向田邦子のレビュー一覧

  • 字のないはがき

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    なるほどなあと思った。字のないハガキ。手紙、ハガキって必要だなあ。

    これだけスマホがあって便利に連絡がやり取りできるようになっても、上っ面の文字の数ばかりが増えたような、本当に相手を思いやるやり取りとは何かについて、考えさせられた。

    手書きで丸、ばつ、それだけをやり取りなのに、その人が伝わってくる。毎日ハガキを待っている家族の気持ち。そしてポストに投函することで、待っていてくれている人と、つながっているような気持ちになる。

    大切な人ができたら、こんなやり取りしたいなあと思った。そして郵便やハガキは、どれだけネットが便利でもなくなってほしくないと思う。

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    2019年11月19日
  • 阿修羅のごとく

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    内容(「BOOK」データベースより)
    年老いた父に愛人がいた!四人の娘は対策に大わらわ。だが、彼女たちもそれぞれ問題を抱えていた。未亡人の長女は不倫中、次女は夫の浮気を疑い、三女は独身の寂しさに心がすさみ、四女はボクサーの卵と同棲、そして母は…肉親の愛憎を描き、家族のあり方を追求してきた著者の到達点ともいうべき力作。

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    2019年11月05日
  • あ・うん

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    この本を読んでの一番の感想は、やはり「テレビドラマのノベライゼーション」と「文学」とは質を異にするものだな、ということです(あたりまえだけど)。
    「思い出トランプ」は、まさに「文学」だったなぁと思いますが、この「あ・うん」はやっぱりちょっと違う。
    エピソードの配し方のバランスだとか、心情を表現する手法だとかが全く異なる。
    この「あ・うん」では、門倉とたみのプラトニックな恋愛感情というのが大きなポイントになるわけですが、そのあたりの感情も全て科白やト書きで直截的に書かれてしまう。
    そのあたりに若干の違和感と物足りなさを感じてしまいました。

    NHKのドラマ「あ・うん」を自分は観ていませんが、門倉

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    2019年01月06日
  • 男どき女どき

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    著者の遺作。わかりやすい文章を書く。4つの短編とエッセイ多数。どれも良かったが「ゆでたまご」「草津の犬」「無口な手紙」が特に良かった。写真は幾分上向きで勝ち気そうだが、エッセイの内容もそれをうかがわせるものがあった。2018.6.24

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    2018年06月24日
  • 男どき女どき

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    好きな作家です。
    いつ読んでも、文章を並べるのが上手な作家なので、
    ついつい手に取ってしまいます。
    男性作家ではこういう風に、
    物って書けないんですよね。

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    2018年03月09日
  • 男どき女どき

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    小説とエッセイが入った1冊。
    久しぶりに、教科書にあった『字のない葉書』を読んだ。集団疎開に娘を出す父の気持ち、帰ってきた父の男泣きの場面。大人になりより気持ちが理解できる。

    はじめて向田邦子のエッセイを本で読んだが、どれも日常の場面が切りとられていて、分かるわぁーと思わず呟きたくなるものも多数あった。

    ☆心に残ったフレーズ
    ・手紙にいい手紙、悪い手紙、はないのである。どんなみっともない悪筆悪文の手紙でも、書かないよりはいい。書かなくてはいけない時に書かないのは、目に見えない大きな借金を作っているのと同じである

    ・旅も恋も、その時も楽しいが、反芻はもっと楽しいのである
     旅の反芻とは・・

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    2017年08月15日
  • 男どき女どき

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    ピリッとしてるなぁ、どれもこれも。

    「鮒」「ビリケン」「三角波」「嘘つき卵」「反芻旅行」「花底蛇(かていのじゃ)」「甘くはない友情・愛情」

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    2017年06月02日
  • 女の人差し指

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    父の詫び状の方が面白かったかな。けっこう昔の話なのにお仕事のこととか生き生きと書かれている。妹さんと小料理屋を開くお話が特に好き。

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    2017年04月11日
  • 阿修羅のごとく

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    タイトルに阿修羅、とてつもない憎悪や嫉妬や邪悪なものを覚悟して読み始めたが、四人姉妹とその家族を描いたホームドラマで、ほのぼのしたり笑えたり。中には、生活していく上で起こる残酷な出来事もあり、人生波ありがよく描かれている。
    脚本ということで、読みずらいかと思ったがそうでもなかった。

