向田邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
40年以上前が舞台なので価値観や男女観は当時のままなのだが、嫌味な押し付け感やジャッジがない。昔の男性文豪の小説を読むときに感じる嫌ったらしさがない。女性の描く女性と男性の描く女性ってやっぱり違うなあとしみじみ。
そして向田邦子が凄いのは、古くなっていないところ。時代の流れで移り行く価値観よりももっと深いところにある家族の愛憎が、淡々としたなかにもしっかりと描かれていて沁みた。何気ない会話に味があって本当によかったなあ。
Netflixのドラマも1話観てみたけれど如何にも演技している演出が原作のイメージとあってなくて残念だった。本の方がおすすめ。 -
Posted by ブクログ
向田邦子さん……良かったなぁ!!
今から40年以上前の作品にもかかわらず、全然、
色褪せてなくて、多少の昭和感があっても、逆にエモい感じが堪んないっ❤️
短編小説とエッセイで構成されているのですが…
エッセイが素晴らしいのです。
もちろん短編も素敵です。
ハンディキャップを持った同級生とその母親とのエピソードが語られる『ゆでたまご』。
旅も恋も、そのときもたのしいが、反芻はもっとたのしい…という『反芻旅行』。
妹さんの疎開先から送られてくる『無口な手紙』。
ひとり暮らしをはじめて「お行儀」が悪くなってしまったことに気づいてしまった『独りを慎しむ』。……と素敵なエッセイばかりです。
「お -
Posted by ブクログ
『第1回親子で読んでほしい絵本大賞、大賞受賞作』
この絵本は、向田邦子さんの、「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年、講談社)を原作としており、文を書かれた角田光代さんも語っているように、原作が戦争時代の向田さんの家族との思い出を綴ったエッセイということは、日常生活で起こった現実の話ということになる。
また、原作があるものを絵本にした意義として、普段活字をあまり読まない方や、まだ読むことに慣れていない方といった、より広い層の人達に手に取っていただけることと、絵本の利点の一つである、無駄のない必要最小限かつ明瞭な文体と、それを補填してくれる絵が合わさることで、絵本ならではのジワジワ -
Posted by ブクログ
ここ最近、向田邦子さんに係る本を読み漁っているがハズレがなく、その全てを面白く感じている。
その印象は本書を読み終えた今も続いている。思い出トランプは短編集で、全部で13話収録されているが、その全てが個性的な魅力にあふれている。それも、これは明るい話あれは暗い話、と宝石のようにシンプルに形容しやすい魅力ではなく、見方によって暗くも明るくも、沈んでいるようにも輝いているようにも見える不思議な魅力。石は石でもパワーストーンのような感じで、向田さんの文章は自分にとって他の人とはどこか明確に違うと再確認した。
話は逸れるが、私は数ヶ月前に「あうん」で初めて向田邦子さんの小説を読んだ。その一冊の持つ