【感想・ネタバレ】男どき女どきのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

向田邦子は、やっぱり面白い。
短編小説も、エッセイも皆良い。
こんなに短い物語の中に人間の感情や心の動きを文章にさらりと乗せて、読む人をすぐに惹きつける力がある。しかも向田さんの心の温かさまで感じてしまう。
エッセイも共感できる事ばかり。
これを書かれた時の向田さんの年齢に自分が近い事もあるのでしょ...続きを読むうが久しぶりに向田作品に触れるとその凄さを実感する。
本当に今もご活躍していて欲しかったと心から思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月19日

 向田邦子 著「男どき女どき」、1985.5発行(文庫)。小説4編とエッセイ21篇、向田さんの最後のメッセージともいえる作品ではないでしょうか! 小説では「鮒」と「ビリケン」、エッセイでは「若々しい女(ひと)について」「独りを慎む」「ゆでたまご」「反芻旅行」「壊れたと壊したは違う」、特に秀逸と感じま...続きを読むした。
 向田邦子さんのラストメッセージとも言える「男どき女どき」、1982.8刊行、1985.5文庫化。21編のエッセイと4つの短編小説が収録。たった3ページのエッセイ「ゆでたまご」が映像的に心に迫ってきます。著者が小学4年生の時の出来事から「愛」を紡いだエッセイです。片足、片目が不自由で疎んじられていた同級生Iにまつわる2つの話。遠足の時、汚れた風呂敷に包まれた大量のゆでたまご。母親が「これみんなで」と著者に。徒競走で遅れて一人走るI、厳しくて人気のない女の先生が飛び出し一緒に走った。愛はぬくもり、自然の衝動!
 向田邦子「男どき女どき」、1985.5発行、再読です。「ゆでたまご」と「無口な手紙」がお気に入りです。「ゆでたまご」には、短いエッセイ文の中に、貧しく動作ののろい女の子への母親の愛と教師の愛がぎっしり詰まっています。手紙は、簡潔、省略、余韻、そして、その人ならではの情景か言葉が。そうありたいと常々思っています。
 4つの短編小説といくつかのエッセイが収録されています。向田邦子「男どき女どき」、1985.5発行、再読。小説では「ビリケン」が好きです。エッセイでは、「若々しい女(ひと)について」「独りを慎む」「ゆでたまご」「草津の犬」「壊れたと壊したは違う」「無口な手紙」「甘くはない友情・愛情」がお気に入りです! 女は具体的な動物、夫を愛し子供を愛する本能はすぐれているが、友情という抽象的な精神は男にはかなわないのでしょう。とありました。
 TVで北海道の言葉: 自分の意志なし(不可抗力)で押してしまうのを「押ささる」、自分の意志で押すのを「押しちゃった」(自分の責任)だと。これを聞いて、向田邦子さんの父からの教えのエッセイ「壊れたと壊したは違う」が浮かびましたw。向田邦子「男どき女どき」、1985.5発行。「思い出トランプ」で直木賞、何事も成功する男どきでした。その後の「男どき女どき」、21編のエッセイ集と遺作を含む小説4編が収録されています。エッセイ「無口な手紙」「独りを慎む」「ゆでたまご」が好きです。台湾旅行は女どき、早逝されました。

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Posted by ブクログ 2019年10月03日

記憶には甘い辛いという味覚が舌ではなく心の内に誘ってくれる。辛い記憶は時を経て美味しく頂けるし、昔の甘い記憶に蓋をしてしまうこともあるある。人の心は摩訶不思議、この書籍の読後感。

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Posted by ブクログ 2018年10月31日

向田さんの作品を読むと、見透かされているような気がしていつも心がザワザワする。本当に怖い文章を書く人。
男性には絶対に書けない。

後半のエッセイは特に心に留めておきたい。一人暮らしを始めて早四年、「独りを慎しむ」は苦虫を噛み潰したような思いで読んだ。ひとりでいるときもきちんとしているって、難しいん...続きを読むだよなあ。まったく出来ていないなあ。

「反芻旅行」「無口な手紙」「黄色い服」、何度も読み返して、ずっと忘れずに日々の生活を送っていきたい。

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Posted by ブクログ 2017年03月20日

「鮒」「三角波」の二編がどこかの小説講座で紹介されていたのを思い出して、それらが収録されている本書を手に取った。面白かった。
上の二編以外にも「ビリケン」「嘘つき卵」とエッセイが収録されている。こちらも面白かった。
いやあ、でも、「三角波」は別にサインでもコサインでもないが、この話をオマージュしたマ...続きを読むンガに思いがけず出会いたい。

