向田邦子のレビュー一覧

  • 字のないはがき

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    向田邦子のエッセイを、角田光代が文、西加奈子が絵を書いた絵本。人々の姿を書かずに、下駄や布団、はがきなどで表現している。小さないもうとのことをみな心配している姿が目に浮かんできて切ない。
    無駄のない文章で、お話会などにもよいし戦争をテーマにしたところでも取り上げることできると思う。

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    2022年07月12日
  • 女の人差し指

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    「向田邦子」のエッセイ集『女の人差し指』を読みました。

    『思い出トランプ』に続き「向田邦子」作品です。

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    没後30年。
    達人の絶筆エッセイ。

    絶筆となった週刊文春連載他、放送作家として関わったテレビのこと、生前、関心のあった食べもの・旅などを纏めた達人のエッセイ集。

    ドラマ脚本家デビューのきっかけを綴った話、妹と営んだ小料理屋「ままや」の開店模様、人間町からアフリカまで各地の旅の思い出、急逝により『週刊文春』連載最後の作品となった『クラシック』等、名エッセイの数々を収録。
    日々の暮しを愛し、好奇心旺盛に生きた著者の溢れるような思いが紡がれた

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    2022年07月02日
  • 寺内貫太郎一家

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    「向田邦子」の処女長篇小説『寺内貫太郎一家』を読みました。

    「小林竜雄」が「向田邦子」の奇跡を辿った作品『向田邦子ワールドの進化 ― 没後20年を迎え、今初めて明かされるドラマと小説の謎』を読んで、久しぶりに「向田邦子」作品を読みたくなったんですよね。

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    「貫太郎」のモデルは、私の父「向田敏雄」である。
    よくどなり、よく殴り、5年前に亡くなった。
    お線香代りに、ちょっぴり「立派な男」に仕立て直してお目にかけた……。
    口下手で怒りっぽいくせに涙もろい、日本の愛すべき“お父さん"とその家族をユーモアとペーソスで捉え、きめ細かな筆致で下町の

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    2022年06月16日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    「手袋を探す」が読みたくて購入。キリッとした文章。読んでいると、背筋がピシッと伸びる感じ。定期的に読み返したい。

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    2022年05月06日
  • 隣りの女

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    昭和の高度成長期も一段落しバブル期になる前の当時の状況がリアル。中流階級の家庭の様子や、生活費が苦しい主婦の内職、若い女子社員の当然のお茶汲みに30歳が見える様になるとハイミスと言われるような社会、愛人や隠し子と言った言葉が普通に登場する事に昭和生まれの自分を棚に上げてもなお苦笑。でも当時はこれが『今』だったのだし、放映されていたドラマはこう言う暗い影の部分を題材にしたものがたくさんあったと思う。
    しかし、心の微妙な表現や移り変わり、人間の感情の機微といったような表現はやっぱり流石で、心にずんと重いものが残る読後感に向田邦子さんの凄さを感じる。
    向田さんの本を読んだ後には必ず思うことですが、あ

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    2022年04月17日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    エッセイを久しぶりに読んだ。
    昔エッセイストになりたいと思ってたことを思い出した。エッセイはその人がそのまま出る。
    我ながら畏れ多いことを考えてたものだ。
    著者のドラマは、細かな描写、心の内側が現れる仕草などが、繊細で物凄いものがあるな、と昔観て思っていたけど、このエッセイを読んでなるほどと納得した。

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    2021年12月15日
  • 無名仮名人名簿

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    悲しみや苦しみはその時耐えきれないほど傷ついたり忘れたくなるほど忌みはばかる。そんな辛い記憶も時を経て振り返ると、おかしみを感じてしまうのはなぜだろう。人間の喜怒哀楽は全て滑稽であり愛おしく、快活な筆者の言葉が私たちの生活に人情という調味料を注いでくれる。時に度が過ぎても美味になってしまう件を肴にまずは一献。

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    2021年10月19日
  • 無名仮名人名簿

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    向田さんの出会った人のことが書かれているエッセイ集。
    面白かったのは「転向」というタイトルのお話。
    凝り性の友人がいて、一つのものに凝りだすとそれ以外は絶対に認めず周りにも強要する。でも何かの折にその欠点を認めるとあっさりとまた次のものに転向して凝り出す。あ〜こんな人、私の周りにもいるなと可笑しくなった。まあ人間、少なからず誰しもこう言った所は持ち合わせているでしょうが。
    時代を感じるのは「お取替え」という話な中で、35歳くらいの女性を中年と表現していること。
    今なら35歳なんてまだ若いお姉さんに近いが、この当時だと中年だったんだなあと驚いた。

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    2021年10月03日
  • 字のないはがき

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    大人が泣く。疎開した妹さんのために、かぼちゃをとる場面から、ポロポロきて、お父さん号泣のシーンでは、私も号泣。
    子供からは、お母さん、よだれが垂れてるよって言われた。ちがう!涙!

    子供には、ピンとこないのかな?
    今は、そうであっても、記憶の片隅に入れておいて、成長してから、検索して欲しい一冊。

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    2021年09月22日
  • 新装版 眠る盃

    購入済み

    なつかしい!

