小谷野敦のレビュー一覧
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ネタバレ2022年10月に川端康成の再読を始めたとき、結構長いマラソンになりそうだから、中間地点としてこの本を読もうと考え、目次に現れている本を搔き集めた。
ところへ作者が、津原泰水に対する中傷に近い文章をブログにアップした。
私は作者の下劣な品性を心底から軽蔑することになった。
もとより新書の「性と愛の日本語講座」、「日本人のための世界史入門」、
「文學界」で「ヌエのいた家」や「東十条の女」を読んだくらいの読者。
積読に「『こころ』は本当に名作か」「純文学とは何か」が控えているが。
おそらく「歯に衣着せぬ」と戦略的に取ってきたセルフイメージに、ブログやSNSで内側から食われているのだろう。
無頼と -
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間違いだらけの本。円谷プロが写真を提供しなかったというが、別な意味で正解だろう。
「岸田森と水沢アキがナックル星人に虐殺される」→水沢アキは榊原るみの間違い。後の方では直っている。
『円盤を見た!』→『円盤が来た』
『第三惑星の悪夢』→『第四惑星の悪夢』
「ゴジラも、あれはジョンストン島という米領で、水爆実験のために小さな爬虫類が巨大化した」→ジョンストン島ではなくラゴス島。
「キラアク星人を演じた美女・小林夕岐子」→キラアク星人を演じたのは愛京子その他の女優。
「仮面ライダーに、人造人間になってしまった悲しみ」→仮面ライダーは改造人間。
「ツインテールは(中略)怪獣のデザイン -
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西洋では古代ギリシャ、東洋では三皇五帝、といった紀元前の時代から現代までを一気呵成に通貫した世界史読本。
著者の印象は、いわゆる「むずかしい人」とされるタイプなのではないのかなあ、と読み始めからちょっと感じました。これはダメ、あれは良い、と端々で仕訳が始まるのですが、その判断基準の統一性がよくわからず「むずかしい」のでした。それでも歴史の要約の仕方が巧みで、語り口もおもしろいので、著者のクセさえ認められたならばあれよあれよと読めてしまうでしょう。
世界史のアウトラインを辿っていくような感覚です。270ページに世界史を詰めこんでいるぶん、かなりのスピードで一時代が過ぎ去っていきます。でも要諦 -
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「バカ」のための読書案内。書名が衝撃的すぎて読み始めた。
内容は、筆者の主張がガンガン出てて面白い。夏目漱石だろうが、今人気の作家だろうが、面白くないと思ったものを面白くないとバシッと言い切っちゃうとこなんて、自分と意見が合わなくても、その書き方で笑える。特に歴史に関しては、わかんないよりわかってた方がいいんだから、下手に内容の難解なもの、長いものよりは、まんがとかの方がいいよっていう主張とかも、本当その通りと思う。
でもまあ、読むべき本にはとても納得したし、そういう意味ではいい本だと思うんだけど、ものの見方に関しては自分とあんまり意見が被らないな〜っていう印象。 -
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ただつらつらとミステリのタイトルが並べられて、よくない、わからない、わからないとはつまらなかったということだ、などのぼやきが続くばかりなんだけどさ。読み進めていくと、これが意外と面白い。膨大な量のタイトルが出てきて、中には雑読みしたり、途中でやめたり、読んだけどわすれてしまった、というのもあるものの、それだけの本を手に取るだけでも今どき珍しい人ともいえるだろう。作品をとりあげ、こまかく評するのも面白いこともあるけど、こうやってざっくりとただひたすらタイトルと〇か×かだけを並べるだけ、というのもわかりやすくてよい。
自分で読んで、あ、やっぱりつまんなかったんだ、という本もあれば、えー?あれ、そ -
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読書術といっても、単純なテクニック等を指南するのではなく、読書を通じて教養を身につけるにはどうすればいいか、を論じている本なので、普段読書をまったくしない人にはあまり向いていないであろう一冊。
専門家やインテリと呼ばれる人が薦める本がいかに素人向けではないかや、読まなくていい本の紹介など、若干ネガティブな視点ではあるものの、初心者の立場にたった記述が多く参考になる。
印象に残ったのは、「『事実』を根底に据えなければ個々人の主観だけがぶつかりあい、合意は得られず、暴力の介入を引き起こすしかない」(P176)という一文。現代のあらゆる問題を考えるための起点になると思った。 -
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打ち合わせで出た席で勧められた本を読んでみた。
読書好きな人で「今何読んでる?」といつも聞かれる。手にしているのが大江さんの論説集のようなものだったので、またかと思いながら考える。文芸書にしようかな?ミステリかな?SF? ホラー?
私の上げた本はどれも腑に落ちない顔で、勧めてくれたのがこの本「バカのための読書術」
「前に読んでとても面白くて参考になった」そうで、それなら読んでみよう。
たぶん私には「学問」を勧めてくれたのかもしれないが。
まず 序言 バカは歴史を学ぶべし
「諸学問の中核になる学問は何かという問題がある。」という書き出し。
私は楽しみと好奇心で本を読む。宿題はない、予習も -
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神は絶対助けてくれないとちゃんと言ったのは曽野綾子だけらしい。
率直でものごとを誤魔化さない曽野綾子、小池女史も一度会ったことがあり、さらに好きになったらしい。
私は具体的な策で助ける気は無いあげくに、祈るしか無いとか、祈りますね、なんて善人ヅラするクリスチャンが苦手である。
様々な次元は混ぜないに限る。
万事尽くして、天命を待つ。
人間のスタンスは常にここにある。
いわゆる名作とされている著名な一編を、
本当かなぁ、そうかなぁ、と疑問を投げかける小谷野氏。
名作なんだから!と頑張って良さを探求するも良し、
こんなののどこが良いんだよ!と投げ捨てるも良し。
一つの文学との関わり方の本。