五十嵐貴久のレビュー一覧
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五十嵐貴久『天保十四年のキャリーオーバー』PHP文芸文庫。
起伏に富んだスリリングなストーリーで、読み応えのある面白い時代エンターテイメント小説であった。
何時の時代も権力を我が物にしようとする悪い奴らが大勢居る。権力を手にすれば、次は金だ。こうした悪い奴らに正義の鉄槌が振り下ろされる様はスカッとする。
天保14年。南町奉行の矢部定謙が鳥居燿蔵の謀略に嵌められて罷免させられ、切腹する。定謙の養子で住んでいた屋敷から放逐された鶴松は、鳥居により江戸から追放された歌舞伎役者の七代目市川團十郎らを仲間に引き込み、鳥居への復讐を果たすためにとある計画を練る。
その計画とは南町奉行となった鳥居が -
Posted by ブクログ
年間4億の赤字を理由に、とある市立病院は閉鎖の危機に陥っていた。誰もがそこから逃げ出す中、34歳の速水医師は医院長に名乗り出た。
3年で赤字を無くす課題を課せられた速水は、全ての患者を断らないと言う方針を固めて…
過疎化していく地方都市の市立病院。年々患者の数が減っていくのを黒字にするのは至難の業。熱意は誰にも負けない速水だけど、周りは乗ってきてくれないのがもどかしかったです。それでも、若さ故の理想論だけで片付けず、自分一人でもやり抜こうとする姿に、次第に助けてくれる人が少しずつ増えたのは嬉しかったです。
そして、速水の次なるステージへと歩み始める姿も読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
リカシリーズ第6弾。
これまでと違ってドキュメンタリーみたいな構成。
いや、もしかしたら本当に実話なのかも…。
続編ってダルくなりそうだけど、リカシリーズは毎回構成も違うし、主人公も違うから飽きずに読み続けられるのよね。
でもしっかり怖いし、描写もえぐい。
五十嵐先生の引き出しの多さにびっくりする。
前作のリメンバーが植え付けられた狂気が芽生えた感じの話だったが、今回はまさに心に刻む瞬間を見せられている感じかな。
『閉じ込め症候群』の話はやばいな。
考えただけでゾッとした。
医療だけでなく、脳科学?もどんどん発展して欲しいもんです。
脳ってまだ殆どわかってないって昔聞いた気がするけど