向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今から半世紀程前の放送台本を小説化された本作。
向田邦子さんと言えば、やはり昭和を代表するホームドラマの脚本家というイメージが強くて、読んでいる最中でも登場人物が躍動しているような賑やかさを感じた。
昭和の作品だけあって、現代と明らかに異なるのが、男女の恋愛模様や結婚観。ジェンダーバイアスなんて言葉が聞かれる程、ジェンダー問題が叫ばれる昨今の感覚からは、あまりにかけ離れているので違和感を通り越して愉快に感じる。時の流れで人の感覚って、確実に変わり続けているんだなぁと妙に感心してしまった。
是枝裕和さんによるNetflix版『阿修羅のごとく』が公開されるのをキッカケに読んだが、イメージが固定されない様に本作を読み終わるまで、Netflix版のキャストは見ないように我慢・・・笑
そして読後にキャストを確認して、ひとりニマニマ。
いやぁ〜流石にキャスト選ぶの上手いなぁ。
でもね、小説も負けてはいないんですよ。
なんてったって、解説は、な、なんと!
女優の南田洋子さんですからね!!
うーん、現代っ子だと通じないかも。長門裕之さんとおしどり夫婦の南田さんですよ。って、無理か。笑
昭和の色濃い賑やかな作品。
四姉妹それぞれの悩みや葛藤、そしてこの時代の男達の不器用で愛らしいこと。たっぷり堪能させていただきました。
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Posted by ブクログ
★★★★ 何度も読みたい
最初の4編は短編小説、あとはエッセイ集となっている作品。エッセイの方では、著者の人生哲学のようなものが簡単に紹介されている。その中でもいくつかの話には、襟を正さなくてはという気持ちにさせられた。特に『若々しい女について』『独りを慎む』『サーカス』などが印象的だった。
「自由は、いいものです。ひとりで暮らすのは、すばらしいものです。でも、とても恐ろしい、目に見えない落し穴がポッカリと口を開けています。それは、行儀の悪さと自堕落です。」
「誰が見ていなくても、独りでいても、慎むべきものは慎まなくてはいけないのです。」
これらは『独りを慎む』のp125の一節だが、著者の何気ない日常の動作を切り取って、我々の鼻先に突きつける技術を感じられると思う。独り暮らしをしたことのない私でもどきりとした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んだことがあるような気がするのだけど、思い出せない。
戦争で小さな妹が疎開して、父親が宛名だけを書いたはがきを渡す。妹には○か×を書くように伝えて、最初の日は大きな○のハガキが届く。それがだんだん○が小さくなり×になり……。
少しドキドキしてしまったけど、最後は妹は大きくなったという話。
文字もまだ書けない小さな子供すら疎開しなければならない状況になる悲惨さ。ひどい風邪をひいて隔離されている……ということは、栄養状態も悪く薬もなくて治らない状況。
戦争の悲惨さを書いた絵本なのだろうけど、ちゃんと家族が妹を迎える様が家族の繋がりだけはしっかりと残ってたのかなと。
これ、話の一部らしいのでたぶん前後があるのだろうけど……。これだけで充分と思うものがある。
はがきの○×で伝えるの、分かりやすくていいなと思った。
戦争の話を抜いてもはがきのエピソードの部分だけでも好き←ここだけにすると意味が変わりそう。
ごちそうさまでした。 -
Posted by ブクログ
私はこの人の感性が好きだ。1929年生まれ。和暦だと昭和4年生まれ。今生きていれば95歳。私の亡くなった祖母と同世代。当時キャリアウーマン(すでに死語か?)として女一人で生計を立てるというのはかなり珍しくて新しい生き方だったと思う。少なくとも私の周りにはいなかった。
この本の中で性差による「らしさ」についてたびたび語られている。今どきの人は嫌悪感を示すのだろうかと思いながら読んだ。ジェンダーレスが叫ばれ「男らしさ」とか「女らしさ」とかいう言葉さえ使うことが憚られる世の中になってしまった。
私自身は、性別によって権利とか機会を奪ったり差別したりすることは間違っていると思うが、男らしさとか女らしさとかは、そもそも男女は生物学的に構造や役割が違うのだから、あって当然だと思う。そして良いとされる「らしさ」は歴史や文化によって考え方が違うと思う。(LGBTはまた別の話)。
そういう意味でもこの人の文章は受け入れやすい。日本で戦前に教育を受けた人の考え方であるが、スッと入ってくる。男だからそんなこと言えるんだと思われてしまうかもしれないが、女性の向田さんが言っているのだから心強い。
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Posted by ブクログ
好きな本。四姉妹もの。
長女 綱子(45)
未亡人。お花の先生。
既婚男性と交際中。
次女 巻子(41)
夫と一男一女を儲ける。おっとりした性格。
夫の不倫を疑っている。相手は秘書?
三女 滝子(30)
未婚。交際歴なし。司書。
融通が利かず素直に甘えられない性格。
四女 咲子(25)
小さい時におみそにされた事を根に持ってる。
デビュー前?のボクサーと同棲中。
父 恒太郎(68)
母 ふじ(65)
物語は父親の不倫現場を三女が目撃してしまったところから始まります。母親に気付かれないように、どうにか収めたい四姉妹だけど、それぞれも問題を抱えていて、、、。
昭和54年のドラマの脚本を書籍化されたようです。(多分)。次女と三女の間が11年空いてるのはお父さんが出征されてたからのようです。昭和54年頃の生活も覗けて面白かったです。豆腐屋さんがラッパ吹いて売り歩いてたり、電話はアパートの管理人室にあって呼び出しだったり。
今から45年近く前の話なので、結婚観とか色々違う。45年で大きく変化したのか、少ししか変化出来てないのか。女の人が働いて1人で生きていくのも、離婚も珍しい時代だったろうから、夫に依存せざるを得なくて、、、グッと堪えて耐え忍ぶ女性陣。そりゃ阿修羅にもなるよね。
姉妹同士でたくさんケンカするけど、他所の人が姉妹の誰かに危害を加えようとすると味方になる感じは、昔の私と妹の関係に似てるな。
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Posted by ブクログ
平和を願うための絵本として、手にした作品です。たださんの本棚からの選書、ありがとうございます。この作品は、教科書にも掲載されているのですね…。そして、著者は向田邦子さんと角田光代さん、絵は西加奈子さんという、すごい作品です。
ストーリーは、戦争末期のある家族に焦点をあてた作品です。戦況が思わしくない日本…いつ爆弾が降下されるかわからない緊迫感と、食糧難からのひっ迫感…街にいた子供たちは次々に疎開していきます。そして、一番小さな妹が疎開するとき、まだ字の書けない小さな妹に父は元気に過ごせたら〇を書いてポストに投函するようにと、沢山の葉書を持たせます…。疎開して最初の葉書には、はみ出さんばかりの大きな赤い〇が描かれていたので、安心していた家族ですが、その後届く葉書には黒い小さな〇、しかもだんだん小さくなっていき、×が描かれた葉書が届いたのち、葉書は届かなくなります…。
心配で仕方なかったと容易に想像できる両親とその家族…切ないけれど、どうしようもない…。こんな悲しい思いをしている家族がどこにでもあった時代…ううん、今だって、世界を見渡せば悲しい思いをしている家族もいる…。読んでいて心が痛かったです…。西加奈子さんの描いた絵はクレヨン画のような感じで、この作風にぴったりです。タンポポのお花は小さな妹を表しているらしいですね…。どこにいても家族を思う気持ちは尊いもの…平和で争いのない社会で、家族一緒に過ごせることが当たり前の世の中になるよう願いたいです。