも当たり前の事ででもあるかのように
関係詞節内にさらっと入れる手法は、
明らかにフォークナー、マルケスからの影響だろう...続きを読む

2012-09-20 00:42:55 Twitterより

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Posted by ブクログ 2023年09月01日

1文が10行にわたることもあり、さらに側から見れば発狂した者の口述記録でもあるため、完全に排他的な文体となっており、私も数ヶ月前に一度読み始め、途中で断念することとなった。
今回また読み始めたのは、大江の晩年の作品『水死』を読むことを目指すにあたって避けては通れない作品だからである。

「純粋天皇」...続きを読むというセンシティヴかつ荘厳なテーマを、なかば発狂した者の口述を通したユーモラスな文体を採用したおかげで、また小説という“フィクション”が保険として働いてくれるおかげで、重々しくなり過ぎずに扱えている。

この本を読んで、自分は大江作品の中でも神秘主義に重きを置いた作品の方が好きだと気づいた。もちろん、この本でも神秘主義を利用して「純粋天皇」の神格化を有効に表せているのだが。

大江の「父と天皇制」というテーマは、歴史や政治に疎い私にはまだ尚早なのかもしれない。
とりあえず今は『懐かしい年への手紙』『燃えあがる緑の木』に共に通底する命題である「魂のこと」に触れた地続きの作品である、『宙返り』を読みたい。

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Posted by ブクログ 2012年08月19日

ここ一年ぐらい封印していた「大江氏を読むこと」を、ついにやぶってしまった。

相変わらず、ずるずると引きずり込まれる、この人の世界に。

「みずから我が涙をぬぐいたまう」という不思議なタイトルについて、読み進めていって、なるほど、とわかった。

また、「懐かしい年への手紙」などと通じるモチーフが随所...続きを読むに登場するあたりも楽しめる。

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Posted by ブクログ 2011年05月06日

ミシマの自決に直接的に揺り動かされて、オオエの終生のテーマである天皇制に取り組んだ中篇2作。人生の三分の二、意識のレベルでいうとそれ以上の比重で平成に暮らしてきた個人としては、テーマ自体に共感を持つことはできない。ただ、それ故にかフラットに小説として読むことはでき、この時期のオオエの様々な発想は面白...続きを読むく読める。狂気をその強大な想像力をしてねじ伏せるように世界を構築していくオオエの姿は大変勇ましく、頼もしいのだ。
また、これを読んでおくと「水死」がさらに面白くなること請け合い(読まなくても面白いよ)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「みずから我が涙をぬぐいたまう日」と「月の男(ムーン・マン)」という、狂気をユーモラスにかつ哀切をこめて描いた二つの中篇からなる本。

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