伊坂幸太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
Fair is foul, and foul is fair.
良いは悪い、悪いは良い
普段は子どもの部活もテレビで観るのもサッカーですが、野球が嫌いなわけではないです。下手なりに少年野球やってたし、先日のWBCは感動もしました。
本書は天才的な野球選手が主人公の不思議な話。いつもの伊坂ワールドよりは軽めですが、冒頭の一節を「フェアはファウル、ファウルはフェア」と野球用語になぞらえて、正義と悪、真実と虚構を織り交ぜながら展開していきます。
前半はスポーツをする子どもの親目線、そして後半は、人間の温かさとか哀しさとか。そして何より、全編にわたってオマージュされているのはシェイクスピアの『マクベス』。
シェイクスピアの作品って断片的に知ってたり映像化されたものを観た程度なので、しっかり読みたくなりました。
-
購入済み
共作なんだ
大変に珍しい、阿部和重と伊坂幸太郎の共作で出来上がった作品だそうである。後半の対談部分で作者お二方が様々に語っているが、その後共作がないところを見ると、やはりやりづらかったのかな と邪推してしまう。伊坂幸太郎の作品はいくつか読んだことがあるので、読んでいて「ああこの部分は伊坂幸太郎っぽいな。ということは、こちらのプレーンな部分は阿部和重かな」と想像しながら読むのは、結構楽しい。
-
無料版購入済み
より一層
この第二巻は第一巻にもまして殺し合いの描写が多く、ほぼ全ページそれで埋め尽くされている。独特の絵のタッチが殺し合いの凄まじさをより一層強調している。主要登場人物の「蝉」のキャラクター表現が凄まじくもあればややコミカルでもある。このややコミカルなところ、洒落たセリフを言わせるところが原作者伊坂幸太郎の真骨頂であろう。
-
無料版購入済み
原作と同じ臭いを持つ
数多くの人が殺されてしまうグロテスクな場面が多い作品であるが、とても勢いのある絵柄とストーリー展開が魅力となっている。原作で「蝉」が出てくるグラスホッパーを読んだことがあるが、この作品も同じ臭いを持つ作品である。
コミカライズの欠陥としてありがちな長い説明文や長台詞はまったくない。オリジナルなコミック作品と言えるのは原作の持つ臭いの成果であろう。 -
Posted by ブクログ
文庫版の裏表紙に記載された、“この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います”との文言が気になる本書。
とある天才バッターの数奇な運命が描かれております。
“常敗球団”・「仙醍キングス」の熱烈なファンである両親の元に生まれた、山田王求(おうく)。
類い稀な才能を持つ王求に、両親は情熱を注ぎこみますが・・。
“出る杭は打たれる”と言いますが、王求の場合は突出しすぎて、周りがドン引きしているような状況です。
故に、孤立しがちではあるのですが、王求自身はすべてを野球に“全振り”しているので、常に淡々としてブレずに自分軸を貫いている様が、ある意味凄みを感じますね。
このように、とんでもない才能を持った彼であるのに、王求の運命は何とも皮肉な方へ展開していきます。
その話の進め方が巧みで、読みやすさもあり、サクサク進みます。ラストは切なかったですが、独特の余韻が残るものでした。
因みに、『マクベス』の〈フェアはファウル。ファウルはフェア(良いは悪い。悪いは良い)〉という台詞が全体的なキーワードとなっているのですが、この物語は悲劇でもあり、喜劇でもあるのかな、と思った次第です。 -
購入済み
文庫本
新作と思って買ったのはいいけど、何か読んだ記憶有り
文庫本での新作、新書で買ってるのに同名を新作でお知らせする機能何とかならないんでしょうか?
文庫本版のあとがきだけ読みたい方もみえるんでしょうが
…それにしては自分に取っては高過ぎ。
合本版の特典見たさの購入も同じですか…。
今回は螺旋企画の他の作者の作品も読んでみたくなりました、新書で買った時には思わなかったのに不思議 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな伊坂さんの新作。
あとがきに、ご本人自ら「いつもの僕の小説とも雰囲気の異なるものになりました」と書かれているように、今までの伊坂さんの作品とはテイストが違いました。
真の天才。
神懸かった存在。
そんな人間が実在したら。
実在しないから、何となく漠然と切望しがちなその存在の、与える影響力の大きさを感じることができました。
主人公・王求がたまに見せる平凡な人間らしさに、安堵感を抱いた読者もいるのでは?