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Posted by ブクログ 2016年07月09日

晩年の小説とエッセイを収録した短編集。上品でしなやかな向田邦子の世界を堪能できる。「黄色い服」というエッセイでは、著者が幼き時を受けた厳しき父からの思い出である。洋服ひとつを選ぶのも「選択」なのだと。「選んだ以上、どんなことがあっても、取りかえを許さない。泣きごとも聞かない」「この頃になって、これは...続きを読む、洋服のことだけではないと気がついた」
人生は選択の連続。泣きごとは許されないのだ。

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Posted by ブクログ 2014年09月03日

向田邦子さんの本は勉強になる。時代は少し昔のはずなのに、古めかしさは全くなく、背筋が伸びるように気持ちの良い日本語と、唸るような顛末。

この方の本はまだ読んでいないのがたくさんあるので、制覇しないと。

日本人として、大事にしたいセンテンスがたくさん。

年を重ねて、少しずつ読み直したい本。

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Posted by ブクログ 2013年06月29日

やっぱり向田さんは良い。
この人のエッセイを読んでると、バブル、震災、不況、コンピュータ、現代女性など、これまで起こった事や生まれた物に対する考え方を書いて欲しかったなぁと思う。
早逝が悔やまれる。

以下が好き
・鮒
・ビリケン
・三角波
・嘘つき卵
・独りを慎む
・ゆでたまご
・反芻旅行
・日本...続きを読むの女
・サーカス
・笑いと嗤い
・壊れたと壊したは違う
・無口な手紙
・甘くはない友情・愛情
・黄色い服

ほとんど全部じゃないか。

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Posted by ブクログ 2013年06月15日

何度目かの再読です。
短編小説とエッセイで構成されたこの本、なにしろエッセイがすばらしい。

ハンディキャップをもった小学生時代の同級生と、そのお母さんのエピソードが語られ、「私にとって愛は、ぬくもりです。小さな勇気であり、やむにやまれぬ自然の衝動です」という一文が心にしみる『ゆでたまご』。

ひと...続きを読むり暮らしを始めて行儀が悪くなったという話や、自分の中に、人が見ていないとスピードを出す癖があるのを知って運転免許の更新をやめた話から、「誰が見ていなくても、独りでいても、慎むべきものは慎しまなくてはいけないのです」と、耳が痛いことを言ってくれる『独りを慎しむ』。

「何とか流の活けた花は、正座してシンと静まりかえっているが、栗崎さんの花たちは、ひざをくずしておしゃべりしている。歌っている。本来なら出会う筈のない日本の花と異国の花が、からだとからだをくっつけあって、くすくす笑いをしている」とか、とにかくもう美しいメタファーの宝箱みたいな『花底蛇』。

そして、今回ワタシ的にいちばんグッときたのが、『眠る盃』に収められている珠玉のエッセイ『字のない葉書』にもあった、妹さんの疎開先からの葉書のエピソードがあらためて語られる『無口な手紙』。「いしぶみ」ってなんてステキなんでしょうか。

読み返して本当によかった。
また何度も何度も読みたい一冊です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月13日

最近よく手にしてしまう向田邦子。昨日もふと購入(誰に何と言われようと紙媒体が好き)したこの短編を、スタバで全部読んでしまったのだが、その間私はコーヒー片手にうんうんと唸り、大笑いし、挙句泣くと言う感情の起伏を人目を憚ることなくやってのけてしまう。

わたしが生まれる少し前の、わたしが生まれた後もかろ...続きを読むうじて残っていたその時代の雰囲気に背筋を正され、今も昔も変わることのない人の営みに涙が出てくるというかね。

脚の悪い同級生の母親が遠足にクラスメイトにわたしたゆで卵。1人で徒競走を終えようと懸命なその子に伴走する教師の姿、それを愛と考察した件に号泣。そう、そうなのよ、と。行為そのものだけじゃなくて、それを暖かいものと受け止められることが、愛なんだよと。私は「愛」という言葉が大嫌いなのだけれど…(言葉にして、これほど尊い行為を陳腐なものに見せてしまうものがこれ以外にあるだろうか…) その文には納得してしまう。

自由を謳歌するのとだらしなくなるのはイコールではない、と言うお言葉に「その通りですぅ…ごめんなさぁい…」と背筋を正され、反芻旅行のお母さんに、うちの母を重ねてしまいさらに号泣。

