感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年11月25日
現代には向田邦子エッセイが足りない。テレビドラマ脚本家として名を挙げ、独身生活を美食や旅行で謳歌。有名人との華麗な交友など、と成功版たられば娘というか、なんとも数十年早く生まれた人だなあ、と思う。とはいえ、やはり初期の素朴なのとか父親ネタの方が好みで、旅行ネタはそこまでかなあ…
Posted by ブクログ 2012年02月08日
うまい。面白い。さすが。今読んでも全く古臭くなく、感性豊かでウィットに富んでいる。自分のことをちょっと蔑んで、それを楽しんでいる感じがとっても素敵。
Posted by ブクログ 2011年08月26日
エッセイなんだけど、短編小説を読んでいるような感覚。
小説でもそうだけど、背景の匂いが漂ってきそうで…聞いたことの無い向田邦子さんの笑い声とか聞こえてきそう。
Posted by ブクログ 2023年10月03日
「霊長類」を先に読んでしまったからなのか、ほんの少し刺激が少なく感じたけれど、それでも若い金魚を水面真上から見ているような楽しい文章ばかり。
「骨」の中で名前こそ出さないが三島由紀夫について語った箇所が印象的。4つ年上の彼のことを彼女は可哀想だと憐んでいたのか、空回りの演技が気に入らなかったのか、は...続きを読むて憐憫か嫌悪か嫉妬か。
Posted by ブクログ 2022年07月02日
「向田邦子」のエッセイ集『女の人差し指』を読みました。
『思い出トランプ』に続き「向田邦子」作品です。
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没後30年。
達人の絶筆エッセイ。
絶筆となった週刊文春連載他、放送作家として関わったテレビのこと、生前、関心のあった食べもの・旅などを纏めた...続きを読む達人のエッセイ集。
ドラマ脚本家デビューのきっかけを綴った話、妹と営んだ小料理屋「ままや」の開店模様、人間町からアフリカまで各地の旅の思い出、急逝により『週刊文春』連載最後の作品となった『クラシック』等、名エッセイの数々を収録。
日々の暮しを愛し、好奇心旺盛に生きた著者の溢れるような思いが紡がれた作品集。
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「向田邦子」のエッセイは約3年前に読んだ『夜中の薔薇』以来ですが、いつもながら、構成力や表現力、そしてネーミングの秀逸さに感心してしまいますね。
以下の4つのカテゴリで構成されています。
■女の人差し指
・チャンバラ
・蜘蛛の巣
・昆布石鹸
・動物ベル ほか
■テレビドラマ
・ライター泣かせ
・ホームドラマの嘘
・テレビドラマの茶の間
・名附け親 ほか
■食べもの
・板前志願
・思いもうけて……
・こまやかな野草の味
・「ままや」繁昌記 ほか
■旅
・二十八日間世界食いしんぼ旅行
・わたしのアフリカ初体験
・人形町に江戸の名残を訪れて
・でこ書きするな ほか
■解説 北川信
「向田邦子」のエッセイって、何とも言えない魅力があり、夢中になって読んじゃいましたね。
印象に残った内容を少し記しておきます。
『セーラー服』は「学生服は陸軍、セーラー服は海軍の服である。学生に軍服を着せる習慣は、いつ頃、どうして生まれたのだろうか。」という言葉で終わっているのですが、、、
ホント、そうですよねぇ… 最近はブレザーの学校も増えましたが、元々は軍隊式の制服だったんですよね。
新たな気付きでした。
『ホームドラマの嘘』での「大きな嘘のつける人は政治家におなりなさい。小さな嘘のうまい人はホームドラマをお書きなさい。」という言葉、、、
政治家の不祥事が報道されるたびに思い出しそうな言葉です。
『家族熱』での電話での聞き間違い、、、
『遺伝の東』≠『エデンの東』
『ゼームス・デン』≠『ジェームス・ディーン』
『悪党部落』≠『アクト・オブ・ラブ』
思わず笑いっちゃいました。
『モンロー・安保・スーダラ節』で紹介される編集部デスクからのアドバイス「ビジュアル(視覚的)な文章を書いて下さい。」という言葉、、、
まさに「向田邦子」作品を評価するに相応しい言葉… 「向田邦子」作品は、この言葉を実現しちゃっていますよね。
『食べもの』に収録されているエッセイを読んでいると涎が出そうになるし、
『旅』に収録されているエッセイを読んでいるとその土地へ行ってみたくなりますもんねぇ。
愉しく読めました。
Posted by ブクログ 2017年05月12日
随分バッサリと言う人だなと思ったが、それが気持ち良い。
「桃太郎の責任」というのは面白かったな。
昭和ひとけたの世代にダラダラと話すタイプの人が多く、それは、桃太郎のあの物語を暗記させられたせいだという。
