小谷野敦のレビュー一覧

  • 帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて

    Posted by ブクログ

    小谷野さんの本のおもしろさは、古今東西の書物の知識を披露しながら、俺はなぜもてないのかというきわめて通俗的な願望を辱めもなく告白する点であろう。今回はなんとサイトから結婚相談所まで手をのばすも理想とする才色兼備の女性にはめぐりあえない。「もてない男」が読者にもてるのは、きっと俺の方が小谷野よりましだ、もてるという優越感をそのときだけでももてるからではないだろうか。

    0
    2009年10月07日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

    Posted by ブクログ

    ははは・・・。作者自身がもてない経験から書いている部分がおかしい。過去の文学作品や、漫画、映画などからのいろんな引用がすばらしい。内容が濃く読み応えある1冊。文学好きにはおすすめ。でも内容は下世話だよん♪

    0
    2009年10月04日
  • バカのための読書術

    Posted by ブクログ

    何かを学びたい、という知的好奇心はあるんだけれども、買ってくる思想書は前書きとあとがきしか読まない(読めない)人のための勉強法指南。小谷野が提案するのは「事実」の集積である歴史を学ぶことにより教養を深めていこう、という方法。歴史小説、歴史漫画をとっかかりとして、歴史的な知識を蓄積し、教養を深めていけばいい。思想と違って歴史的事実に関しては「はやりすたり」がないから、学んでソンは絶対ない、と小谷野。思想や文学に接するのはその後でもよいということなのだろう。

     小谷野が歴史の学習を勧める背景には、次のような問題意識がある(と思う)。八十年代のニュー・アカデミズムの流行は相対主義を知の領域に蔓延さ

    0
    2009年10月04日
  • もし「源氏物語」の時代に芥川賞・直木賞があったら 小谷野流「日本文学史早わかり」

    Posted by ブクログ

    ■本書のねらい
    ■書籍の構成(目次)
    1平安文学~始めはやっぱり『源氏』から
    2和歌~古代から平安まで
    3中世文学~説話集を中心に
    4室町から織豊時代~能楽を中心に
    5江戸文学~歌舞伎と俳諧を中心に
    6近代文学~芥川龍之介まで

    ■本書の結論
    □考察1:本書からの示唆
    □考察2:残された課題

    【メモ】
    ラジオのような対話形式で書かれていて、とてもよみやすい。
    挿絵、めちゃくちゃかわいい。もっといれてほしい。

    0
    2025年12月04日
  • 芥川賞の偏差値

    Posted by ブクログ

    2017年までの芥川賞を、
    著者の独断と偏見で「偏差値」を付けている。

    戦前のものも写真付きで掲載され、
    各年の他の候補の名前や、
    受賞作なしの時の小話や候補作なども。

    今はネットで検索出来る時代だが、
    古い作品のリストとしては、そこそこ便利な本でもある。

    著者の蘊蓄などが鼻に付く部分も多いが、
    無視無視。

    再度言うが、著者の独断と偏見の「偏差値」は、
    かなり辛辣で、いただけないなーと。

    これを読んで純文学を読んでみようと思う人は、
    果たして一人でも増えるのだろうか?

    そもそも純文学は、
    (この定義自体、死語になりつつあるかもしれない?)
    文学は、数値化されない面白さが……

    ……

    0
    2025年11月04日
  • 日本人のための世界史入門

    Posted by ブクログ

    タイトルのままだと世界史の分かりやすい教科書のように思えるが、基本的な知識を学んでいることを前提とした本。
    この本で世界史の知識が身につけようと思っている人は選び直した方が良い。
    書評、批評をする方が書いていると知った上でないと読みにくいと思う。
    この本、ドラマ、映画が面白かった、よく書かれている、史実とことなる表現があるなど、文句が多い。
    逆に世界史に詳しい方は共感する部分も多いのかもしれない。

