向田邦子のレビュー一覧

  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    読んだことがあるような気がするのだけど、思い出せない。

    戦争で小さな妹が疎開して、父親が宛名だけを書いたはがきを渡す。妹には○か×を書くように伝えて、最初の日は大きな○のハガキが届く。それがだんだん○が小さくなり×になり……。

    少しドキドキしてしまったけど、最後は妹は大きくなったという話。


    文字もまだ書けない小さな子供すら疎開しなければならない状況になる悲惨さ。ひどい風邪をひいて隔離されている……ということは、栄養状態も悪く薬もなくて治らない状況。
    戦争の悲惨さを書いた絵本なのだろうけど、ちゃんと家族が妹を迎える様が家族の繋がりだけはしっかりと残ってたのかなと。
    これ、話の一部らしいの

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    2024年03月10日
  • 阿修羅のごとく

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    昔も今も女性の可愛らしさって変わらないなと。旦那さんに対する「愛」。女性は強い、強くなった!って言われるけど、もともと強い。だけど、つつましいところがあり伝えられるない女心を感じ微笑ましくもあった。

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    2024年02月21日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    私はこの人の感性が好きだ。1929年生まれ。和暦だと昭和4年生まれ。今生きていれば95歳。私の亡くなった祖母と同世代。当時キャリアウーマン(すでに死語か?)として女一人で生計を立てるというのはかなり珍しくて新しい生き方だったと思う。少なくとも私の周りにはいなかった。

    この本の中で性差による「らしさ」についてたびたび語られている。今どきの人は嫌悪感を示すのだろうかと思いながら読んだ。ジェンダーレスが叫ばれ「男らしさ」とか「女らしさ」とかいう言葉さえ使うことが憚られる世の中になってしまった。

    私自身は、性別によって権利とか機会を奪ったり差別したりすることは間違っていると思うが、男らしさとか女ら

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    2024年02月18日
  • 阿修羅のごとく

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    4姉妹、もちろん考え方も性格も何もかも違う。いがみあってあるかと思えば、次の瞬間には笑い合っていたり、結託していたり。
    そんな仲をみていると、姉妹っていいな、女っていいなと思えてくる。
    私は滝子が一番好きかな。

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    2023年12月31日
  • 阿修羅のごとく

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     好きな本。四姉妹もの。

    長女 綱子(45) 
     未亡人。お花の先生。
     既婚男性と交際中。

    次女 巻子(41)
     夫と一男一女を儲ける。おっとりした性格。
     夫の不倫を疑っている。相手は秘書?

    三女 滝子(30)
     未婚。交際歴なし。司書。
     融通が利かず素直に甘えられない性格。

    四女 咲子(25)
     小さい時におみそにされた事を根に持ってる。
     デビュー前?のボクサーと同棲中。

    父 恒太郎(68)
    母 ふじ(65)

     物語は父親の不倫現場を三女が目撃してしまったところから始まります。母親に気付かれないように、どうにか収めたい四姉妹だけど、それぞれも問題を抱えていて、、、。

     

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    2023年11月24日
  • 字のないはがき

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     平和を願うための絵本として、手にした作品です。たださんの本棚からの選書、ありがとうございます。この作品は、教科書にも掲載されているのですね…。そして、著者は向田邦子さんと角田光代さん、絵は西加奈子さんという、すごい作品です。

     ストーリーは、戦争末期のある家族に焦点をあてた作品です。戦況が思わしくない日本…いつ爆弾が降下されるかわからない緊迫感と、食糧難からのひっ迫感…街にいた子供たちは次々に疎開していきます。そして、一番小さな妹が疎開するとき、まだ字の書けない小さな妹に父は元気に過ごせたら〇を書いてポストに投函するようにと、沢山の葉書を持たせます…。疎開して最初の葉書には、はみ出さんばか

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    2023年11月09日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    短編のエッセイ集、私にとって初めての向田邦子作品です。言葉ひとつひとつが正直で分かりやすく、尚且つとてもおしゃれで、他の作品も読みたくなりました。
    爆笑問題・太田光さんの解説もとても良かったです。定期的に読みたい本に出会えました。

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    2023年10月31日
  • 思い出トランプ

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    初 向田邦子。落ち着いた文章で頭にスッと入ってきた。
    数年前に弟からもらった本。

    人の裏側、黒さ、性など、人間らしさがとても良かった。

    『かわうそ』がお気に入り。

    向田邦子ワールドが好きだなぁ!