とてもユーモアがあって好きなエピソードだ。
「女の人差し指」は、書き下ろしのようだが、
それ...続きを読む以外の「テレビドラマ」「食べもの」「旅」は、初出ではなく他で発表された文章である。
Posted by ブクログ 2013年08月09日
テーマごとに区切られているものの
同じ題材で書かれている文章が2編入ってたりする辺り
エッセイ集として編まれたものではないんだな、ということを突きつけられる。
カレーライスのアンソロジーを読んだときから思っていたのだが
向田さんの食べ物エッセイは抜群に面白い。
そのクオリティの高さは相変わらずなの...続きを読むだが、
それに加えて紀行文というか旅行エッセイが面白い、というのが新たな発見だった。
そこには密接に食べ物も絡んでくるんだけど(笑)。
個人的には『沖縄胃袋旅行』が好きだった。
今では一般的になっている沖縄料理の数々だが、
当時と現在では微妙に表記が違っているのが興味深い。
各々のエッセイの最後に初出誌と年月が記載されている。
特に旅行記のパートを読んでいて、初出が昭和56年8月に近づいてくると
なんだか切なくなってしまって、読んでいて涙が出そうになった。
Posted by ブクログ 2011年10月15日
爆笑問題の太田さんが、「向田邦子のエッセイは面白い」と言ってたので購入。
ちょうど没後30年記念で新装版が出た所みたい。
そんなに昔の人とは知らなかったが、読んでいても全然文体が古くない。
他の本も読んでみよう。
Posted by ブクログ 2011年07月16日
向田さんの作品は好きで何冊か読んでいるが、
久しぶりに読んでみて、文章のリズムというか、言葉の旋律というか、
これ見よがしでもなくサラッと書かれているけど、
ものすごく上手だなぁ、
それこそ名人芸、落語のようだと改めて感じ入った次第。
文章を読んでいると、書き手の性格や人情が見えてくるように思うこ...続きを読むとがある。
確かめようもないから、それが当たっているのか思い過ごしなのかは分からないが、
向田さんの文章を読んでいると、
ヤンチャで負けん気の強い、しかし従順で臆病なところもある。
賢くて、正義感があり、おっちょこちょいだけど、人に甘えるのが苦手。
そんな愛らしい女性像が見えてきて、さらに好きになる。
何年か前、テレビで『向田邦子の恋文』(だったかな?)というドラマをやっていた。
しがない男と半同棲みたいな感じだったような気がするが、
そういう生活もありながら、そういうところをまったくださない文章の
男気のようなものも感じる。
Posted by ブクログ 2023年02月23日
向田邦子のかいたドラマは見たことがないが、エッセイの数々楽しく読むことが出来ました。さすがにドラマにまつわる話は「へー」くらいでしたが…。
時代もありなかなか分かりきらない事もあるが、「女の人差し指」の括りの話は今でも十分に面白いです。向田邦子は食いしん坊ということで、食べ物に関しての描写は生き生...続きを読むきしています。読んでてお腹が空きます。岐阜と沖縄に行きたくなった。
Posted by ブクログ 2020年05月08日
向田邦子さんのエッセイ集。テレビの脚本家として活躍をされていた頃のお話、世界各地、日本の各地へと旅をされたことなどが、書かれています。
子供の頃みていたテレビのホームドラマでの茶の間、今とはかなり違ってますが、暖かく、味わいがありますね。サザエさんや、ドリフターズのコントでも、そうでした。向田邦子さ...続きを読むんのエッセイには、こんな昭和の時代の暖かさがありますね。
Posted by ブクログ 2019年12月26日
向田邦子 著「女の人差し指」、2011.6発行。女の人差し指、テレビドラマ、食べもの、旅の4つに整理されたエッセイ集です。何篇か既読のものも収録されていました。急逝により「週刊文春」連載で最後の作品になった「クラシック」も収録されています。板前になりたかったとの向田さん、酒呑みの心をよく知っておら...続きを読むれますw。酒のさかなは少しずつ。ささやかなもの、季節のもの、ちょっと気の利いたものを(^-^)
向田邦子「女の人差し指」、2011.6発行、再読。次の4つのエッセイが印象に強く残りました。「蜘蛛の巣」時間をじっくりかけた素晴らしい芸術作品。「セーラー服」学生服は陸軍、セーラー服は海軍の服。「酒呑みの心」向田さん、よくご存じですw。「板前志願」一に材料、二に包丁。三、四がなくて、五に器。というのが信条だったそうです。
田園の香水、あの匂いを嗅がなくなって随分になる。今は、天下堂々、白一色の水洗トイレ。男にも女にも恥じらいがなくなったのは、この辺が原因か。街からあの匂いと汲取屋が消えたのと一緒に「含羞」という文字も消えてしまった。向田邦子「女の人差し指」、1982.8刊行、2011.6新装文庫。