五十嵐貴久のレビュー一覧
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五十嵐貴久『交渉人・遠野麻衣子 籠城』河出文庫。
『交渉人・籠城』を改題、大幅改稿した警察小説シリーズの第3弾。単行本は2010年に、第一次文庫は2013年に幻冬舎文庫から刊行されている。
また、改題&大幅改稿シリーズ3作に続き、2023年9月にはシリーズ最新作の『交渉人・遠野麻衣子 ゼロ』が単行本で刊行されるようだ。シリーズ第1作の前日譚が描かれるということなので、シリーズ再始動という可能性もありそうだ。
さて、本作。捻りの効いたプロットに、謎に包まれた籠城犯の真意、如何なる事態にも交渉人としての基本を忘れず、冷静沈着な遠野麻衣子警部と籠城犯との緊迫の駆け引き、少年法による加害者と被害 -
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五十嵐貴久『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』河出文庫。
シリーズ第2弾。
既読であるが、大幅改稿、改題の上、復刊ということで、再読。親本は2010年に幻冬舎文庫から『交渉人・爆弾魔』というタイトルで刊行されている。
この大幅改稿版では物語の時代設定が東日本大震災後に変わっているようだ。時代設定がより現代に近くなったことでスマホやSNSも違和感無く登場し、シリーズの延命も図れるということなのだろう。
冒頭からあれよあれよという間に手に汗握るストーリーの中にに引き込まれていく。その後は有無を言わせない怒涛の展開。まるで主人公の遠野麻衣子がいつの間にか爆破テロ事件の捜査に巻き込まれていくかのよう -
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五十嵐貴久『交渉人・遠野麻衣子』河出文庫。
既読であるが、大幅改稿、改題の上、復刊ということで、再読。親本は2006年に幻冬舎文庫から刊行されている。
再読しても、なお面白い。二転三転するストーリーと意外な結末。
終盤まで主人公であるはずの遠野麻衣子は余り活躍しない。何故なら麻衣子の教育係だった石田が犯人との交渉の矢面に立つからだ。まるで麻衣子はオマケのような扱いだ。しかし、ここに事件の全貌に関わる鍵があるのだ。そして、終盤の麻衣子の推理と行動に驚かされる。
シリーズは4ヶ月連続刊行されるようだ。楽しみは続く。
警視庁で交渉人の教育を受けていた遠野麻衣子は教育係の石田修平警視との不倫 -
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ネタバレ『リバース』『リセット』『リフレイン』『リハーサル』『リカ』『リターン』『リベンジ』『リメンバー』が時系列に沿っている、と聞き順番に読もうと決めた。
リカシリーズの4作目。
花山 病院の副医院長、大矢昌史をターゲットに決めた雨宮リカ。
昌史を狙うため、邪魔になる人間を次々殺す。
最後まで昌史の婚約者、真由美が生存していたので恐ろしさにドキドキ。
やっぱり……
副医院長、早く動かなきゃ!とこちらは気持ちが焦る。
描写がかなりグロテスク。
どうしてリカは、あちこちで言われるほど、体臭が強いのか、医者がするはずの注射、メスの使い方などが上手い訳。 -
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ネタバレ『リバース』『リセット』『リフレイン』『リハーサル』『リカ』『リターン』『リベンジ』『リメンバー』が時系列に沿っている、と聞き順番に読もうと決めた。
青美看護専門学校で起こった火災で120名以上の死者を出した事故。
同級生がどんどん死ぬ。
リカ(升元結花として登場)の周りの人間で邪魔、あるいは気に入らない人間は消されていく。それも悲惨な姿で。
この本はノンフィクションのように、はじめに、のまえがき、参考資料などが記され、他の作品とは違う作風。
生存者である渡会日菜子が書いた本をもとに解説する。
その本の中で、雨宮リカは死んだ、と。どういうことかな?
音楽だと、サイコキラーはオペラ、無差別殺 -
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ネタバレ親友だと信じていたのに、いじめられたら、その人から死んでくれ、と言われたら…
3つの殺人事件は、星野の地道で粘り強い捜査で、かすかな繋がりを見つけ、それを手繰っていくことで、稲葉秋雄に行きつく。稲葉は、誰に聞いても評判のいい人間。
実は20年前に事件で亡くしていた息子は自殺だった。
いじめによる自殺。
その加害者達は、同い年。加害者たちが謝罪することもなかった為、20年計画で殺人事件を練っていた。
加害者たちの子が、事件で殺められる。
その加害者たちは稲葉の息子の名前を聞いても、何も思い出さない。自分たちがいじめ、自殺に追いやった本人なのに。
加害者は覚えていないだろう。
自分の経験からも、 -
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ネタバレ2023/05/11予約
『リバース』『リセット』『リフレイン』『リハーサル』『リカ』『リターン』『リベンジ』『リメンバー』が時系列に沿っている、と聞き順番に読もうと決めた。
多分、過去に読んだはず。記録に残ってない…
シリーズとしては3作目。
広尾の開業医、雨宮家に住込家政婦のため上京した花村幸子。この幸子が長野で世話になっていた教会牧師の蔭山宛の手紙を書く形式で話が進む。
この手紙で、やたら自分のことを
『幸子は〜』
と書くのが気になる。
イケメンで浮気癖のあるご主人、美人の妻、麗美。双子の梨花と結花の4人家族。
外からわからない狂気じみた雨宮家、妻が些細なことで激高し双子を折檻。ご主人 -
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女性消防士・神谷夏美シリーズの第一弾
壮絶なドラマでしたね。
感動しました。面白かったです。
前半戦は、ビル所有者・管理者側の危機管理の無さを呆れながら読んでいました。そしたらなんと消防へ出向している官僚から政府役人までも危機管理の無いこと。愕然としますね。
でも、現場の消防士の決断、判断、指揮は、なんと素晴らしかったか。カッコいいです。
ビルの最高責任者、役人は最後の最後まで・・・哀れです。
五十嵐貴久さんは、ここまで無能を表現するテクニックさすがです。
後半戦は消防士の活躍する姿に涙して感動しながら読みました。
消防士の命をかけて闘っている姿に感動し、尊敬します。
前半部分の危機管理の -
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リカシリーズ第7弾
ようやく最新作
リカを初めて読んだのが2021年10月だから、かれこれ1年半、リカってるわけです
7作目だというのに全然飽きず、むしろ新鮮さすら感じる恐ろしい作品
なんだろ、主人公の立ち位置が変わるからかな?
なるほど…
これでリセットか
痺れるフレーズですわ
ただ、その前の方が衝撃すぎて声出そうになった
リカシリーズの怖さって、リカという恐怖だけでなく、人間の怖さも垣間見える感じがいいのよね
次回作はリターン後で復讐というキーワード
リターンとリメンバーは怖さが半端なかったから、リメンバーへの伏線とかあったらゾクゾクするな
そういや、あの傍点(というらしい)で -
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ネタバレ復讐だからって人を殺していいという訳では無いけど、復讐をする側の気持ちがわかる
何の罪もない子どもが3人も殺されたのは悲しいけど、親の因果が子に報う
いじめた側が誠意を持って謝罪していれば起こらなかった殺人
父親のせいで殺された3人の子どもと、信じていた親友に裏切られて自殺に追い込まれた子どもが可哀想でならない
ゲームの中の言葉の引用ですが、
「……ただこれだけは覚えておいて。
あなたが罪を犯したとき、その責任を取るのが、あなただとは限らないということ。
思いがけないことで、あなたの犯した罪を償わされることもあるのよ。
それは、その時に悔やんでも遅いから。」