    0
    2025年10月01日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

    匿名

    購入済み

    恋愛や結婚をしたい、でもできない自分にとって、納得できる答えを与えてはくれなかったけれど、考え方を変えるヒントを示してくれた。あと、そういう切実な問題はさておき、文章の調子がよくて、ただ読んでいて楽しい。

    #深い #タメになる #笑える

    0
    2025年01月08日
  • 純文学とは何か

    Posted by ブクログ

     本書によると、大衆、通俗に分類される小説でも、読者層は全体の1%にすぎず、小説とは思った以上に読まれていない。また近代において、純文学は人間のひどい面をシニカルに描く一方で、通俗は人情を訴えるところが特徴である。ちなみに西洋ではこれらの乖離が大きく、とくに通俗小説は構成に残らないことが多いという。本書の最後に今後の文学に考察するが、著者の考えとして、人は文字を読むのではなく、脳に直接何かが入力されるようになるかもしれないし、文学研究はコンピュータに一蹴される可能性が高い。とはいえ、文学は少数の人間の、金にならない趣味として今後も存続するだろうという。

    0
    2024年10月24日
  • 直木賞をとれなかった名作たち

    Posted by ブクログ

    タイトルとか題材設定の妙とかで、何だか手に取ってしまう作家。実際読んでみると、破綻した文章とか支離滅裂な展開に、いちいちツッコミたくなるんだけど、何だか読まされてしまう。歯に衣着せぬ物言いとか、支離滅裂なようでいて、絶妙に関心をくすぐる構成とかで、実は結構楽しんでいるんだな。これまで氏の著作を読んだ経験上、あまり本の趣味が合わないことも分かっているんだけど、以下の著作はちょっと気になった。
    ・心を殺された私
    ・兄弟 なかにし

    0
    2024年10月09日
  • このミステリーがひどい!

    Posted by ブクログ

    センセーショナルな題名に思わず騙されてしまった

    語り口がとても軽快なところにも騙されてしまうのだが、要するに

    『〇〇殺人事件』→〇
    『△△殺人事件』→✕

    で、こと足りたような気もしないでもない
    あれが面白くない、これが面白くない、まぁあれは面白かったと言ってるだけなのです延々と
    まぁ書評なのでそれでいいっちゃいいのですけどね

    だったら、一Qさんの本棚の方がよほど役に立つ
    いや、そんなことないか
    うん、そんなことなかったわ

    0
    2024年10月01日
  • 美しくないゆえに美しい女たち

    Posted by ブクログ

    美しいとはいえないが愛嬌があるといった表現が適切かもしれません。
    けっこう、美しいと思っていた人も入ってますし、強い女性も入ってます。
    このご時世、ジェンダーなど色々言われそうな本です。

    0
    2024年04月15日
  • 面白いほど詰め込める勉強法 究極の文系脳をつくる

    Posted by ブクログ

     著者が読者に、新しい知識の身につけ方を伝授する。本書のうち特に大事なのが第四章であろう。膨大な古典作品を読破した著者は、古典作品のうち、読むに値しない本や一部飛ばし読みを推奨する本について具体的に述べており、これから古典作品に挑戦する人にとっては参考となる。著者によると、古典作品に関連する入門書も意外とバカにできないといい、必ずしも先に原典に触れる必要はないと主張する。本書はタイトルにあるように、文系学問に限定されているが、理系学問においても十分通用するところもある。

    0
    2024年03月16日
  • 評論家入門

    Posted by ブクログ

     評論家になりたい読者を対象とする入門書。評論は金になるなら文章なら何でもいいとはいえ、学問的な手続きは大切だと説く。また、言葉の定義は正確に表す必要がある。そして、何よりも大事なのが読書である。作家なら読書嫌いでもかまわないが、評論家である以上、大量の読書が絶対である。それがたとえ内容が陳腐でつまらないとしても、飛ばし読みでもいいので、最後まで読み通すべきである。そのため、読む前の段階で、その本が読むに値するかどうか見極める目も必要とする。