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    2017年01月08日
  • 無名仮名人名簿

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    向田さんのホームドラマは見たことがない世代なのですが、大好きな作家さんの1人です。
    家族の話題は人の数だけあって、その人なりに悩んだり救われたりしていてるんだなぁと、読むたびに気付かされます。
    個人的には「思い出トランプ」が一番好きです。
    戦中戦後を生きた向田さんは、視野が広く、とても頭の切れる優しい人だったのでしょうね。
    不完全でほころびのある人を見つけては、自分と同じだ、自分の方がもっと抜けてると温かな目線で描く文章にほっとします。
    赤い公衆電話や、道端に落ちているガーゼのマスク、土間にあるストーブなど、向田さんが放送作家として生きた昭和50年代の東京の様子が新鮮で、想像しながら過去に憧れ

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    2016年07月04日
  • 父の詫び状

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    なんとなく、有名っぽいので読んでみた
    向田邦子さんって人は何した人かも知らず
    解説よんでびっくりした
    けっこう面白くて、それなりに共感したり、なんか向田さんという人のことをちょっとわかってる感覚で読んでたから、(けっこう前だけど><)突然死んじゃったって知ってびっくりした・・

    戦時中のこととか、不条理なお父さんのこととか
    おもしろかった。

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    2015年01月25日
  • 女の人差し指

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    寄稿先に合わせたテーマを鮮やかに切り取る手腕はさすが。
    なんだけれど、何気ない日常を綴った普段のエッセイがやっぱり好きだなあ…。

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    2014年09月23日
  • 寺内貫太郎一家

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    小説というよりは、ト書きが地の文になった台本みたいな感じ。
    台詞がテンポ良く行き交い、地の文にもほとんど接続詞がつかず、じっくり味わって読むというよりも文章に引っ張られて読んだ感じ。

    ドラマを見ていたわけではない私でも、なんとなく人物の動きが目に浮かぶのは、やはり脚本家としての力なのだろう。

    しかし、寺内貫太郎一家って、昭和のいつ頃が舞台なのだろう?
    私は昭和40年代くらいかと思っていたのだけど、そうすると、日常的に着物を着ている女性の多さや、お手伝いさんのいる生活っていうのがちょっとピンとこない。
    私が知らなかっただけで、普通だったのかしら?

    私が子どもの頃、友達のお母さんたちは洋服だ

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    2014年07月31日
  • 父の詫び状

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    向田邦子のエッセイ。戦前の普通の家庭の日々が綴られてる。お父さんのはちゃめちゃさは、大人にならないと分からないよね。

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    2013年12月30日
  • 完本 寺内貫太郎一家

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    このドラマ、好きだったな。他にも「時間ですよ」とか。大家族をベースとした人情ドラマが一世を風靡していた時代を懐かしく思い出します。

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    2013年11月08日
  • 霊長類ヒト科動物図鑑

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    ネタバレ

    目新しい題材はないのに、ごく日常のありふれた出来事なのに、
    「ああ、そうそう!」と新鮮な発見をしたかのような気分になれる。

    寺内貫太郎一家の作風と重なるのは当然か。

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    2012年06月29日
  • 寺内貫太郎一家

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    昭和に放送されたドラマの原作。その読みやすさとセリフ回し主体の構成は「原作?ノベライズでないの?」と思うくらい情景が浮かぶ。最初の登場人物紹介はまるでオープニングテーマが頭に浮かぶようだ。

    下町人情物語だがこの平成の世の中では、またいい感じに熟成されて内容を堪能することができる。高度経済成長で移り変わる価値観の中で翻弄される一家。職人気質で頑固な寺内貫太郎だが、娘、息子が新しい価値観を家庭に持ち込み騒動を起こす、というプロットは現代でも描かれる親と子のコミュニケーションの物語だ。

    しかし、今の時代から見てこの時代の家庭のなんと盤石で温かいことか。昭和ではトラブルと問題だらけのような家庭でも

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    2012年06月01日
  • 隣りの女

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    向田さんの絶筆となった「春が来た」最後の作品と思って読むと、不思議とそれに相応しく思えてくる。直子の大きな声での、さようなら、これが向田さんの最後の挨拶のようで。幸福をもたらし離れていく風見は、色々なものに例えられそうだ。

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    2012年04月12日
  • 隣りの女

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    ドラマにもなった胡桃の部屋が入っている短編集。表題の「隣の女」が特にいい。結婚ってこういうものか、と。

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    2012年03月23日
  • 隣りの女

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    甘く、苦い。
    甘いばかりでなく苦い。
    苦いばかりでなく甘い。
    そんな心があります。
    愛って難しいですよね。
    切なさの残る一冊です。
    短編集なので、色々な話を楽しめます。

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    2012年01月26日