無名仮名人名簿

無名仮名人名簿

小説・文芸
712円 (税込)

3pt

「正式魔」「キャデラック煎餅」「女子運動用黒布襞入裁着袴」「臆病ライオン」「眠る机」「青い目脂」…昭和のにおいがするタイトルの数々。愚痴をこぼす代りに真赤になるまでおみおつけに唐辛子をかけ、すすっていた祖父。届いたお歳暮をすぐ開けたくて青筋をたてた父。包み紙を破らないよう丁寧に開けていた母。一度でいいからメロンをまるまる一個食べてみたかった自分。戦前・戦後の平凡な家庭の暮らしをみずみずしく描く、忘れがたいエッセイ集。

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無名仮名人名簿 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小説の文庫本は、シナリオをもとに他の作家が小説化したものが多いが、この本に収録されているエッセイは、手を加えられていない向田邦子の文章ゆえ、人柄、豪快な性格にして繊細な観察眼がしのばれる。

    0
    2023年02月07日

    Posted by ブクログ

    向田邦子エッセイ集。
    昔の言葉遣いをさりげなく盛り込んであります。時代の匂い、人間臭さや、息遣いを感じられます。日本語とは素晴らしいものであると感じさせられます。
    付箋をつけながら、何回も読み返し、生き方、考えかたに感心させられます。

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    2022年09月12日

    Posted by ブクログ

    日常を鮮やかに切り取り、独特の感性で見つめ、最後にさらりと落とす。まさにエッセイのお手本です。

    しゃっくりを止める発明を、コロンブスの卵の発見に見立て、最後は〈新大陸〉で落とす『コロンブス』や、素晴らしい〈机〉の出合いを〈枕〉で締める『眠る机』などが落語のように芸術的でお気に入りでした。

    意外と庶民的なところも人気の理由かもしれません。帰ったはずのお客さんに、お土産を開けているところを見られてしまうところや、ちり紙を節約して使うところなど、華やかな生活のイメージとは対極的で面白いです。急逝が惜しまれます。



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    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    悲しみや苦しみはその時耐えきれないほど傷ついたり忘れたくなるほど忌みはばかる。そんな辛い記憶も時を経て振り返ると、おかしみを感じてしまうのはなぜだろう。人間の喜怒哀楽は全て滑稽であり愛おしく、快活な筆者の言葉が私たちの生活に人情という調味料を注いでくれる。時に度が過ぎても美味になってしまう件を肴にまずは一献。

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    2021年10月19日

    Posted by ブクログ

    向田さんの出会った人のことが書かれているエッセイ集。
    面白かったのは「転向」というタイトルのお話。
    凝り性の友人がいて、一つのものに凝りだすとそれ以外は絶対に認めず周りにも強要する。でも何かの折にその欠点を認めるとあっさりとまた次のものに転向して凝り出す。あ〜こんな人、私の周りにもいるなと可笑しくなった。まあ人間、少なからず誰しもこう言った所は持ち合わせているでしょうが。
    時代を感じるのは「お取替え」という話な中で、35歳くらいの女性を中年と表現していること。
    今なら35歳なんてまだ若いお姉さんに近いが、この当時だと中年だったんだなあと驚いた。

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    2021年10月03日

    Posted by ブクログ

    向田邦子 著「無名仮名人名簿」、2015.12発行。解説の篠崎絵里子(脚本家)の言:向田さんの作品を読み返し感じたのは、向田さんという人の潔さ、懐の深さ、多面性、そして目線の限りない優しさである。彼女の物語が愛されるのは、向田さん自身が愛される人だったからのように思う。全く同感です!お弁当、縦の会、普通の人、特別、拾う人、白か黒か、席とり、パセリ・・・。こんな小気味よいキレのあるエッセイ、もうお目にかかれないような気がします。

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    2020年10月02日

    Posted by ブクログ

    名エッセイ言われるだけあり、時代を超越した品のあるユーモア、ペーソス。冷めた目線のようで、慈しみにあふれ。
    機微というんですか。
    こんな文章かけるようになりたいと思う文章。

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    2016年05月17日

    Posted by ブクログ

    20160409 観察力の凄さとそれを表現できる文章力。それが記憶に残る作家になっている理由だと思う。笑わずに冗談を言われて、後になって気付く、そんな感じ。

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    2016年04月09日

    Posted by ブクログ

     昭和55年刊行された本の文庫版であるから、現在の時点で読むと時代を感じてしまうものもある、例えば、いかにも家父長的な父の存在であったり、男らしさ女らしさについての考え方など。
     それでも、向田さんは、ちょっとしたこと、つい見逃してしまうことについての観察眼が鋭く、着眼点が秀逸だ。それをまたちょっぴりの皮肉とふわりとしたユーモアで包んでいる。「そうそう、こういうことある」と共感したり、フッと笑わされたりして、楽しく読めた。

     

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    2024年09月17日

    Posted by ブクログ

    エッセイって、その時代の香りがするなあと思う。月並みな感想だけど(笑)

    決して特別な内容ではないのだけれど、どこかヌケていて気安い感じがした。
    また、家族の話にも触れることが出来て、私としては新たな発見があり、良かった。

    「民主主義の辛いところは、多数決ということである。
    このままでゆくと、日本はいずれ横書きの国になる。
    週刊誌も新聞も、区役所の戸籍謄本もみな横になる。縦書きは、神主さんの読む祝詞ぐらいになってしまう。」

    「戦前の日本人は、今みたいに笑わなかった。
    特に男は、先生や父親は笑わなかった。
    昔の武士は「男は年に片頬」。一年に片頬でフンと笑えば沢山だといったそうだが、それほどではないにしろ、大の男が、理由もないのに笑えるかというところがあった。」

    向田邦子の目は、鋭い。

    0
    2015年12月29日

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