    学生時代に向田邦子さんの作品を楽しんでいました。この短編集の中のあるエピソードが気になって、この度久々に再読しました。向田さんって、ほんとにユニークな人なんだな、と再確認しました。短編集なので、暇なときにパラパラと気に入ったエピソードを読むことができます。

    #エモい #ほのぼの

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    2021年09月03日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    ネタバレ

    1981年8月22日に飛行機事故で亡くなられて、今年で没後40年の向田邦子さん。
    今作は編集の途中でお亡くなりになった向田さんへの、編集者たちからの追悼の気持ちの込められたエッセイ集とのこと。

    家の冷蔵庫にビールを欠かさない程の酒豪。
    打ち合わせ等でご自宅は常に来客が絶えない。
    向田家の手料理・海苔弁、葱雑炊、麻布の卵、枝豆の醤油煮等も食べたくなるものばかり。
    向田家の台所がTVドラマを観ているように、目の前に浮かんでくる。

    特に印象深かったのは『手袋をさがす』。
    向田さんの若い頃から培った信念がよく分かった。
    妥協しない潔さ。
    熟考に熟考を重ねて、でも結論はさっぱりと。
    向田さんの自分に

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    2021年08月22日
  • 新装版 眠る盃

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    とても、面白かった〜!
    時々、難しい表現や漢字(自分の勉強不足ですが)があったりしますが。
    真っ当な感覚をもちながら、思いがけない出来事をユーモアたっぷりに捉えることのできる素敵な方だなぁと思いました。
    その対比がとても面白かったです。

    「今」のエッセイがよみたかったなぁと心から思いました。

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    2021年08月16日
  • 新装版 眠る盃

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    絵本『字のないはがき』がどうも私の中でしっくり来なくて、あらためて向田邦子さんの原作が読みたくなり購入した本です。

    なにげない日常が文章によってかけがえのない日常になっている気がしました。

    祖父のことを書いた文章の最後の一文が、祖父の名前で締めくくられているところが好き。

    他にもたくさん好きな部分があって、思わず書き留めたものも。

    以前読んだ『父の詫び状』でも、この本でも飛行機についての記述があることに少しドキリとしてしまう。

    全て私が生まれる前に書かれた文章。
    ちょっと時代を感じる表現はあるけれど、古くさくない感性、ユーモア、そして謙虚な姿勢。

    うまく言えないけど、読んで良かった

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    2021年08月15日
  • 男どき女どき

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    ネタバレ

    最近よく手にしてしまう向田邦子。昨日もふと購入(誰に何と言われようと紙媒体が好き)したこの短編を、スタバで全部読んでしまったのだが、その間私はコーヒー片手にうんうんと唸り、大笑いし、挙句泣くと言う感情の起伏を人目を憚ることなくやってのけてしまう。

    わたしが生まれる少し前の、わたしが生まれた後もかろうじて残っていたその時代の雰囲気に背筋を正され、今も昔も変わることのない人の営みに涙が出てくるというかね。

    脚の悪い同級生の母親が遠足にクラスメイトにわたしたゆで卵。1人で徒競走を終えようと懸命なその子に伴走する教師の姿、それを愛と考察した件に号泣。そう、そうなのよ、と。行為そのものだけじゃなくて

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    2021年08月13日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    エッセイにハマるきっかけになった本です。

    実体験をもとに著者の絶妙な視点からコメントが入る。
    頭の中でその情景が想像でき、感じることがとてつもなくたくさんありました。

    日常に生きる上で大切なことがたくさん潜んでいる、そんなことを教えてくれる本でした。

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    2021年06月14日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    小学生以上向け。
    淡々と進む文とベタ塗りのクレヨン絵で想像力がかきたてられる。シンプルがゆえに戦争の辛さがストレートに伝わる。最後は光ある未来が見えて良かった。

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    2021年01月19日
  • 男どき女どき

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    小西康陽(元ピチカート・ファイヴ)の「ぼくは散歩と
    雑学が好きだった。」を読んで森繁久彌と向田邦子に興味を持ち、この本を手に取った。

    短編4編とエッセイが収められていて、最晩年の作品らしい。

    短編はどれもとても面白くて、引き込まれてしまった。どれも昭和の匂いがして、1982年(昭和57年)の作品なのだから当然かもしれないが、今読むと何ともあか抜けない印象があって、それがまたいい味を出している。

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    2020年12月27日
  • 新装版 眠る盃

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    『父の詫び状』に続く、二冊目のエッセイ集。

    非の打ちどころのない名作エッセイ集である『父の詫び状』に比べると、古い文章や雑誌向けに書かれた男性批評シリーズみたいのも載っており、クオリティはいささか落ちる。

    しかしそれでも研ぎ澄まされた文章と、あくまで謙虚な姿勢で自分の経験を鮮やかに語る語り口は見事である。

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    2020年12月27日
  • 阿修羅のごとく

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    高校生の時に読んで以来の再読。
    向田邦子による放送台本を中野玲子(諸田玲子)が小説の形にしたものだけど、向田邦子自らによるノベライズだと勘違いして手に取った人もいただろうと思われる。それぞれの人物の関係性とそれに伴う空気感というか、生活感というか、そういったものが特に四姉妹の台詞に宿っており、この「」の中の会話は完全にそこに存在しているというか、生き物から発せられていると感じる。からかって敬語で皮肉を言ったりするところの自然な感じなんかもまったく「創作の会話・家族」という雰囲気がない。
    先日「夜中の薔薇」を読んでからというもの、向田邦子にとても興味がわいてきた。来年は没後40年とのこと。いい機

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    2020年12月21日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    木製のまな板と、菜切り包丁がぶつかり合う音で目を覚まし、
    顔を洗ってるときにはかつお節の匂いがする。
    なんてことない、けどそれが一番の幸せだと、大人になってから気づく。誰かにそんな想いをしてもらえるような暮らしがしたい。

    爆笑問題・太田光のコメントがよかった。

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    2020年10月28日