向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表題作の『隣りの女』。
この文庫の初版は1984年。
時代は変わっていると思うけれど、作中の場面設定をちょこちょこ現代に置き換えるだけで、
今でも十分起こり得るような内容なのかもしれないと思いました。
人間って四半世紀やそこらじゃ大きく変わらないのかもしれないです。
『胡桃の部屋』は、「女としての本当の気持ちを封じ込め、身も心も固く鎧ってすごした」主人公桃子のお話。「女だてらに父親気取りで、部隊長みたいな顔をして、号令かけて-」「うちのため、母や妹弟のため」「着たいものも着ず、恋も諦めて」頑張ってきたのに、家族は・・・。
この桃子ほどではなくても、
責任感持って頑張らなきゃ、頼りにされてる -
Posted by ブクログ
昔この方の父の詫び状を読んだことがあります。面白くて懐かしくてどこか切ない。そんなことを思った記憶があります。良く聞く作品だし読んで見ようかな、と古本屋で購入。う~ん。出だしに役者さんの配役を書いていただいても時代が違うので(その前にテレビをあまり見ないので)俳優さんがわからない… その中で岸本加世子さんはかろうじて分かるのですが… 今の年齢で考えてしまうので18歳の彼女のイメージではなく…
コレは良し悪し、だなあ、と思いました。
自分なんか周囲の男性陣を見ておりますと男性って実は女性と居るよりも気の合う男性と居た方が楽しいんじゃないかな、なんて思うことが時々あります。若い女の子をからか -
Posted by ブクログ
あまり人にはお勧めできない話だなと思った。それはこの本が面白くないからじゃなくて、あまりにも読み終わったあと切なくて悲しい気持ちになったからだ。こんな恋なら知らないほうがいいんじゃないか。そうとさえ思うのだが、そんな恋もここでは大切なものとして描かれている。本音を押し殺す女と、本心の見えない男。そんな男女が織り成す恋はどれもほろ苦くて危うい。
向田邦子のエッセイのユーモアあふれる潔い感じが好きで読み始めた本作だったが、あのユーモアと潔さの影には笑って自分をはげましたい、桃子のプライドのようなものがあったのかなと思った。そのプライドは胸が苦しくなるほど孤独で純粋で綺麗だなと思う。