向田邦子のレビュー一覧

  • 寺内貫太郎一家

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    小林亜星主演でテレビドラマになった寺内貫太郎一家。原作なのかノベライズなのかは判然としない。おそらく原作かなと思っている。
    昭和の価値観満載で、歴史的価値すら持ち始めているのではないかと思われる。
    解説にドラマ企画時の裏話が載っているのが貴重。向田邦子は最初は貫太郎を亜星が演じることには反対だったとか。

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    2022年09月18日
  • 阿修羅のごとく

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    口語体に時代を感じてなかなか読みづらく、馴染むのに時間がかかった。
    今の時代の本も、未来の人が読めば同じ感覚に陥るのだろうと思うと、おもしろい。
    価値観も大分変わっているように思う。ただ、当人たちにしたら大事で、なんとかして丸く収めようと画策する日々のものごとも、まとめれば至極シンプルに済むのにと、無駄が多く滑稽にみえる。他人からはそう思える。
    人間、それは時代を経ても変わらないのかもしれない。

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    2022年09月04日
  • 阿修羅のごとく

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    面白かった、面白かったけど読むのに時間がかかった。なんでだろう。自分より前の世代のリアルな茶の間が舞台になってるから没入しづらかったんだろうか。

    いわゆるお茶の間劇場というのはもう何昔も前の世代のスタンダードで刺激が足りない?いや、今でも日常系と言われる作品群はあるのだからそんな事もないかしら。

    そして何だか展開があり過ぎて思考がキョロキョロしちゃって落ち着かないのかもしれない。

    ある時期の作品の金字塔として読む価値はあったかなー。向田邦子さんのシナリオの方を読んでみるとまた少し印象も変わりそうなもんだ。

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    2022年05月11日
  • 家族熱

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    「向田邦子」の脚本で1970年台後半にテレビドラマ化された、、、
    『家族熱』の文庫本を読みました。

    愛憎とエゴをむき出しにした心理描写はお見事。
    「向田邦子」って人は、人の心を見透かしていたんじゃないか… と感じさせるような描写です。(読みながらココロに痛みを感じちゃいます)

    読んでいると、少しずつ感情移入してしまい、リアルな心理描写に不快感を感じるのですが、、、
    先を読みたい欲求を抑えられない… って、感じの作品でしたね。

    男女間、家族間の人間模様の描写は、背筋が冷たくなるような… ホントに文書に迫力を感じましたね。

    エンディングは、好みの分かれるところですけど。

    ちなみに、、、

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    2022年03月19日
  • 新装版 眠る盃

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     向田邦子さんの二冊目のエッセイ集。
     人の世話をやくのに夢中になって自分のことをついつい後回しにしてしまう自身の性格を、子供の頃の思い出話を通して描いた『潰れた鶴』、“暴君であったが、反面テレ性でもあった(p.46)”向田さんのお父さんが、末娘の学童疎開に際して子供思いなところを見せた『字のない葉書』が印象に残った。

     もちろん悪くはないのだが、前作『父の詫び状』がもう抜群に素晴らしかったので、それと比べるとどうしても少し見劣りしてしまう、というのが正直な感想である。

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    2022年02月06日
  • 男どき女どき

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    人の心の機微というか、社会もしくは家族といったいわゆるコミュニティーにおける人間の心の動きを細かく、リアルに描いている。そういう意味で面白い。
    登場するのはごく普通の人々。そういう人々にも、普通ではない出来事が訪れる。それは殺人事件が起こるとか、未知の能力が身に付くとか、そういう大事件ではない。平凡と言えば平凡な出来事だ。しかし当事者にとっては大事件だ。そういうものに出会ったときの人間の反応を、実に上手く描いている。

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    2021年11月02日
  • 字のないはがき

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    戦争の時の疎開する家族にまつわるお話。読み書きのできない妹が「○」で書いていた手紙を「×」にして、やがては届かなくなる描写にまず涙が出そうになり、
    疎開から帰ってくる際に、妹を喜ばそうと小さなカボチャまでも収穫して並べ、その様子を普段厳しい父親が怒らないことにもホロってきて、
    さらに、痩せ細った妹を見た厳しい父が「おおん」と大声で泣く様が、非常に心揺さぶられた。

    子供に読み聞かせたが、子供たちはやはりピンときていないようで、また大きくなって感受性が育ってから読んで欲しいと思いました。

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    2021年09月26日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    向田邦子さんの執筆中の事、旅行、業界の方々の話。興味ひかれる語りが沢山詰まった一冊です。人の描写が面白くてつい読み進めてしまいます。何より、向田さんの料理の話が凄く美味しそうでレシピを思わずメモしました。簡単で美味しそう!

