大江健三郎のレビュー一覧
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1983〜1984年に雑誌に連載されていたエッセーを集めたもの。創作法、読書法、作家論、日常生活、昔の話などについて率直に(しかし下品にならずに)語られていて、楽しく読める。ブレイクやエリアーデ以外にヴォネガットやケルアックについて語られているのは珍しい。Posted by ブクログ
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原爆の悲惨さを伝える本。
著者曰く,原爆の威力の悲惨さは広く知られているが,
落とされた側のその後の悲惨さは十分に知られていない。
物理的なことだけに留まらず,
思想的な部分にも触れられている。Posted by ブクログ -
長編で使われたモチーフが色濃く出ている、短編集と言うよりは、まさに長編の副産物と言っても良いと思う。しかし大江健三郎が書くと、副産物であれ非常に密度の濃い内容に仕上がってしまう。個人的には表題の作品以外にも「アトミックエイジの守護神」が良かった。Posted by ブクログ
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<目次>
第一部 なぜ詩でなく小説を書くか、というプロローグと四つの詩のごときもの
第二部 ぼ自身の詩のごときものを核とする三つの短編
走れ、走り続けよ
核時代の森の隠遁者
生け贄男は必要か
第三部 オーデンとブレイクの詩を核とする二つの中編
狩猟で暮らしたわれらの先祖
父よ、あなたはどこ...続きを読むPosted by ブクログ -
1959年に書き下ろしとして刊行された長編。外国人相手の中年娼婦である頼子、そのヒモとして同棲している主人公の靖男、その弟の滋がピアノを弾いている十代のジャズトリオ<アンラッキー・ヤングメン>。「若さ」という残酷さと如何に向き合うか。Posted by ブクログ
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十七歳の虎、十八歳の呉鷹男、二十歳の「僕」の三人の《黄金の青春の時》とその結末を描いた長編小説。「現に青春にある者が、それも自分が内面において衰弱し、病んでいることを自覚している者が、恢復をめざして青春を書いた小説」Posted by ブクログ
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1962年から64年の間に書かれた短編集。<収録作品>
不満足
スパルタ教育
敬老週間
アトミック・エイジの守護神
空の怪物アグイー
ブラジル風のポルトガル語
犬の世界Posted by ブクログ -
斎木のモデルは故伊丹十三であったとか。高校の時に伊丹十三と知り合う。1960年、伊丹万作の長女ゆかり(伊丹十三の妹)と結婚。1994年ノーベル文学賞受賞。
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文学を読み書くための本。
全体として自分にとっては難解であった。
ただ、日常で使っている言葉を、
いかに小説や詩において特別な意味を持たせるか、
そこまではいかなくとも特定の効果を働かせるか、
という異化の章はなるほど!と思った。Posted by ブクログ -
16歳の私を「文学とはいかに難解で深遠なものか」と嘆かせた作品。
今思うと、もしかして簡単かもしれない「癒し」をここまで突き詰める、そういう作家がいること自体に価値を見出すべきなのかもしれない。Posted by ブクログ -
走れよ、走り続けよ!が好きです。後は何というかまあ、いつもどおり。というか。まあすべていつもどおりですが。しかし短編と長編でこれだけイメージが揺るがないというのも珍しいんじゃないかという気がしますよ。どうだか知りませんが。「食べ物をいかにもまずそうに描写する」のが上手ですよねー。コーラと排骨麺って絶...続きを読むPosted by ブクログ