向田邦子のレビュー一覧

  • 男どき女どき

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    向田邦子デビューには少し理解のハードルが高かったかも、下世話な話だがふんわり終わるこの感覚をもう少し何冊か読んで楽しめるようになりたい。

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    2025年11月03日
  • 男どき女どき

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    ●短篇四篇『鮒』台所で物音がし、見にゆくと鮒の入ったバケツが置かれている。息子が飼うと言って、水槽に移して飼うことになるが、その心当たりのある父親は浮かない。過去に関係を持ち、通った女のアパートで飼われていたものだったから。

    『ビリケン』毎朝通る果物屋の主人を、こっそりビリケンと呼び、内心でバカにしていた男。ビリケンは死、男の息子が果物やで万引きを働いたことによって、男の記憶が刺激され、古本屋で万引きをした大学時代のことが思い起こされる。ビリケンはその古本屋の息子だった。

    『三角波』結婚相手である夫の部下に、好かれていると思い込んでいる新婦。部下が愛しているのは、夫だった。

    『嘘つき卵』

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    2025年11月03日
  • 思い出トランプ

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    直木賞受賞作ってことで入手したんだったか、どこかの書評で気になったんだったか、そのあたり。各方面で言及されることの多い作家さんで、ブックガイドでも色んな作品が取り上げられているのをちょいちょい見るんだけど、がっつり読むのは多分初めて。ちょっと不穏な気配が漂う日常についての短編集。なるほど、こういう感じでしたか。自分的には、是非とも他作品をどんどん読みたい、っていう風ではなかったかな。

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    2025年10月30日
  • 思い出トランプ

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    向田邦子サン祭りの2冊目。

    うーーーん。短編がやっぱり苦手なせいなのか
    私には読みにくいと言うか、ちょっと口では
    表せない薄気味悪さ(良い意味で。だと思う)
    を感じてしまった.
    向田さんの文章って、日常のヒトコマなんだけど
    誰も気づかないような視点を捉えて
    向田節と言うか掘り下げるのが巧みだと
    思っているのだけど、なんだろう。
    不気味さが感じられたり、心の奥底の本心を
    ありありと描かれ過ぎてて
    『あ、そこまで言っちゃう?』的な。

    まだまだ向田作品を理解するには
    読みまくるしかない気がします。

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    2025年10月08日
  • 思い出トランプ

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    ひと昔ふた昔前の空気を感じる作品だなと思い、巻末で確認したら昭和58年発行の本だと知り納得した。

    ただどの時代の話であろうと、人の心の闇、他人の目には見えづらい影の部分、最も人間らしいドロドロとしたものが存在することには変わりはない。

    そんな普段は心の底深くに沈んで目にする事のない、どす黒い澱のようなものをまざまざと見せつけられるので、読後感は決してよくない。卵の殻の混じったオムレツを食べたような不快感を覚えた。

    しかし、裏側からみた人間像が時として、普段の目にする表側よりも何倍も鮮やかにはっきりとその人間を浮き上がらせる。

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    2025年09月19日
  • 阿修羅のごとく

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    最初ナンジャコリャヨミニクイ、4姉妹の名前似すぎてて誰が誰状態。読みにくいがストーリーとしてはおもろい、それぞれの苦労話。

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    2025年03月25日
  • 男どき女どき

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    最初4篇、ザ・向田邦子!
    「V」は印象深い随筆ばかりだった。「甘くはない友情・愛情」は頷ける。女の友情は、男のようなものとは確かに違う。「黄色い服」は少し教訓じみたような内容。「無口な手紙」は中2教科書でも馴染みのある作品。他には「反芻旅行」も共感できる部分が多く好きだった。
    「独りを慎しむ」は道徳の教科書にあった。現代では古臭いと言われそうだが、古臭い中にも気付かされることがある。古い感性の中でも、守るべき不変的な良さがある。
    向田さんは「古臭い」と言われると喜ぶだろう。女が男と対等になろうと努力している時代だから(まだまだだが)。文章を読むと生きている。随筆はより血が通った文章だと思う。不

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    2025年03月19日
  • 思い出トランプ

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    向田邦子さんの作品は初めて。
    時代のせいか、昭和の香りと表現力が現代にない懐かしさとハラスメントでは?と感じる場面もちらほら。
    短編それぞれが日常の夫婦間における些細な事件に笑えたりゾッとしたりホッとしたり。
    目まぐるしい人間らしさと狡賢さ腹黒さがこれでもかと凝縮された短編でした。

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    2025年01月07日
  • 思い出トランプ

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    タイトルの理由は、13個の短編から成り立つ物語だから。
    愛する人の裏切りに関する話が中心で、そのほかもどことなく陰のあるエピソードが多かった。一つ一つはとても短いが、どれも濃密に登場人物の心情が描かれている。まるで実在する人物の、とある生活の一瞬を切り抜いたかのように、描かれたその先の余韻を感じさせた。また、日常の匂いに関する表現がどても具体的であり、それも自らが話の中に存在しているかのような錯覚を感じさせた。

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    2024年09月29日
  • 無名仮名人名簿

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     昭和55年刊行された本の文庫版であるから、現在の時点で読むと時代を感じてしまうものもある、例えば、いかにも家父長的な父の存在であったり、男らしさ女らしさについての考え方など。
     それでも、向田さんは、ちょっとしたこと、つい見逃してしまうことについての観察眼が鋭く、着眼点が秀逸だ。それをまたちょっぴりの皮肉とふわりとしたユーモアで包んでいる。「そうそう、こういうことある」と共感したり、フッと笑わされたりして、楽しく読めた。