いやはや、良い時間を過ごさせてもらった。

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Posted by ブクログ 2020年12月27日

小西康陽(元ピチカート・ファイヴ)の「ぼくは散歩と
雑学が好きだった。」を読んで森繁久彌と向田邦子に興味を持ち、この本を手に取った。

短編4編とエッセイが収められていて、最晩年の作品らしい。

短編はどれもとても面白くて、引き込まれてしまった。どれも昭和の匂いがして、1982年(昭和57年)の作品...続きを読むなのだから当然かもしれないが、今読むと何ともあか抜けない印象があって、それがまたいい味を出している。

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Posted by ブクログ 2020年05月05日

向田邦子の最後の短編小説4編にエッセイを含む。
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時という。
向田氏の短編を読み、やはり、彼女はある種の昭和史を語らせたなら、天下一品なのだと思いました。なんと、日本語の豊かなことか。女性の細やかな、時には陰湿であり、陰のあるところなど、現代の日本では、...続きを読むとんと見られなくなっている風景、表象であろう。

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Posted by ブクログ 2019年01月30日

遺作だからか、短編から突然エッセイに切り替わり、これは随筆に見せた物語なのか本当に著者の感じた記録なのか、予備知識がなかったため戸惑った。エッセイもそれぞれ妙に趣が異なる。初出誌を見ると納得、そもそも掲載された媒体の趣が違う。
それでも作者独特の鋭いものの見方や気取らない率直な物言いは一本芯のように...続きを読む貫かれていて、一冊丸ごとどこを読んでも向田邦子。
時代を感じさせない新鮮さと真実があるから、戦中の学童疎開や国民服にゲートルといった話題が出てきてやっと書かれた年代を思い出す。
エッセイにはところどころ、読みながら自分の襟を正したくなるような訓戒が含まれている。本棚や車に忍ばせておきたい一冊。

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Posted by ブクログ 2016年03月04日

発売が自分の生まれる前ということに読んだ後の本の裏を見てきづいた。人間の本質はいつの時代は変わらないということと感じてしまった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年08月01日

短編とエッセイの詰め合わせ

男ふたり女ひとりの三角関係の短編を読んでるとき
「2015年ならBLになることもあるけど
昭和の短編だからねえー・・・って
ええええええええΣ(゚д゚;)」となりました。
まさかの昭和の短編のBL落ち・・・

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Posted by ブクログ 2014年06月04日

日常で取り立てて意識しない感情を細やかに書き上げているところがすごい。一つひとつに共感しながら読んでいました。自分への戒めにもなりました。忘れた頃にまた読み返したい。

反芻旅行がとってもいい!

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Posted by ブクログ 2013年11月12日

昭和57年に刊行されたエッセイ・短編小説だけど、今読んでも全然新鮮な気がする。「独りを慎む」などは読んでみると、男女ともに慎むといういしきすらしていないのではないだろうか。初めて向田作品を読んだが、他の物も手を伸ばしてみようと思う。

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Posted by ブクログ 2013年06月02日

鮒、ビリケンの短編からエッセーまで向田邦子を味わえる一冊。笑うと嗤う、男と女の笑いに対する考察、女の笑いは具体的、視覚的にはなるほど、と思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月18日

読んでいて、あっとなる。頭の奥で何かがつながる。そうだ。この本は昔読んだ本だ。
私はけっこうかたっぱしから、読んだ本を忘れていくのだけれど、すごく面白かったり、ぐっと心に残った本は覚えている。向田さんの短編は、やっぱり秀逸。

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Posted by ブクログ 2012年10月13日

なにげない小物が、ダイナミックに、物語全体に掛かるのが見事。流れるような語りにつられて、自分まで心の引き出しを開けたくなる

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Posted by ブクログ 2023年08月22日

向田邦子文学忌 1929.11.28〜1981.8.22
木槿忌 (むくげ) 山口瞳の向田邦子の死を受けての小説「木槿の花」より

小説新潮で昭和56年7月から連載された短編4編とエッセイ

最後の小説「嘘つき卵」
不妊に悩む妻と、過去に別の女性を妊娠させたので自分に問題ないという夫。という話だけ...続きを読むれど、この作品が最期の原稿となり、脱稿後、台湾旅行の飛行機事故で亡くなる。