    0
    2023年11月11日
  • 日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集

    Posted by ブクログ

    昔広瀬隆氏が欧米の系図を著した時に、なんでも家系に結びつける(特にロスチャイルド家とか)との批判があって不思議に思ったのだが、こうして日本でもエスタブリッシュの関係がまとめられようになって、ようやく”こういう世界”では”陰謀論”とかではなく当たり前の関係だと認識されるのではないだろうか。閨閥関係にあるからいつも密室で決め事されている、と思う方が考えすぎで、もっと”スマート”に関係性が保たれているのだろう。特に何事か成し遂げた人はいかに成果を次に引き継がせるか苦心するものであり、利害が結びついてファミリーが広がっていくのは自然な事だといえよう。

    0
    2023年10月24日
  • この名作がわからない

    Posted by ブクログ

    ざっと読みのつもりが、案外面白くて一気読み。
    1章が一番面白かった。
    小池さんのおかげで、小谷野さんのうんちく語りも鼻につかずに読める。
    しかし対談が文字になると自分とは違う倫理や嗜好を面白がる人か、そもそも許容するキャパがない人か、という差がはっきり読み取れて興味深い。
    小池さんの深沢七郎愛がとても良かった!

    0
    2023年08月29日
  • 俺の日本史

    Posted by ブクログ

     本書は『日本人のための世界史入門』の続編にあたる。高校日本史のように、古代から明治までの歴史を、著者の見解を交えて進めていく。なかでも意外な箇所を挙げると、たとえば、清沢満之が、唯円『歎異抄』を発掘して、キリスト教に似ていると言った、烏帽子をとられることは、下半身をむき出しにすると同然である、南北朝正閏問題の「閏」の意味が、本物ではないという意味を持つなど、著者の博覧強記ぶりを読者に披露する。過去に日本史を履修した人でも、新たな知見を得られるだろう。

    0
    2023年08月22日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

    Posted by ブクログ

     本のタイトルにあるように、本書は女性にもてない男(昨今でいう弱者男性)に向けて、著者が性にまつわる歴史やそれに対する独自の見解を示し、各章の末尾にそこで話題となった題材と関連した本を紹介する構成となっている。この本は、とにかく性にまつわる話を展開して、女性とはなにか、恋愛とはなにか、性欲とはなにかと、考えさせられる。今回本書を読んで、性と宗教との関係性について(p52、p61など)色々と根深いものだとわかった。

    0
    2023年06月28日
  • 21世紀の落語入門

    Posted by ブクログ

    「入門」とあるが、本当の落語の初心者には馴染まない。ある程度、落語を聞いて、本も何冊か読んで基本的な知識は身につけましたよ、という人向け。

    落語以外の芸能にもたくさん言及されており、歌舞伎・人形浄瑠璃・講談にストリップと幅が広い。

    筆者が一番伝えたいこととしては、現代文学ばかり読まず古典文学を読むことが大事であるように、寄席ばかり行かず、昔の名人の噺を聞け、ということであった。

    0
    2023年06月11日
  • 日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集

    Posted by ブクログ

    有名人の系譜を紹介されています。意外な方々が繋がっていることに驚きがありました。系統ってやはりあるなぁと思わせていただける一冊です。

    0
    2023年03月18日
  • 直木賞をとれなかった名作たち

    Posted by ブクログ

    おもしろいけど散漫では?
     伏見つかさの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を挙げたところなど見所はある。
     しかし『芥川賞の偏差値』は芥川賞の受賞作と作家を評するといふ一本筋が通ってゐるが、こちらは散漫な印象だ。
     気になった点が三つ。
     まづ「……が、……が……が……」と、「が」の連続した文は小谷野の癖だが、この本ではいつも以上に目につく点。さすがに多いのではないかと思った。
     次に、説明文が作者やその周辺などの二次情報に始終して、なぜその小説を直木賞のとれなかった名作に挙げたのか理由が不明確なものがある。実際に読めばわかるのだらうが、ブックガイドとしてはさあ読んでみようといふ気にならず釈

    0
    2023年03月03日