     

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    2024年09月17日
  • 思い出トランプ

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    短編集で読みやすい
    直木賞受賞作品も挿入されている
    つわ子のくだりがとても面白かった。
    石蕗が由来なのかとあの人も言ったでしょ?いえ、つわりがひどかった時の子なのかいと言いました。
    知識をつけたと思いきや根底はやはり変わらず、ただ背中では男の成長を感じる。
    犬小屋もセンセーショナルな内容で、しかも本人がトラウマになっていない不思議さ。
    カワウソ、もゾワっと虫唾が走る話。妻の曲がった性格が垣間見れる。

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    2024年09月16日
  • 男どき女どき

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    向田さん、なんだろうなぁ。
    気が強そうで、へそ曲がり、とっつきにくい印象。
    なのに、読んでしまう。
    何か気になる。
    ドラマがあれば観てしまう。
    何故か気になる。
    そこがカリスマたる所以といったところでしょうか。

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    2024年08月09日
  • 思い出トランプ

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    ネタバレ

    旅先で手に取って読み始めた本。向田邦子の作品は初めて読みました。
    家族、夫婦、身近な人の人間性や感情の機微が繊細に描かれていると感じました。「大根の月」が、自分の中では一番忘れられない作品です。健太を怪我させてしまう場面は、情景が生々しく伝わってきて、心が苦しくなりました。冒頭の指の文字を英子が追ってしまうところは、辛く忘れられない出来事やトラウマに対して、人がどうなるのか、どう向き合っているのかを的確に描いていると思いました。
    直木賞を受賞した「かわうそ」、「犬小屋」など、ホラーや怪談、ミステリーでは味わえない独特の怖さを感じて、背筋がぞっとしました。

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    2024年07月21日
  • 思い出トランプ

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    2024.01.27
    なかなか難しい一冊。1970年生まれの私にはピンとくるも若い世代には伝わらない要素も多いかなあと思う。

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    2024年01月27日
  • 男どき女どき

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    向田邦子文学忌 1929.11.28〜1981.8.22
    木槿忌 (むくげ) 山口瞳の向田邦子の死を受けての小説「木槿の花」より

    小説新潮で昭和56年7月から連載された短編4編とエッセイ

    最後の小説「嘘つき卵」
    不妊に悩む妻と、過去に別の女性を妊娠させたので自分に問題ないという夫。という話だけれど、この作品が最期の原稿となり、脱稿後、台湾旅行の飛行機事故で亡くなる。

    冒頭に
    時の間にも男時女時とてあるべし「風姿花伝」
    とあり、タイトルが世阿弥の能の理論書よりとられていることを知る。

    男時女時の言葉の成り立ちについては知らなかった。意味はざっくりと、男時が運が良い時。女時が悪い時ですが

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    2023年08月22日
  • 思い出トランプ

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    どんなに優しくほがらかであっても、どんなに「出来た人」と呼ばれるエリートであっても、人は誰でも少なからず暗い部分をもっている。
    女のずるがしこさをぞっと思う反面で、私にも同じような面があるのかもしれないと思ったり思わなかったり。

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    2023年08月05日
  • 思い出トランプ

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    ネタバレ

    「思い出トランプ 向田邦子さん」昭和のエッセンスてんこ盛りの珠玉エッセイ集。男と女、親と子…今も昔も変わらぬ人間模様を凝縮。天性の天然ボケで夫を翻弄する妻。母親の浮気性の隔世遺伝を心配する父親。不注意で息子の指に一生モノの怪我を負わせた母親…結末には泣けた!

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    2023年07月25日
  • 思い出トランプ

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    それぞれの題名がどう関わってくるんだろう、そんなことを思いながら読むのが楽しかった。日常の少し憂鬱な感情が記されていてどこか共感できる話が多かった。
    短編だから電車で読みやすいのもよかった。

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    2023年06月20日
  • 女の人差し指

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    向田邦子のかいたドラマは見たことがないが、エッセイの数々楽しく読むことが出来ました。さすがにドラマにまつわる話は「へー」くらいでしたが…。

    時代もありなかなか分かりきらない事もあるが、「女の人差し指」の括りの話は今でも十分に面白いです。向田邦子は食いしん坊ということで、食べ物に関しての描写は生き生きしています。読んでてお腹が空きます。岐阜と沖縄に行きたくなった。

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    2023年02月23日
  • 字のないはがき

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    向田邦子さん=原作、角田光代さん=文、西加奈子さん=絵と豪華な顔ぶれで制作された絵本。

    絵本の下地となっているのは、戦争時代の向田さんが経験した家族との想い出を綴ったエッセイ『眠る盃』から。

    角田さんの文章はシンプルで小さな子供にも解りやすく書かれている。

    そのシンプルさと対比するかのようにクレヨンで力強く描かれた西さんの絵が目を引く。

    まだ字が書けない小さな妹が疎開する事になり唯一の連絡手段として、たくさんのはがきを持たせた父の心情はどれほど苦しく切なかっただろう。

    娘を抱きしめ号泣する父の深い愛情に涙が溢れる。

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    2023年02月14日