冒頭に
時の間にも男時女時とてあるべし「風姿花伝」
とあり、タイトルが世阿弥の能の理論書よりとられていることを知る。

男時女時の言葉の成り立ちについては知らなかった。意味はざっくりと、男時が運が良い時。女時が悪い時ですが、世阿弥が陰陽説から考えた造語のようです。世の中のことは、全て陰陽に分けることができ、男女であれば、男が陽で女が陰となります。本来は、陰陽に優劣はないのですが、世阿弥は、能に良い時悪い時があり、因果が巡っているというような意味合いで使うようです。

向田さんの短編は、シュッツとしてギュときてバチんって感じで好きです。このタイトルは連載時から使われていたようです。脚本家としてエッセイストとして小説家として(前回の新潮連載の思い出トランプで直木賞を受賞している)男時を過ごしてこられた方のあまりに不運な事故であったと思います。

印象的な作品は「三角波」
結婚を控えたカップル。夫は何かにつけて部下の男を呼びつけ世話をさせる。部下の様子に妻は、自分に好意があると思う。部下は結婚式を病気として欠席する。新居で夫婦で迎えた朝、庭に部下の姿を見つける。部下が愛していたのは、夫だった。で、ここからの1ページが良くて、たぶんこの状況をやり過ごしていく新婚夫婦。壊さなければ壊れない。これが一番好きでした。

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Posted by ブクログ 2021年11月02日

人の心の機微というか、社会もしくは家族といったいわゆるコミュニティーにおける人間の心の動きを細かく、リアルに描いている。そういう意味で面白い。
登場するのはごく普通の人々。そういう人々にも、普通ではない出来事が訪れる。それは殺人事件が起こるとか、未知の能力が身に付くとか、そういう大事件ではない。平凡...続きを読むと言えば平凡な出来事だ。しかし当事者にとっては大事件だ。そういうものに出会ったときの人間の反応を、実に上手く描いている。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

短編は三角波、嘘つき卵が予想外の展開だった。エッセイは、なるほどなぁ、、というものが幾つもあって、向田邦子さんの他の作品も読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2019年12月28日

最近読書記録をつけていなかったのでボチボチと。この本は大学時代に一度読んだ。その時は全くわからなかった夫婦というものが、今でも全くわかってはいないけれど、この本に出てくるのは、比較的多くの人が共感できる形なのであろう。

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Posted by ブクログ 2018年06月24日

著者の遺作。わかりやすい文章を書く。4つの短編とエッセイ多数。どれも良かったが「ゆでたまご」「草津の犬」「無口な手紙」が特に良かった。写真は幾分上向きで勝ち気そうだが、エッセイの内容もそれをうかがわせるものがあった。2018.6.24

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Posted by ブクログ 2018年03月09日

好きな作家です。
いつ読んでも、文章を並べるのが上手な作家なので、
ついつい手に取ってしまいます。
男性作家ではこういう風に、
物って書けないんですよね。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

小説とエッセイが入った1冊。
久しぶりに、教科書にあった『字のない葉書』を読んだ。集団疎開に娘を出す父の気持ち、帰ってきた父の男泣きの場面。大人になりより気持ちが理解できる。

はじめて向田邦子のエッセイを本で読んだが、どれも日常の場面が切りとられていて、分かるわぁーと思わず呟きたくなるものも多数あ...続きを読むった。

☆心に残ったフレーズ
・手紙にいい手紙、悪い手紙、はないのである。どんなみっともない悪筆悪文の手紙でも、書かないよりはいい。書かなくてはいけない時に書かないのは、目に見えない大きな借金を作っているのと同じである

・旅も恋も、その時も楽しいが、反芻はもっと楽しいのである
 旅の反芻とは・・テレビで自分が見たのと同じ光景が出れば嬉しい。行ったことのない国を見るよりも、もっと視線は強く思い入れも濃いような気がする。

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Posted by ブクログ 2017年06月02日

ピリッとしてるなぁ、どれもこれも。

「鮒」「ビリケン」「三角波」「嘘つき卵」「反芻旅行」「花底蛇(かていのじゃ)」「甘くはない友情・愛情」

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Posted by ブクログ 2015年11月12日

学生の頃によく読んだ向田邦子。読まなくなったらどこがよかったんやろって気持ちにもなったけど、読み返してみたら、おもしろいとは言いたくないおもしろさがある。古本で買ったの、しおりに「烏賊 雲丹」と書いてあって、なんや知らん、いいなあ。

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Posted by ブクログ 2013年08月31日

反芻旅行というエッセイに描かれた向田邦子の母親の姿に、なんだか泣きそうになった。

私はマザコンなんでしょうか?

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