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    2023年10月21日
  • 思い出トランプ

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    ウン十年ぶりの再読です。ちょうど私が学生の頃、直木賞をとった作品として話題になり手に取ったのでした。そして、ウン十年後の今、読み返してみるとどう感じるのか?試してみたくなったのです。13作品の短編集です。

    当時の日本の一般的な家庭の風景。ごく普通に流れていく家族の生活。夫婦、親子を通した日常。一見何もおかしな所はないのだけれど、その中の個々人の心の中には様々な思い、記憶、経験。嬉しいこと悲しいこと、憎らしいこと。様々な思い、感情が表面には出てこないけれど内面に渦巻いている。そういった内面を掴み取り、暴き出して端正な言葉と文章で鋭く描写している。

    私は向田さんの家族愛に基づいたキレキレの描写

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    2023年10月12日
  • 女の人差し指

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    「霊長類」を先に読んでしまったからなのか、ほんの少し刺激が少なく感じたけれど、それでも若い金魚を水面真上から見ているような楽しい文章ばかり。
    「骨」の中で名前こそ出さないが三島由紀夫について語った箇所が印象的。4つ年上の彼のことを彼女は可哀想だと憐んでいたのか、空回りの演技が気に入らなかったのか、はて憐憫か嫌悪か嫉妬か。

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    2023年10月03日
  • 思い出トランプ

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    人間の生活の中の嫌な部分を巧みな文章で拾う向田邦子の表現力が素晴らしすぎる。
    どの話も嫌な余韻を引き摺るのにどんどん読み進めてしまう。
    でも考えてみたら小学生?の時に初めて読んだ「字のないはがき」もなんか嫌な気持ちになったのを思い出した。

    私は一番最初の「かわうそ」が面白怖すぎて電車の中で悲鳴を上げそうでした。
    この話だけは未だに思い出してしまう。
    でもどの話も漏れなく嫌な気持ちになるので梅雨時期に読んでたら気が滅入り過ぎて倒れただろうな。

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    2023年07月09日
  • 字のないはがき

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    ただ事実を述べているだけなのに、とても伝わる。
    絵も、ただ私の見ていたものを描いているようで、心を掴む。
    戦争ものはどうしても苦手な作品が多いけど、詳細に鮮明に描写しなくても伝わるものは多くある。

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    2023年07月05日
  • 父の詫び状

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    面白かったり泣けたり。
    昭和の家庭では、当然のように父親が一番強くて、特別だった。
    怖くて、時に理不尽な存在だった。
    先生に叩かれることだって、あった。
    それでも、そこにはしっかりと愛情が通っていた。
    そんな風景が広がる本。
    しかし、よくこんなにいろんなエピソードを持っているなあ、と感心する。
    物事をしっかりと感じて捉えて生きてきた人なんだなあ、と、そのさっぱりとした文体から垣間見える人柄に魅かれる。



    2006.11.25
    私は本を読むのが遅いので、なかなか読み進まなかった。が、それはこの本が面白くなかったということではない。エッセイを読むと、その人の人生に同化するような気がする。経験を

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    2023年05月30日
  • 父の詫び状

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    秀逸なエッセイ。思わず笑みも溢れる。でも、すっと寂しさもよぎる読後感。
    個人的には黒柳さんのエピソードが盛り込まれていた「お辞儀」が面白かった。そのなかでも、母を香港旅行に送り出した飛行機の下りの描写が、その後の向田邦子さんの最期につながるようで、なんとも言えない気持ちに見舞われた。

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    2023年01月20日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    戦時中のエピソードから思わずいい匂いのしてきそうなご飯のお話まで、盛りだくさんのエッセイ。
    芯のある美しい文章で、また読み返したいなと思います。

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    2023年01月02日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    手袋をさがす。ないものねだりかもしれない、けれど好奇心を持って周りを探し続ける。満足できなくて常に不満を持っているかもしれないけど、探し続ける自分に誇りを持っていいんだと思えた。
    時計なんか怖くない。時間を合理的に使うことは、時計の奴隷になっているだけではないのか。人生の大きな時計で計れば、若い時の時間を無駄にしてしまったという絶望も、ほんの短いステキな時間ではないか。一生懸命生きていればどんな時間も無駄ではない。そう思えるように生きていきたいな。

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    2022年12月06日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。

    西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。

    家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
    玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。

    いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
    けれど赤い大きな&qu

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    2022年11月03日
  • 字のないはがき

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    向田邦子さん原作、角田光代さん文、西加奈子さん絵という豪華メンバーによる絵本。 未来ある子どもたちに、戦争によって怖くて寂しく辛い思いをさせてはいけない。何気ない日常が続くように、私たち大人は真剣に考えないと…こんな状況だからこそ。

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    2022年10月22日
  • 新装版 眠る盃

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    向田邦子エッセイ集。今読んでいても全然色あせることがない。向田邦子さんの人となりも、すけてみえてきて、ますます向田邦子ファンになってしまいます。
    今の日本人は変わってしまったのだろうか。この一冊の中には、よく言われる古き良き日本人が詰まっています。

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    2022年09月22日
  • 阿修羅のごとく

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    女はアシュラだよ。アシュラってのは、外っ側は仁義礼智信を標榜してるんだが、気が強くて、人の悪口言うのが好きで、怒りやシンボルだそうだ。
    勝ち目ないよ、男は。

    名台詞である。この点に関しては、昔も今も変わらないと見える。

    向田邦子作品は、やはり素晴らしい。人間描写、セリフ、全て。
    植物人間となっている男の足の裏に、へのへのもへじなんて、テレビ的でもあり、悲しみ、寂しさ、開き直りとか、色々表現されていて、さすがだと思います?

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    2022年09月05日