あらすじ
歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立てる。こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか? 「もてない男」の視点から、文学作品や漫画を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでを見つめ直す。これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を展開する。
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Posted by ブクログ
また著者の読んでいる男女に関わる参考書籍の量がとにかく凄い。
『もてない男』が『もて男』になる為の本かとつい手に取ってしまったが、内容はいい意味で裏切られ、著者は同性からみても漢らしく、まさしく『もて男』なんだろうと。
「世の中には、三十過ぎまで女の人と付き合ったことのない、しかも童貞だというような男もいる。世間ではジェンダー研究だのセクシュアリティー研究だの男性学だのと言っているが、こういう男が問題にされたのをほとんど見たことがない。どうなっているのか」まえがきより
Posted by ブクログ
これオモロイよ〜。
世の男性諸君、是非読んでみて欲しい。
何がオモロイって、まず、この本の冒頭で、「もてない男」っていうのは、「好きな女性から相手にしてもらえないという男」って定義されてる。
だから、この本は、好きな女性に相手にしてもらえない原因とかについて研究してんのかなぁと思ったのです。
ところが、どっこい!
内容は、「もてなくて何が悪いんだ!」という著者の叫び、というか、私怨が渦巻くものになっているのです(私怨で書いていることはあとがきで著者自身が認めている。)。
そう、著者は、「誰からももてない男」だったのです。
まぁ、著者がもてようがどうしようが別にいいんだけど(この本を出した後、著者は結婚したらしい。おめでとうございます。)、とにかく、「もてない男」に勇気を与える(?)本になっています。
僕はなんだかよくわからないけど、元気になりました。途中何度も大笑いしました。 おすすめです。
Posted by ブクログ
東大院卒・大学講師の著者が「もてたーい!」という一心で書き上げたルサンチマンただよう大傑作。特に最後の章の「我々はあらゆるメディアに洗脳され『恋愛至上主義』を植え付けられているのだ」という説に目からウロコが落ちました。姫野カオルコと同じく“恋愛”という論点から「“普通”って何?」という疑問を説いている書でもある、と私は思います。
Posted by ブクログ
このくだらない感じで盛り上げてくるところは好きなもので、ぶっちゃけ出てくる学者連中のほとんどは名前も知らんがなってなとこだけど、勢いで楽しめる。自慰行為というものに対して大っぴらに語れない程度にムッツリでも嫌いではないという場合においてはこの本を一人で読みながらニヤニヤするのが吉でしょう。
とは言え後半に向けて次第にアカデミックになっていくもんで、いや段々と何言っているか分からんというか、あんまり残っていない模様。
結局のところ、恋愛に頑張れない男子はどうすればよかったのか。教えてエロいひと!
Posted by ブクログ
色んな文学作品にかこつけてのモテ論。ところで、気付けば本筆者の作品を結構読んでいる。今回もそうだし、毎回その主張に対しては首を傾げる部分が少なからずあるんだけど、どこか惹かれてしまう。題材の求め方が秀逸なんですね。巷の恋愛論なんて全く興味ないんだけど、上記の理由で本作も紐解くことに。相変わらず独特の論調で、逆に安心して読めました。レイプの項で取り上げられていた、筒井をはじめとした全時代的な言い分には参ったけど、それに対しても至極マトモな返しがなされていたし。総じて”分かる”言い分でした。
Posted by ブクログ
面白かった!
恋の悩みに取り込んでる自分に、ここには答えが用意されていた!
わけではなく、もてない男、持たざる者たちの声がここにはあった。
恋愛なぞするべきでない、とまでは言わないが、どうやら恋愛とはとんでもなくやっかいなものなのである。
だから悩むわけだが、それが恋なのでしょう。不合理な行為だとわかっているのに。
「なぜ愛してくれる相手を愛し返せないのか」
名言である。
Posted by ブクログ
この本に書かれているが、もてないということは、自分の好きな女性にもてないということで、万人にもてないということではない。そのとおりである。かなり、女性に優しい筆者であると思う。だから、女友達が多いのであろう。その意味では、フェミニストであると思う。何か、女性とトラブルを起こしたときは、おそらく、女性の側について、相手をストーカー呼ばわりするタイプであろう。もてない男の恋愛論として面白い。また、恋愛が一種の強烈な宗教であるという部分も面白かった。なかなか、他の書籍の紹介も多くて、内容があるので、また、繰り返して、読んだほうがより、おそらく、理解が進むと思った。
Posted by ブクログ
いやあ面白いね。ここまで著者の怨恨やコンプレックスが噴出している新書も珍しい。著者は文学研究者でもあるので、性をめぐる文学のネタも豊富。この本を読むと、文学と性というのは極めて密接なんだなと思う。
僕もモテないから、この本のタイトルは強烈だった。やっぱタイトルって大事だよねえ。タイトルに惹かれて手に取ったりするもんねえ。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立て、町には手を絡めた恋人たちが闊歩する。
こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか?
