あらすじ
引きこもりの高三女子・詩織、ミュージシャンの夢破れた三十男・リュー、ヤクザまがいのおっさん・サトケン。震災の爪痕も生々しい気仙沼で、即席のアイドルグループが結成された。それぞれに喪失感を抱えながら、立ち直りたい、変わりたい、笑いたい、その思いでがむしゃらに活動する。しかし、サトケンには時間がなかった……。感涙長篇。
(『気仙沼ミラクルガール』改題)
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Posted by ブクログ
実在するアイドルだったのか、実在するプロデューサーだったのか。重みがある。震災後に家から出れない少女と娘を亡くして余命2年のプロデュース。作品では深く掘り下げないから想像して読み進めるが、その道を選んで正解だった。続けることが才能だという言葉がササッた
Posted by ブクログ
東日本大震災後、気仙沼で結成されたご当地アイドルを描いた物語。
コンポーザー役の青年と中心的メンバーの女の子の視点が交互に入れ替わりながら語られていく。序盤、ありがちといえばありがちな展開なのだが、徐々に本から目が離せなくなっていく。解説にも書いてあったが、五十嵐貴久さんの小説は本当に幅広い。
世のおじさんたちが娘くらいの年齢のアイドルを応援する理由が少しわかる。頑張ってる姿って応援したくなるんだよな。それはスポーツ選手と同じだ。
さらに、震災で傷つきながら前を向こうとしている姿も描かれるのだから涙は必至。事実をもとにしていることもさらに驚く。いい小説だった。