向田邦子のレビュー一覧

  • 阿修羅のごとく

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    ネタバレ

    四姉妹はどんなことが起きようと何を思っても「率直」。顔をあわせると喧嘩ばかりの滝子と桜子。潔癖の滝子が心の寂しさから犯した一度の過ちをネタに強請られた桜子を救うシーンは。ただ、その芯からの「率直さ」のまっすぐだけれどしなやかな強さを感じた。
    全体を通して、女同士の感情によって生み出される「えぐみ」やただ、過ぎてゆく時間感覚がとても日本的に感じた。そこをまっすぐ
    「率直」にある四姉妹の感情がたとえ全てが行動に反映していなくても確かに生きてゆくための強さとして存在しているように感じた。

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    2011年11月23日
  • あ・うん

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    喧嘩しても、まるで「あ・うん」の狛犬のように息が合い離れない門倉と仙吉の男の友情。

    20年来の友達だが、見かけも気性も財力も正反対。

    門倉は仙吉の妻の秘めたる色香をひそかに愛している。そんな大人の関係を不思議な思いで、見ていた仙吉の娘、さと子の恋人に召集令状がきた...

    親友の妻を想い続ける情熱を 抑えて抑えて、快活にふるまう門倉の心情がせつなく胸に痛く感じました。

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    2011年10月26日
  • 隣りの女

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    表題作の『隣りの女』。
    この文庫の初版は1984年。
    時代は変わっていると思うけれど、作中の場面設定をちょこちょこ現代に置き換えるだけで、
    今でも十分起こり得るような内容なのかもしれないと思いました。
    人間って四半世紀やそこらじゃ大きく変わらないのかもしれないです。

    『胡桃の部屋』は、「女としての本当の気持ちを封じ込め、身も心も固く鎧ってすごした」主人公桃子のお話。「女だてらに父親気取りで、部隊長みたいな顔をして、号令かけて-」「うちのため、母や妹弟のため」「着たいものも着ず、恋も諦めて」頑張ってきたのに、家族は・・・。

    この桃子ほどではなくても、
    責任感持って頑張らなきゃ、頼りにされてる

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    2011年10月23日
  • 桃から生まれた桃太郎

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    あ~テレビドラマだなあ、、って感じ。
    小気味よい台詞にテンポの良いストーリー展開。
    読んでいて気持ちいい。さすが向田さん。
    綺麗な言葉使い(上品という意味ではなく)にホッとしました。

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    2011年09月19日
  • 隣りの女

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    人間の心の底辺にある薄暗い気持ちが自然と描かれていた。「冬の運動会」や「あうん」、「阿修羅のごとく」のイメージとはまた違う感じだけど人間らしさが出てる気がする。NHKで放送されている『胡桃の部屋』も収録

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    2011年08月09日
  • あ・うん

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    昔この方の父の詫び状を読んだことがあります。面白くて懐かしくてどこか切ない。そんなことを思った記憶があります。良く聞く作品だし読んで見ようかな、と古本屋で購入。う~ん。出だしに役者さんの配役を書いていただいても時代が違うので(その前にテレビをあまり見ないので)俳優さんがわからない… その中で岸本加世子さんはかろうじて分かるのですが… 今の年齢で考えてしまうので18歳の彼女のイメージではなく…
    コレは良し悪し、だなあ、と思いました。

    自分なんか周囲の男性陣を見ておりますと男性って実は女性と居るよりも気の合う男性と居た方が楽しいんじゃないかな、なんて思うことが時々あります。若い女の子をからか

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    2011年08月08日
  • 隣りの女

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    あまり人にはお勧めできない話だなと思った。それはこの本が面白くないからじゃなくて、あまりにも読み終わったあと切なくて悲しい気持ちになったからだ。こんな恋なら知らないほうがいいんじゃないか。そうとさえ思うのだが、そんな恋もここでは大切なものとして描かれている。本音を押し殺す女と、本心の見えない男。そんな男女が織り成す恋はどれもほろ苦くて危うい。
    向田邦子のエッセイのユーモアあふれる潔い感じが好きで読み始めた本作だったが、あのユーモアと潔さの影には笑って自分をはげましたい、桃子のプライドのようなものがあったのかなと思った。そのプライドは胸が苦しくなるほど孤独で純粋で綺麗だなと思う。

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    2011年03月31日
  • 隣りの女

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    薄い壁を通して、隣りのスナックのママが男を連れ込んでいる音が聞こえる。ミシンで内職をしながら、壁に耳をあててそれを聞くサチ子。~『隣りの女』。女のもとに行ってしまった父親の代わりに家族4人を守ろうと恋もせずに、肩肘張って精一杯やってきた桃子。でも知らない内に空回りしていた~『胡桃の部屋』。

    なんだかどの短編もちょっともの哀しい。

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    2010年08月15日
  • 隣りの女

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    なんでこんな表紙なんだろう・・・
    ちょっと怖い。
    内容は読みやすい。
    男女の微妙な関係の描き方がうまい!!

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    2011年11月01日
  • 隣りの女

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    -機械の癖にミシンを掛ける女よりも率直に女の気持ちをしゃべってしまう-

    この一節を読んで、幸田文の「台所のおと」を思い出した。なんだか似ている。二人とも、日常の中での男女間の心の動きを微細におっていて、しかも、弱さとか、狡さ、後ろめたい、と思うようなことをビシビシ攻めてくる。結婚とか、家族とか、誰かと一緒に暮らす面倒くささと愛情というものがリアル。読んで安心するというか、結婚ってそんなもんよ、と思えるのでは?

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    2009年10月07日
  • 家族熱

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    先妻の登場により、家族がだんだん壊れていくさまが描かれてる。先妻が精神病になり長男が最後引取り暮らしていく。最初、最終的には朋子と血のつながってない長男の杉男が男と女の関係になるのかなぁ〜と思ったけど、そのような3流映画のような結末にならなくてよかった。

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    2009年10月04日
  • 隣りの女

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    「胡桃の部屋」と絶筆となった「春が来た」が良い。人生の孤独や幸せが小粋であざやか。やっぱり読んでいて、ドラマで見たいと思わせる。聖徳太子札やピンクの電話が登場するのが昭和だなー。私には新鮮だった。

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    2009年10月04日
  • 寺内貫太郎一家

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    ワタクシの読んだこの本は、ドラマ放送のすぐあと位に出版された本で、古本屋さんで見つけましたが、横尾忠則さんの表紙デザインのものです。当時、横尾さんもドラマに出演されていたらしいですが、自分は見ていないのです。向田さんの本を読むようになったのは、亡くなられた後でした。

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    2011年07月17日
  • 家族熱

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    向田さんの描く家族の姿は温かい。
    これはちょっといびつで複雑な環境にある家族のお話。最後はホロリとなります。

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    2009年10月04日
  • 冬の運動会

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    一見、普通の家族のそれぞれの裏に潜むものを書かせたら
    天下一品な向田さんの作品。
    おじいちゃんの話がグッと来た。

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    2009年10月04日