小谷野敦のレビュー一覧
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何かを学びたい、という知的好奇心はあるんだけれども、買ってくる思想書は前書きとあとがきしか読まない(読めない)人のための勉強法指南。小谷野が提案するのは「事実」の集積である歴史を学ぶことにより教養を深めていこう、という方法。歴史小説、歴史漫画をとっかかりとして、歴史的な知識を蓄積し、教養を深めていけばいい。思想と違って歴史的事実に関しては「はやりすたり」がないから、学んでソンは絶対ない、と小谷野。思想や文学に接するのはその後でもよいということなのだろう。
小谷野が歴史の学習を勧める背景には、次のような問題意識がある(と思う)。八十年代のニュー・アカデミズムの流行は相対主義を知の領域に蔓延さ -
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2017年までの芥川賞を、
著者の独断と偏見で「偏差値」を付けている。
戦前のものも写真付きで掲載され、
各年の他の候補の名前や、
受賞作なしの時の小話や候補作なども。
今はネットで検索出来る時代だが、
古い作品のリストとしては、そこそこ便利な本でもある。
著者の蘊蓄などが鼻に付く部分も多いが、
無視無視。
再度言うが、著者の独断と偏見の「偏差値」は、
かなり辛辣で、いただけないなーと。
これを読んで純文学を読んでみようと思う人は、
果たして一人でも増えるのだろうか?
そもそも純文学は、
(この定義自体、死語になりつつあるかもしれない?)
文学は、数値化されない面白さが……
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本書によると、大衆、通俗に分類される小説でも、読者層は全体の1%にすぎず、小説とは思った以上に読まれていない。また近代において、純文学は人間のひどい面をシニカルに描く一方で、通俗は人情を訴えるところが特徴である。ちなみに西洋ではこれらの乖離が大きく、とくに通俗小説は構成に残らないことが多いという。本書の最後に今後の文学に考察するが、著者の考えとして、人は文字を読むのではなく、脳に直接何かが入力されるようになるかもしれないし、文学研究はコンピュータに一蹴される可能性が高い。とはいえ、文学は少数の人間の、金にならない趣味として今後も存続するだろうという。
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昔広瀬隆氏が欧米の系図を著した時に、なんでも家系に結びつける(特にロスチャイルド家とか)との批判があって不思議に思ったのだが、こうして日本でもエスタブリッシュの関係がまとめられようになって、ようやく”こういう世界”では”陰謀論”とかではなく当たり前の関係だと認識されるのではないだろうか。閨閥関係にあるからいつも密室で決め事されている、と思う方が考えすぎで、もっと”スマート”に関係性が保たれているのだろう。特に何事か成し遂げた人はいかに成果を次に引き継がせるか苦心するものであり、利害が結びついてファミリーが広がっていくのは自然な事だといえよう。
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Posted by ブクログ
おもしろいけど散漫では?
伏見つかさの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を挙げたところなど見所はある。
しかし『芥川賞の偏差値』は芥川賞の受賞作と作家を評するといふ一本筋が通ってゐるが、こちらは散漫な印象だ。
気になった点が三つ。
まづ「……が、……が……が……」と、「が」の連続した文は小谷野の癖だが、この本ではいつも以上に目につく点。さすがに多いのではないかと思った。
次に、説明文が作者やその周辺などの二次情報に始終して、なぜその小説を直木賞のとれなかった名作に挙げたのか理由が不明確なものがある。実際に読めばわかるのだらうが、ブックガイドとしてはさあ読んでみようといふ気にならず釈