向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
向田さんの作品は好きで何冊か読んでいるが、
久しぶりに読んでみて、文章のリズムというか、言葉の旋律というか、
これ見よがしでもなくサラッと書かれているけど、
ものすごく上手だなぁ、
それこそ名人芸、落語のようだと改めて感じ入った次第。
文章を読んでいると、書き手の性格や人情が見えてくるように思うことがある。
確かめようもないから、それが当たっているのか思い過ごしなのかは分からないが、
向田さんの文章を読んでいると、
ヤンチャで負けん気の強い、しかし従順で臆病なところもある。
賢くて、正義感があり、おっちょこちょいだけど、人に甘えるのが苦手。
そんな愛らしい女性像が見えてきて、さらに好きになる -
Posted by ブクログ
向田邦子の代表作とも言える作品。もとはテレビドラマのために書かれたもの。
正確には小説ではなく読み下しのための脚本、あるいはシナリオ集という方が正しいのかもしれない。少しのト書きを除けば、場面設定とセリフのみで構成されているので、はじめは面食らって読みづらかった。ただ、読み進めるうちにこれはこれで、新しい(わけでもないが)種類の文学の形と思えばなんら不自由は感じない。
巷にあふれる色褪せたホームドラマとは明らかに一線を画している。帯にあった、黒柳徹子の推薦が何よりも的を射ている。「向田さんの小説は、恋と人生を味わい尽くした大人の哀歓に満ちている。私は大好きだ。」
原作のテレビドラマや、リ