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    2021年06月10日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    手袋をさがすだけ授業で読んだ。彼女と考えは近いけど、理解されないながらも徹底した楽天主義を貫けるというのが素晴らしい。こうなりたいなあと思う。

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    2021年01月25日
  • 字のないはがき

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    教科書にも掲載されている向田邦子のエッセイを、西加奈子と角田光代によって絵本化したものだとのことで興味が湧き読んでみました。

    一人で疎開してゆく小さな妹の心細さを思い、家族が心を尽くして愛情を注ぐ様が伝わりました。
    これが向田邦子の実話エピソードだと思うと心に迫るものがあります。

    妹ちゃん、生きててよかったよ。ドキドキしました。

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    2020年09月28日
  • 男どき女どき

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    短編は三角波、嘘つき卵が予想外の展開だった。エッセイは、なるほどなぁ、、というものが幾つもあって、向田邦子さんの他の作品も読みたくなった。

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    2020年05月25日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    ネタバレ

    私は向田邦子さんの脚本を知らない世代だ。どんな方だったのかなと知りたくて読んでみた。

    第一印象はクセが強そう。
    第二印象は丁寧に生活してそう。
    意外だったのが、やりたくて脚本書いてる訳じゃないという点。爪を噛みながら苦しみながら傑作を生み出してきたのかな。
    途中から料理の描写が多かった。同じ内容のものもあったりして、読み比べてみたり。
    書くことに悩んだら料理のネタというのは、昔から変わらないのかも。

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    2020年05月16日
  • 女の人差し指

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    向田邦子さんのエッセイ集。テレビの脚本家として活躍をされていた頃のお話、世界各地、日本の各地へと旅をされたことなどが、書かれています。
    子供の頃みていたテレビのホームドラマでの茶の間、今とはかなり違ってますが、暖かく、味わいがありますね。サザエさんや、ドリフターズのコントでも、そうでした。向田邦子さんのエッセイには、こんな昭和の時代の暖かさがありますね。

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    2020年05月08日
  • 無名仮名人名簿

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    ネタバレ

    再読。エッセイ集。何気ない文章に向田さんの飾らない人柄があふれ出ている。もっと長生きしていたら、どんなおばあちゃんになって、どんな風にこの世界を切り取ってくれたのだろうかと想像してみるのだが、うまく想像できない。あとがきはやはり向田さんを偲んでいる。

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    2020年03月14日
  • 阿修羅のごとく

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    静と動。それぞれの心の動きがリアルで面白かった。
    映像が目に浮かぶ。タイトルもいいね!
    【2020.03】

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    2020年03月14日
  • 阿修羅のごとく

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    台本はやっぱ読みづらいなぁ、当方の好みかもしれませんが。
    八千草さんが亡くなられて追悼でドラマの3話(?)くらいまで再放送していたのを初めて見たんですが、NHKさん、寸止め感満載で、やるなら全部流してほしかったっす。。。

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    2020年02月23日
  • 新装版 夜中の薔薇

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    向田邦子さん、最後のエッセイ集「夜中の薔薇」、1981.10刊行、2016.2文庫。いくつかは既に読んでるエッセイが収録されています。タイトルは、以前「眠る盃」(荒城の月の巡る盃を、眠る盃と勘違いして歌ってたから)をタイトルにしたのと同様、シューベルトの「童は見たり野中の薔薇」を「夜中の薔薇」と間違ってたことに由来するそうですw。読書は読む前、読んでる時も楽しいけど、読み終わってからぼんやりするのが好き。ほんと、読後の余韻に浸ってる時、心底、本を読む幸せを感じますね(^-^)

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    2020年01月15日
  • 男どき女どき

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    最近読書記録をつけていなかったのでボチボチと。この本は大学時代に一度読んだ。その時は全くわからなかった夫婦というものが、今でも全くわかってはいないけれど、この本に出てくるのは、比較的多くの人が共感できる形なのであろう。

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    2019年12月28日
  • 女の人差し指

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    ネタバレ

     向田邦子 著「女の人差し指」、2011.6発行。女の人差し指、テレビドラマ、食べもの、旅の4つに整理されたエッセイ集です。何篇か既読のものも収録されていました。急逝により「週刊文春」連載で最後の作品になった「クラシック」も収録されています。板前になりたかったとの向田さん、酒呑みの心をよく知っておられますw。酒のさかなは少しずつ。ささやかなもの、季節のもの、ちょっと気の利いたものを(^-^)
     向田邦子「女の人差し指」、2011.6発行、再読。次の4つのエッセイが印象に強く残りました。「蜘蛛の巣」時間をじっくりかけた素晴らしい芸術作品。「セーラー服」学生服は陸軍、セーラー服は海軍の服。「酒呑み

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    2019年12月26日
  • 父の詫び状

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    庶民の日常史の一つというところでしょうか?正直に言って現実感が持てないのですが、時代は大きく変わっているということの証かと。それこそこんなの今だったらニュースになりそうな話もあるけれども(まぁニュースになること自体おかしいというレベルの話もありますけれども)。
    それにしてもどのエッセイにも死の影が漂うのは意図したものなのか、はたまたこの作家の個性なのか、判断しかねるところですが、凄みは間違いなくあります。簡単に読める読み物ではなく、ゆっくり味わい、余韻に浸るエッセイかと思われ。

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    2019年11月27日