向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
定期的に読みたくなる向田作品。
没後もう40数年も経ってしまったのかと
ふと思い出した。
こちらの本を購入していなかった事を
思い出し購入後直ぐに一気読みした
毎回の事だけど向田さんの作品は
読み始めるといつもノンストップ。
止まらないと言うより止められない。
今回も同じくで、新装版を読んだのですが
太田光さんの後書きを読み、芸人としては
あまり好きじゃない(ごめんなさい)のだけど
生粋の向田邦子ファンなのを知って
見方が変わりましたし何故か涙が出ました。
いや、かっこいい。
そこから派生して、太田さんが書いた
「向田邦子の陽射し」も読む事になりそうです
これだから読者はやめられません -
Posted by ブクログ
向田邦子さんの魅力が溢れんばかりの随筆集。この人柄からこの文章ありという感じで、とにかく面白くて、しかも文章表現が巧みで飽きがこない。ありきたりでない比喩表現は天下一品。読んだ後に余韻を感じ、また読みたくなってしまう。その理由は、美しい日本語の使い手であるからだと思いました。文章の素晴らしさもさることながら、映像を見ているかのような錯覚に落ちいる自分もいました。テレビドラマ脚本家であった向田さんの実力であると、合わせて思ったしだいです。
谷川俊太郎さんが登場する随筆があるのですが、その登場の仕方の描き方は、上手い!としか言いようがなかったです。男性鑑賞法と題しての随筆では、登場した男性の皆さ -
Posted by ブクログ
ネタバレやっぱりムシが知らせたんだねと思ってしまうっていう話。
何となくの読まず嫌いで触れずにきた向田邦子作品だったけど、初めて読んでみて天才だと思った。
他のエッセイはもちろん、エッセイ以外の作品も読みたい。
p. 213このところ出たり入ったりが多く、一週間に一度は飛行機のお世話になっていながら、まだ気を許してはいない。散らかった部屋や抽斗のなかを片づけてから乗ろうかと思うのだが、いやいやあまり綺麗にすると、万一のことがあったとき、「やっぱりムシが知らせたんだね」
などと言われそうで、ここは縁起をかついでそのままにしておこうと、わざと活ないままで旅行に出たりしている。
p. 293 -
Posted by ブクログ
40年以上前が舞台なので価値観や男女観は当時のままなのだが、嫌味な押し付け感やジャッジがない。昔の男性文豪の小説を読むときに感じる嫌ったらしさがない。女性の描く女性と男性の描く女性ってやっぱり違うなあとしみじみ。
そして向田邦子が凄いのは、古くなっていないところ。時代の流れで移り行く価値観よりももっと深いところにある家族の愛憎が、淡々としたなかにもしっかりと描かれていて沁みた。何気ない会話に味があって本当によかったなあ。
Netflixのドラマも1話観てみたけれど如何にも演技している演出が原作のイメージとあってなくて残念だった。本の方がおすすめ。