向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母親という地位は、産みの親か育ての親か。
重く歪な内容に見えて物語の進行は、ドラマを見ているようにトントン拍子に進む。
13年間血の繋がらない子供2人を育てた朋子。
そして子供を産んで家を出た垣子。
この2人の母親や女としてのプライドをかけた水面下の争いを描きつつ、家族の在り方を説いている物語。
物語で様々なことが起こる。
まさに「一難去ってまた一難」の言葉がピッタリだ。
その中で織り成す愛憎劇やスレ違いから起こる誤解や真実、登場人物たちの心模様やテンポ良い会話など、ドラマを見ているようで楽しく読めた物語。
この物語を読んで感じたことは、家族という1つの形を継続していくためには、みな一人 -
Posted by ブクログ
向田さんの作品は好きで何冊か読んでいるが、
久しぶりに読んでみて、文章のリズムというか、言葉の旋律というか、
これ見よがしでもなくサラッと書かれているけど、
ものすごく上手だなぁ、
それこそ名人芸、落語のようだと改めて感じ入った次第。
文章を読んでいると、書き手の性格や人情が見えてくるように思うことがある。
確かめようもないから、それが当たっているのか思い過ごしなのかは分からないが、
向田さんの文章を読んでいると、
ヤンチャで負けん気の強い、しかし従順で臆病なところもある。
賢くて、正義感があり、おっちょこちょいだけど、人に甘えるのが苦手。
そんな愛らしい女性像が見えてきて、さらに好きになる -
Posted by ブクログ
向田邦子の代表作とも言える作品。もとはテレビドラマのために書かれたもの。
正確には小説ではなく読み下しのための脚本、あるいはシナリオ集という方が正しいのかもしれない。少しのト書きを除けば、場面設定とセリフのみで構成されているので、はじめは面食らって読みづらかった。ただ、読み進めるうちにこれはこれで、新しい(わけでもないが)種類の文学の形と思えばなんら不自由は感じない。
巷にあふれる色褪せたホームドラマとは明らかに一線を画している。帯にあった、黒柳徹子の推薦が何よりも的を射ている。「向田さんの小説は、恋と人生を味わい尽くした大人の哀歓に満ちている。私は大好きだ。」
原作のテレビドラマや、リ -
Posted by ブクログ
お互いに何かしら文句を言いながらも夫婦でい続ける、昭和の夫婦間、家族間。
特に女性については容姿に関する描写が多い。
だらだら坂なんかは太った女性(トミ子)を白いピカピカに光った大きな鏡餅と表現。ある時、なぜ濃いサングラスをかけているのかと思ったら、二重まぶたの整形をしており、「どうして、俺に黙ってそういう真似をしたんだ」と小突かれて泣き出す。
その後、表情も増えて自信がついてきたようで、きっとこれから他の箇所も整形して痩せていって、前みたいな安らぎのある女の子ではなくなるんだろう〜と嘆く。
男性の気持ちもわかる。無理して自分を変えることはないし、それはそれで良さがあるということ。しかしトミ