本書では「もてない男」の視点から、文学作品や漫画の言説を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでをみつめなおす。
これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を見事に展開した渾身の一冊。
[ 目次 ]
第1回 童貞であることの不安―童貞論
第2回 「おかず」は必要か?―自慰論
第3回 女は押しの一手?―恋愛論
第4回 てめえらばっかりいい思いしやがって!―嫉妬・孤独論
第5回 妾の存在意義―愛人論
第6回 強姦する男、誘惑する女―強姦・誘惑論
最終回 恋愛なんかやめておけ?―反恋愛論
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
100円で買ってきたものとしては最高級に満足。もてないフェミニスト小谷野の、僻み(ルサンチマン?)の篭った恋愛論。童貞についても触れ、そこだけで『童貞としての宮沢賢治』の数十倍濃い内容。一読で吸収しきったとは言えないので、また読まねばなるまい。
Posted by ブクログ
小谷野氏による恋愛論。サブタイトルに「恋愛論を超えて」とあるけどやっぱり恋愛論。下ネタ満載。笑える。しかし自分のオナニー体験まで書いてしまうなんて「さすがプロ根性!」と言うべきなのでしょうか。引用される文献の数は相変わらず圧巻。
Posted by ブクログ
ははは・・・。作者自身がもてない経験から書いている部分がおかしい。過去の文学作品や、漫画、映画などからのいろんな引用がすばらしい。内容が濃く読み応えある1冊。文学好きにはおすすめ。でも内容は下世話だよん♪
匿名
恋愛や結婚をしたい、でもできない自分にとって、納得できる答えを与えてはくれなかったけれど、考え方を変えるヒントを示してくれた。あと、そういう切実な問題はさておき、文章の調子がよくて、ただ読んでいて楽しい。
Posted by ブクログ
本のタイトルにあるように、本書は女性にもてない男(昨今でいう弱者男性)に向けて、著者が性にまつわる歴史やそれに対する独自の見解を示し、各章の末尾にそこで話題となった題材と関連した本を紹介する構成となっている。この本は、とにかく性にまつわる話を展開して、女性とはなにか、恋愛とはなにか、性欲とはなにかと、考えさせられる。今回本書を読んで、性と宗教との関係性について(p52、p61など)色々と根深いものだとわかった。
Posted by ブクログ
著者が言及している内容の妥当性・信憑性は一旦置いといて、着眼点が面白い。
これを根拠に論を展開するのはいただけないが、たたき台としては実に価値のある一冊だと思う。
なにより、小谷野氏の説得力が凄い。
Posted by ブクログ
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Posted by ブクログ
西欧文学や近代日本文学に関する薀蓄を傾けながら、モテない男の立場から、恋愛するのが当たり前のような風潮の現代を生きる苦しさを論じた本です。
各章の末尾に詳しいブックガイドが付されていますが、基本的にはエッセイであり、著者自身が述べているように「義憤」ではなく「私怨」で書かれた本です。「そりゃ、大学教師で本を出してればそれなりに「ファン」はいる。しかし、そういう付加価値がなくて一番切実に異性に飢えていた学生時代にはほんとうにもてなかったのである。その怨恨だけは忘れられないし、これからだってどうなるかわかりはしない」なんて、何だか分かりませんがカッコいいセリフのような気がしてしまいます。
本書の大ヒット以降、多くの類書が出回ることになったという事情もあって、今読むといま一つインパクトが弱いようにも感じました。「恋愛」が近代の産物だという議論から、より自由な男女の関係を称揚する一部のフェミニストに実証的な見地から反論しながら、それに代わる(モテない男のための)具体案を提出できないでいるところに、何となく歯切れの悪さを感じてしまったからかもしれません。
Posted by ブクログ
本屋で平積みになって辛酸なめ子のコメント「恋愛教の洗脳が解けました。これからは心穏やかに生きていけそうです」という帯がついてたから、てっきり新刊かと思って買っちゃったら、10年以上前の本だった。
内容はエッセイだった。読みやすくてサクサク読んじゃったけど、帯のあおり文句とはちょっと違うんじゃないかな~?
よく確かめずに買った私が悪かったんだけど。
Posted by ブクログ
前回読んだ著者のほかの作品。
個人的には第四回の嫉妬・孤独論が面白かった。
章ごとに文献リストを載せていることもなんだか嬉しい。
そしてまた思うことなのだが、著者の知識量は並大抵のものではない。
Posted by ブクログ
童貞についてのエッセイだが、ほとんど研究書で、情報量から言っても新書の域を超えている。それに読み物として面白い。あとがきにこうある。「最近の私は研究とか評論とかの、しかつめらしく客観性を装って『私』の出てこない文章というのが嫌で・・・」。自分の主観性から逃げないのがこの著者の強み。
Posted by ブクログ
モテるとかモテないとか、結局は好きな人に好かれるか好かれないか。そのほうが大事だよなー、と納得。以前から疑問だった「モテる」だのの定義が少し解消された。男性も大変なんだな、と同情・・・。
Posted by ブクログ
漫画や小説などのシーンを引用しながら
童貞についてや妾の存在意義、強姦に関する記述などから
現代の「もてない男」について検証した本。
文中、そうではないとは書いてあるものの
やはり話は「もてる、もてない」の話ではなくて
「ヤれる、ヤれない」がメインテーマになっているような。
ヤるヤらんではなく、それ以前の
「惹かれる段階」のモテ、非モテについてを
もっと考察して欲しかった。
Posted by ブクログ
ただ単に「こういう男はもてない!」という実例を挙げるみたいな薄っぺらい下世話な内容ではなく、古くは平安時代から平成の現在にいたるまでの恋愛観や結婚観の変遷などを、「源氏物語」や森鴎外の「青年」、高橋留美子の「めぞん一刻」といった小説や漫画などを参考に分かり易く解説している。(当然、「コレコレこうすればもてる!」といった記述は皆無)どういった事柄について解説しているか紹介すると、1.童貞であることの不安〜童貞論 2.「おかず」は必要か?〜自慰論 3.女は押しの一手?〜恋愛論 4.てめえらばっかりいい思いしやがって!〜嫉妬・孤独論 5.妾の存在意義〜愛人論 6.強姦する男、誘惑する女〜強姦・誘惑論 7.恋愛なんかやめておけ?〜反恋愛論 というように章立てされている。で、各章の最後にガイドブックが紹介されている。まぁ要は、この本自体が他の本を紹介する為のガイドブック的なモノなのだ。