小谷野敦のレビュー一覧

  • 忘れられたベストセラー作家
    先月読んだ「江戸川乱歩と横溝正史」で、作家は「売れたから残る」のではなく「残ったから売れる」のだ、となんとなく気づきました。乱歩は少年探偵団のジュブナイル、横溝は角川映画、にピックアップされたことが、21世紀にもその名を残す原因なのだ、ということです。いわば二次使用されることが、次の二次使用(三次使...続きを読む
  • 忘れられたベストセラー作家
    同じようにある時期売れていても、長く読み続けられる作家や作品と、忘れられていくものとは何がどう違うのか。今やまず読まれないという点では一緒だが、文学史に名前が残るものと消えていくものとはどう違うのか。言われてみれば不思議である。これだ、という答えがあるわけではないし、特に突っ込んだ考察がされることも...続きを読む
  • 純文学とは何か
    いまいち純文学って?大衆小説って?となっていたので、購入してみた。
    でも不勉強なので、作家や作品をたくさんあげられても全然分からないあたり、自分にがっかりする。

    そもそも大衆小説が歴史や時代小説をさし、通俗小説とは違うというのは知らなくて、びっくりした。

    時折話題になる、あの界隈でのこの手の区別...続きを読む
  • 純文学とは何か
    タイトルに釣られて買いましたが、他の文化や「純文学でないもの」を取り上げる箇所が多く、純文学の定義も古いとしか言えません。
    私は後半部分しか満足しませんでした。
    それでも柳田さんの話は面白かったです。
    文学フリマってそんなエピソードがあったのですね。
    私は個人的に純文学が死んだなら産みなおすのも楽し...続きを読む
  • 純文学とは何か
    ファンだから買う。先生の最近の本のなかでは力が入っている。しかし、斜め読みでは、純文学がジャンルだというのはわかったが、どういうジャンルかわからないような。「大衆」でないのが「純」なのか。
  • 俺の日本史
    『日本人のための世界史入門』(新潮新書)と同様、新書一冊で日本の歴史を概観した本です。

    ただ、『日本人のための世界史入門』が、いちおう一通りの世界史の流れをつかむことができるように書かれていたのに比べると、本書はややまとまりに欠けており、NHKの大河ドラマに関する感想などもあって、「日本史よもやま...続きを読む
  • 芥川賞の偏差値
    芥川賞の本はよくわからない。
    でも、読まないと格好がつかないから、
    一応読んでいる・・・というのが正直な現状。
    面白くなくなってきたのかと思ったら、
    昔から面白くなさそうだったから、
    ちょっと笑える。

    でも、ここまで続いている権威ある賞だから、
    簡単に「なくせばいい」というものでもない。
    なくすの...続きを読む
  • 芥川賞の偏差値
    昔から芥川賞というものがよく分からなかった。
    まず候補作にいまいち「読んでみよう!」と思わせるようなものが少ないし、いざ読んでみても、「…うん。」となるばかりで、なんというか、…どう考えても面白くないよなあ…しかしこれは私が「ブンガク」というものを理解できていないからなのかなあ、なにかこう、これらの...続きを読む
  • 本当に偉いのか―あまのじゃく偉人伝―
    歴史上の偉人が本当に偉いかどうか作者が斬っていくスタイル。上げ底された偉人や誤解の多い偉人、本当に偉い偉人など収録されている人物は多い。
    自分的には「偉い」の定義が提示されていないようなので納得できる人物評もあるが、坂本龍馬のように大河ドラマの話から入りフットワークが軽いだけで偉くないと断じるのには...続きを読む
  • 芥川賞の偏差値
    例によって自分の好みを前面に押し出した独断的見解なんだけど、さして不愉快でないのがいつも不思議。挟み込みのコラムには「美人作家路線」なんてのもあって、コラコラそれはイカンよと思いつつ、読んでしまうんだよねこれが。

    偏差値(と言うより「採点」だけど)については、まあある種の趣向だと思って読めばいいの...続きを読む
  • 芥川賞の偏差値
    偏差値の基準が小谷野敦自身だと知り一安心笑。
    納得できるものもあり、まさかと首をかしげる評価あり。エンタテインメントとして楽しみました。あー、こんな作家いたいたと懐かしく思い出したが、今何しているのか。
    又吉直樹は第二作をようやく出したが、『火花』ほど話題になっていないなあ。
  • 美人好きは罪悪か?
    男の目から見た、美人に関わる戯言。
    歴史上の美人に及ぶ知識と、なんというか、ちょっと斜めからの視線だったり色々。存外面白かったのは文章が上手いからかな。読むの辛くなるかなー、と思ってたら、最後まで行った。

    結局、美人という枠組みがあって、そこにどこからの視点でどう関わっていくかだな。

    もちろん、...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    数冊読んで、論者として決して好きな訳じゃないのに、なお手に取ってみようと思うのは、選ぶテーマに惹かれるからか。相変わらず、主語と述語がとっ散らかってる文章は散見されるし、内容があっちこっち飛ぶしで、読み心地はかなり悪い。ただそれは、新書の厚さで世界史を俯瞰するっていう時点で、ある程度覚悟しなければ仕...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    世界史の教科書を著者視点でおさらいしている感じです。
    「そういえばこんなこと習ったけど、そういう意味だったのか~」と思い出すという意味では入門書です。
    少し著者の主張がうるさい所がありましたが、あとがきの一般人の歴史知識は「だいたい」でいいには納得です。
  • 本当に偉いのか―あまのじゃく偉人伝―
    兼常清佐の考え方にまったく賛成。やはり録音とライブは比較できないと思う。読んでみたい。→小谷野敦さんから理解が間違っているとの指摘をいただく。ありがたい。
  • 性と愛の日本語講座
    使う言葉は時代風俗を表し時代精神をも作り出すので、こういう調査は大切だ。
    読み物として面白くするために資料という面は少し弱い。
  • 日本恋愛思想史 記紀万葉から現代まで
    相変わらずの本である。小谷野節と言えば聞こえはいいが、ぬめりとした嫌みがそこかしこにある、というか本人はあまり嫌みとは思ってないからこうなんだろうけれども、まぁ、しかしこれも芸のうち。
    ひたすらに積み重ねられた文学の数々は全体としてはよく分からないが、ミルフィーユと思えばざっくりいただくのがよろしか...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    「入門」とあるが、高校教科書レベルの知識は持っていたほうが読みやすそう。基本的な単語は知っていて、歴史に対しある程度の興味はあるが、頭の中でうまく繋がっていない人には、ちょうどいい本なのではないかと思う。

    参考として挙げているものが、比較的手に取りやすい一般書や映画などであるのはありがたい。
    さら...続きを読む
  • 美人好きは罪悪か?
    「美人が分類されないわけ」という見出し
    ブスは分類される?美人とはどういう認識か。美人がどのように扱われたか。・・・・いろいろ論考できるんだな。
  • 友達がいないということ
    正直読みやすいとはいえないし、話があちらこちらに飛ぶのだが、自分の意見をどんどんと押し出してくる文章を楽しんでしまったもの勝ちかもしれない。
    いじめについての章を一番面白く拝読した。