人間、というか大人のエゴ。
いかにして私達大人がバランスを取っているのか。
当たり前という価値観の個人差。
そんなことを考えました。
凡人な自分に感謝。
ただ殺人の証拠品となった、プロ野球チームの応援グッズに「傘」を採用されたのはヤクルトファンなのでブーイング。 -
Posted by ブクログ
「伊坂幸太郎」のファンタジー作品『あるキング』を読みました。
『フィッシュストーリー』、『ゴールデンスランバー』、『モダンタイムス』に続き「伊坂幸太郎」作品です。
-----story-------------
天才が同時代、同空間に存在する時、周りの人間に何をもたらすのか?
野球選手になるべく運命づけられたある天才の物語。
「山田王求」はプロ野球「仙醍キングス」の熱烈ファンの両親のもとで、生まれた時から野球選手になるべく育てられ、とてつもない才能と力が備わった凄い選手になった。
「王求」の生まれる瞬間から、幼児期、少年期、青年期のそれぞれのストーリーが、王求の周囲の者によって語られる。
わくわくしつつ、ちょっぴり痛い、とっておきの物語。
『本とも』好評連載に大幅加筆を加えた、今最も注目される作家の最新作!!
ベストセラー作家「伊坂幸太郎」さんの最新刊は、いままでの「伊坂」作品とはひと味もふた味も違う!
『ゴールデンスランバー』や『週末のフール』のようなテイストとは違いますが、ひとりの天才が生みだされていく過程、主人公を取り巻く周囲の人々の困惑と畏れ――読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきます。
「他の人にこういう小説を書かれたら悔しい」 「こういう作品を読みたかった」と「伊坂さん」ご自身がおっしゃるくらい、思いをこめた作品です。
新しい「伊坂ワールド」をお楽しみください!
-----------------------
「伊坂幸太郎」作品って、現実と空想、現在と未来が入り混じったような独特の「伊坂ワールド」と呼ばれる雰囲気があるのですが、、、
本作品は、これまで読んだ「伊坂幸太郎」作品とは、また少し違った独特の雰囲気を持った作品でしたね。
野球選手として(それも弱小球団「仙醍キングス」の選手として)活躍することを運命付けられて、そのことを目標に育てられた天才球児「山田王求(やまだおうく)」の人生を描いた作品で、以下のとおり「王求」の成長に沿って物語が展開します。
■〇歳
■三歳
■十歳
■十二歳
■十三歳
■十四歳
■十五歳
■十七歳
■十八歳
■二十一歳
■二十二歳
■二十三歳
■〇歳
■参考文献
■文庫版あとがき
■解説 柴田元幸
弱小地方球団「仙醍キングス」の熱烈なファンである両親のもとに生まれた「山田王求」… “王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、少年時代から超人的な才能を発揮するが、天才であることが災いし、様々なトラブルに遭遇、、、
特に息子を守ろうとした父親の行動が致命的なトラブルとなり、プロ野球選手への道は断たれたかと思われたが… 偽名でプロテストを受験し、その際のプレーが球団オーナーの目に留まり「仙醍キングス」に入団する。
プロに入ってからも天才が故に、まわりに理解されず、監督からも疎まれ… それが選手生命を、そして人生そのものを短いものにしてしまう、、、
何があろうと感情に流されることなく、淡々とプレーを続けようとして、自分に与えられた運命を全うしようとする「王求」姿が印象的でしたね… ラストのバッティングシーンは感動したなぁ。
ただ、、、
何が言いたかったのかなぁ… というのは、読み終わっても解らない作品でしたね。
野球に興味のない若い世代の人には、もっと理解できないんじゃないかな、、、
私たちの世代なら、序盤は 『巨人の星』を思い出さずにはいられない展開ですけどね。
野球をテーマにしたファンタジー?
「シェイクスピア」の 『マクベス』を下地にした寓話?
ストイックに野球に打ち込む男の哀しい運命を描いた悲劇的な伝記?
まぁ、そのどれもがMIXされた不思議な作品ってことかな… よく解らないけど、なぜか強く印象の残る作品でした。 -
購入済み
やるせなさが残る
双子の主人公の人生、活躍があるが、一方で登場人物の理不尽さや暴力がリアルで、印象に残る。読んでいる途中は、必ずしも楽しい気分だけではなかった。