向田邦子のレビュー一覧

  • 男どき女どき
    何度目かの再読です。
    短編小説とエッセイで構成されたこの本、なにしろエッセイがすばらしい。

    ハンディキャップをもった小学生時代の同級生と、そのお母さんのエピソードが語られ、「私にとって愛は、ぬくもりです。小さな勇気であり、やむにやまれぬ自然の衝動です」という一文が心にしみる『ゆでたまご』。

    ひと...続きを読む
  • 父の詫び状
    黒柳徹子の留守番電話の話は何度読んでも笑える。電車の中で読むときは要注意です。笑い死にしそうになりました。
  • 阿修羅のごとく
    シナリオ形式で書かれている。
    それに慣れてしまえば、もうあとは最後まで目を離せません。
    ト書きは、人物の感情とかが一切書かれていないので、逆に脳内で映像化しやすいです。そしてト書きには一見それまでの話と関係ないじゃん、と思うようなことも書いてあるんですが、それを脳内で再現すると、超現実的なことに驚き...続きを読む
  • 寺内貫太郎一家
    寺内貫太郎一家
    〈貫太郎のモデルは、私の父 向田敏雄である。よくどなり、よく殴り、5年前に亡くなった。お線香代わりに、ちょっぴり「立派な男」に仕立て直してお目にかけた…〉。
    口下手で怒りっぽいくせに涙もろい父親とその家族をユーモアとペーソスで捉え、きめ細かな筆致で下町の人情を刻み、東京?谷中に暮らす...続きを読む
  • 寺内貫太郎一家
    当然、フィクションだとわかってはいます。あくまで理想のひとつに過ぎないのもわかっています。けれど家族間での悲しい事件が少しも珍しくなくなってしまった今では、ちょっと物騒だけど毎日のように喧嘩を繰り返しても愛情と信頼で結ばれている寺内貫太郎一家のような家庭の風景が、昔はどこにでも広がっていて、今もどこ...続きを読む
  • 冬の運動会
    なんてことのない家族なのですが
    いろいろと複雑な事柄が絡んでいます。
    ちょっとだけタブーは扱っていますが
    いたって明るいのでそこは不愉快にならないはず。

    だけれども言えること…
    心地のよい場所はいつか別れを告げないといけないこと。
    そう、逃避場所、ですね。
    そしていつかは道を決めねばらなぬこと。
    ...続きを読む
  • 父の詫び状
    はじめての向田邦子です。

    この歳になってようやく向き合い、じっくり読ませていただきました。

    とにかくとっても文章が「綺麗」です。
    それから構成が絶妙。

    この本に出会ってはじめて、これからというときに
    逝ってしまったことも知りました。

    沢木耕太郎さんの解説ならびに、引用していた「ねずみ花火」が...続きを読む
  • 寺内貫太郎一家
    20120607 リアルにテレビで見ている時より感じるものがあった。活字の良いところだと思う。今のドラマにはこの泥臭さが必要かも。
  • 女の人差し指
    うまい。面白い。さすが。今読んでも全く古臭くなく、感性豊かでウィットに富んでいる。自分のことをちょっと蔑んで、それを楽しんでいる感じがとっても素敵。
  • 阿修羅のごとく
    一気に読みました。やっぱり向田邦子ってすごい。
    かなり昔にNHKのドラマで見た覚えがある。
    チラ見だったので内容はおぼろげだったけどキャストがドンピシャだったなぁ~という記憶があります。
    確か長女役が加藤治子、次女役八千草薫、三女役いしだあゆみ、四女役風吹ジュンだったような。

    血の繋がりが...続きを読む
  • 父の詫び状
    初、向田邦子さん。
    エッセイってパラッとサラッと読むものだと思ってたけど熟読しました。
    黒柳徹子さんの留守電の話には電車の中なのに声をあげて笑ってしまい、東京大空襲のあとの食事の話には涙しました。
    たわいない話もこの人にかかれば風景や匂いが想像でき、ずいぶん昔の話なのに身近に感じました。
    ずっと手元...続きを読む
  • 隣りの女
    向田邦子さんの良さを知った一冊となりました。
    代表作「隣の女」も好きですが、「胡桃の部屋」はやっぱり
    外せないです。
  • 寺内貫太郎一家
    頑固なオヤジ。優しくも強い母。
    今は無きあたたかな家族の物語。
    ホッとしたり、怒ったり、
    時には涙も流したり。
    胸の奥の方がキュッとなる作品です。
  • 女の人差し指
    エッセイなんだけど、短編小説を読んでいるような感覚。

    小説でもそうだけど、背景の匂いが漂ってきそうで…聞いたことの無い向田邦子さんの笑い声とか聞こえてきそう。
  • 寺内貫太郎一家
    日本の家父長制度の典型的な家族像がある。父は無口で、手が早く、でも情に厚い。母はそんな父を支えながら、子供や周辺に明るく振る舞う。
    笑いと涙が自然にこみ上げる向田邦子ならではの代表作。
  • 隣りの女
    久々の向田邦子!
    独身の時と違い、それぞれの女の立場がよりわかる世代になり、趣がありました。知らない男と全く違う世界に行きたいって、わかるような。。。
  • 隣りの女
    あぁ・・・・・。

    思わず声が漏れちゃう。

    そう来たか。うまい。

    向田さんの小説を読んでいると、小説って人間を描くことなんだって思う。
  • 父の詫び状
    高校時代の国語の師が日記でよく紹介していたので興味を持って手に取った一冊。

    30年前の文章とは思えないほどびっくりするくらいスラスラ読めるエッセイ集。
    昭和の家族の姿が快活でユーモアが散りばめられた文章で描かれている。
    各章のまとめに書かれている哀愁を含んだ美しい回顧の言葉がこの本をただのエッセイ...続きを読む
  • 隣りの女
    「胡桃の部屋」が個人的には面白かった。その次の「春が来た」も。

    どこにでもありそうな、誰にでもありそうなドラマ。それをこうして描ける著者はすごい。
  • 阿修羅のごとく
    作者買い。エッセイで人となりに興味をもってから、
    作品側を読み始めた。出てくる人がみんなシュッとしてる。