向田邦子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレテーマごとに区切られているものの
同じ題材で書かれている文章が2編入ってたりする辺り
エッセイ集として編まれたものではないんだな、ということを突きつけられる。
カレーライスのアンソロジーを読んだときから思っていたのだが
向田さんの食べ物エッセイは抜群に面白い。
そのクオリティの高さは相変わらずなのだが、
それに加えて紀行文というか旅行エッセイが面白い、というのが新たな発見だった。
そこには密接に食べ物も絡んでくるんだけど(笑)。
個人的には『沖縄胃袋旅行』が好きだった。
今では一般的になっている沖縄料理の数々だが、
当時と現在では微妙に表記が違っているのが興味深い。
各々のエッセイの最後に -
Posted by ブクログ
母親という地位は、産みの親か育ての親か。
重く歪な内容に見えて物語の進行は、ドラマを見ているようにトントン拍子に進む。
13年間血の繋がらない子供2人を育てた朋子。
そして子供を産んで家を出た垣子。
この2人の母親や女としてのプライドをかけた水面下の争いを描きつつ、家族の在り方を説いている物語。
物語で様々なことが起こる。
まさに「一難去ってまた一難」の言葉がピッタリだ。
その中で織り成す愛憎劇やスレ違いから起こる誤解や真実、登場人物たちの心模様やテンポ良い会話など、ドラマを見ているようで楽しく読めた物語。
この物語を読んで感じたことは、家族という1つの形を継続していくためには、みな一人