五十嵐貴久のレビュー一覧
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五十嵐貴久、今野敏、誉田哲也、三羽省吾『警官の目』双葉文庫。
シリーズ第2弾。前作も粒揃いの傑作だっただけに期待が高まる。4人の警察小説の名手による4編収録の警察小説アンソロジー。本作もまた、個性あふれる傑作警察小説が収録されており、非常に面白かった。
今野敏『消えたホトケ』。萩尾警部補が死体消失トリックを解き明かす。短編の中に警察小説の面白さを凝縮した小気味の良い作品。
五十嵐貴久『汚名』。警官殺しの汚名を着せられ、退職した元刑事の父親が亡くなり、その息子が父親の汚名を晴らす。父親と息子の確執と父親が胸に秘めていた秘密。なかなか読ませる。
三羽省吾『シェパード』。初読み作家。アクロバ -
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東日本大震災後、気仙沼で結成されたご当地アイドルを描いた物語。
コンポーザー役の青年と中心的メンバーの女の子の視点が交互に入れ替わりながら語られていく。序盤、ありがちといえばありがちな展開なのだが、徐々に本から目が離せなくなっていく。解説にも書いてあったが、五十嵐貴久さんの小説は本当に幅広い。
世のおじさんたちが娘くらいの年齢のアイドルを応援する理由が少しわかる。頑張ってる姿って応援したくなるんだよな。それはスポーツ選手と同じだ。
さらに、震災で傷つきながら前を向こうとしている姿も描かれるのだから涙は必至。事実をもとにしていることもさらに驚く。いい小説だった。 -
ネタバレ 購入済み
最後まで
一気に読んでしまった。
漫画を見てからの原作でしたが、漫画よりもよりリアルな表現で更に気持ち悪かった。
後味が悪い話が好きなので、この作品はそういう意味では私好みの後味の悪さでした。 -
- カート
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試し読み
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ネタバレ好きな作家さんなので期待値大!で読み始めました。夫のDVに耐え切れず未知の土地、東京・大久保へ逃れ、そこでの新しい生活。「苦しいながらも母子で助け合いながら生きていく話?」と淡々と読み進めていたのですがボクササイズからボクシングのプロテスト合格→ゼロ勝なのに世界タイトルマッチ挑戦とスピードアップしてワクワクする展開!最後のタイトルマッチのシーンでは何度も涙がこみ上げてきて・・面白かったです! ボクシング経験者の方々にはありえない話かもしれませんが「ロッキー」のようなドキドキ感が本当に堪らなかったです! 希望荘住人達との絡みがもっとあっても良かったと思いますが 今年イチ押しの一冊です!
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五十嵐貴久『贖い(下)』双葉文庫。
下巻に入るとストーリー展開が加速し、このまま一気に結末へと雪崩れ込むのかと思われたのだが……最後まで気を抜くことの出来ない読み応えのある警察小説だった。
真相が明らかになるにつれ、何ともいたたまれない気持ちになり、『贖い』の意味が解ると哀しく切ない気持ちになった。そういう意味では非常に残酷な物語である。
杉並の小学校の校門に小学生男児の切断された頭部が置かれる猟奇事件、和光の林で発見された中学生少女の刺殺死体、名古屋のスーパー駐車場から消え、コインロッカーで発見された幼児の死体……三つの事件が次第に1本の線で繋がり、驚愕の真相が明らかになる。 -
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五十嵐貴久『贖い(上)』双葉文庫。
『誘拐』にも登場した一風変わった刑事の星野警部補が再び難事件に挑む警察小説。
一言で感想を述べるなら何も見えて来ないという面白さというのが妥当だろう。上巻に描かれる同時期に発生した三つの殺人事件。怪しい人物は冒頭から提示されているのに犯行動機が全く解らないので、犯人ではないのかもという思いも……事件の真相に一番近付いているのはやはり星野警部補なのだろう。
杉並の小学校の校門に小学生男児の切断された頭部が置かれる猟奇事件、和光の林で発見された中学生少女の刺殺死体、名古屋のスーパー駐車場から消え、コインロッカーで発見された幼児の死体……三つの事件が同時進行 -
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タイムスリップもののオキテ破り!!!
タイムスリップした主人公は未来が変わらない様に行動を慎むのが原則ですが、本作の主人公の松尾君はレコード会社の女性ディレクターに頼まれて1981年に『世界に一つだけの花』や『赤いスイートピー』楽曲提供しちゃいます!?
1981年を生きてきた訳ではないのですかその時代のゆっくり流れる時間や不謹慎な事を言っても許される事や電話帳に住所が載っているなど面倒くさいけど面倒じゃない時代が羨ましいなぁと思います。
本作を読んで思った事は小室哲哉や東野圭吾は未来からタイムスリップしてきたんじゃないの!?と思っちゃいました。
それと、この本は19何年のシリーズに -
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めったに挙げない五つ☆。面白かった!こんなに面白い小説を読むのは久しぶりだ。しかも読後感が深い。
歴史ものでありながら冒険小説でもありサスペンスでもある。でも実は実は深く濃い恋、愛を描いた小説なのでありました。愛があればこそ耐えがたきを耐え、希望に生き抜くことができる。本当のエロくない真のエロスを感じました。
こんな面白い小説があったこと、たぶんそれほど話題にならなかったのが(知らないけれど)不思議です。P441~P442のやり取りは読後に再読しました。秀逸です。
まったく知らない作家だと思ったら「1995年のスモークオンザウォーター」で読んでいた。あの小説は…だったなぁ -
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工業高校の爪弾き者の主人公【カジシン】が同じく落ちこぼれだけど友達が多い【ゴタンダ】頭は良いけどプライドがベジータ並みの【大先生】と供に『キューブサット(人工衛星)』を設計する所事に!?カジシンとゴタンダのダメダメコンビのせいで次はキューブサットを実際に製作する事になる!??勿論3人では無理があるので、何でも器用にこなすスロッター【ドラゴン】と喧嘩無敵の【翔さん】、カジシンの元カノで秋葉原の電気屋の娘【彩香】とその下僕【オーチャン】が加わりいざキューブサットを飛ばす大会に臨むのだが...
漫画のようなコミカルな展開とカジシンの一人称で進む軽い言葉で紡がれたストーリー!個性的なキャラクター達が