小谷野敦のレビュー一覧

  • バカのための読書術

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    読書術といっても、単純なテクニック等を指南するのではなく、読書を通じて教養を身につけるにはどうすればいいか、を論じている本なので、普段読書をまったくしない人にはあまり向いていないであろう一冊。
    専門家やインテリと呼ばれる人が薦める本がいかに素人向けではないかや、読まなくていい本の紹介など、若干ネガティブな視点ではあるものの、初心者の立場にたった記述が多く参考になる。
    印象に残ったのは、「『事実』を根底に据えなければ個々人の主観だけがぶつかりあい、合意は得られず、暴力の介入を引き起こすしかない」(P176)という一文。現代のあらゆる問題を考えるための起点になると思った。

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    2020年06月23日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

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    著者が言及している内容の妥当性・信憑性は一旦置いといて、着眼点が面白い。
    これを根拠に論を展開するのはいただけないが、たたき台としては実に価値のある一冊だと思う。

    なにより、小谷野氏の説得力が凄い。

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    2020年06月18日
  • 面白いほど詰め込める勉強法 究極の文系脳をつくる

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    比較文科学者で作家でもある筆者の経験談を交えての新しい知識の習得や検索方法が書いてありました。タイトル通りかというと、筆者の知的生活の系譜や観た作品についての感想もあるのでエッセイという感じの箇所もありました。しかしそのところも読んでいてクスリと笑えて面白かったです。

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    2020年03月28日
  • 哲学嫌い ポストモダンのインチキ

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    私はこれまでの小谷野さんの文章を読んだ影響で、この本に書かれているように考えるようになっている。仲俣さんと対談やってくれたら、別の考え方が見られてすごく面白くなりそう。

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    2020年03月14日
  • この名作がわからない

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     小谷野氏の価値観の分かりやすさについては、よく理解できた。
     今まで、何故こういう評価をするのかと不思議だったから。
     まあ、そういうこともあるよなあってことに共感しないわけね。

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    2020年02月27日
  • この名作がわからない

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    いつもの小谷野節を受ける小池昌代が素晴らしく、このコンビで毎年文学賞批評をやってもらいたいと思った。

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    2020年01月05日
  • この名作がわからない

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    神は絶対助けてくれないとちゃんと言ったのは曽野綾子だけらしい。
    率直でものごとを誤魔化さない曽野綾子、小池女史も一度会ったことがあり、さらに好きになったらしい。

    私は具体的な策で助ける気は無いあげくに、祈るしか無いとか、祈りますね、なんて善人ヅラするクリスチャンが苦手である。

    様々な次元は混ぜないに限る。
    万事尽くして、天命を待つ。
    人間のスタンスは常にここにある。


    いわゆる名作とされている著名な一編を、
    本当かなぁ、そうかなぁ、と疑問を投げかける小谷野氏。
    名作なんだから!と頑張って良さを探求するも良し、
    こんなののどこが良いんだよ!と投げ捨てるも良し。
    一つの文学との関わり方の本。

    しかし、このお二人くらい読んで無いと語れないなぁ、
    と、語る場も無いのだが思った次第。

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    2019年11月27日
  • 純文学とは何か

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    「純」と「大衆」の違いについて、はっきりとした明確な定義を与えるのではなく、文学の範疇に留まらない例を挙げてその輪郭を浮かび上がらせて行く。ただ、挙げられた作品名を見ても全くピンと来なかった自分には、理解するための読書量が余りにも足りていなかったみたい。

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    2019年10月28日
  • 哲学嫌い ポストモダンのインチキ

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    ファンなので買うわけだが、今回も残念ながら書きとばしてる感じ。しかし第8章「哲学はポストモダンではない」が1ページ半なのがとてもかっこいい。

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    2020年06月15日
  • 純文学とは何か

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    「純文学とは何か」(2017.11)、小谷野敦氏の作品ですから難しいとは思いましたが、一読しました。芥川賞と直木賞、三島由紀夫賞と山本周五郎章・・・、純文学と大衆文学、この本を読んでもその境界は不明でした。ただ、最近の芥川賞はつまらない感じがして、芥川龍之介に(私が云うのもなんですがw)申し訳ない気持ちです。純文学という言葉には高尚な響きを抱きますが、私の場合、「読んで楽しいか」「読んでためになるか」「読んで共感を得るか」、そんな気持ちで本と接しています。

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    2019年07月17日
  • 文豪の女遍歴

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    小谷野敦 著「文豪の女遍歴」、2017.9発行。文豪・・・、美男美女、天才秀才が勢揃いですね。幕末生まれから昭和初期生まれまでの文豪62人の愛と恋について、簡潔明瞭にまとめられています。愛と恋のない人生は考えられませんね。男女間の話はともあれw、私は、島崎藤村、芥川龍之介、堀辰雄、三島由紀夫の作品が好きです。

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    2019年06月23日
  • 頭の悪い日本語

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    文章を書いたり、話したりしていると「この言葉の使い方は
    これでいいのか?」と感じることがしばしばある。

    日本語って難しいよね。だって、「日本」と書いても読みが
    「ニホン」だったり「ニッポン」だったりするのだし、『日本
    書紀』は「ニホンショキ」なのに、『続日本紀』になると
    「ショクニホンギ」になって「キ」が濁るんだもの。

    電話オペレーターの仕事をしていた時は「鑑みて」を「考える」
    と同義語で使っている同僚がいてイラっとしたしな。

    言葉の使い方が気になる。だから本書も日本語の誤用例集かと思っ
    たのだが、言葉に関するエッセイ・雑学といった感じかな。

    誤用しやすい言葉もいくつか取り上げられているのだが、取り上げ
    らている言葉に対しての著者の好き嫌い、そして言葉を使う人への
    個人攻撃なので、読み手側も好き嫌いがはっきりするのではないか
    と感じた。

    個人攻撃の部分はさらっと読み流して、雑学として受け取った方が
    いいかもしれない。

    一時、雑誌などで盛んに「勝ち組」「負け組」という言葉が使われて
    いたが元々の使われ方や、埼玉県熊谷市は「くまがや」ではなく
    「くまがい」が正しいとかは他でも読んだ気がする。

    私が気になっているのは「天皇陛下」に対して「皇后さま」と言う
    テレビの呼称。「天皇陛下」と呼ぶなら「皇后陛下」だろう思うの
    だが、NHKさえ「皇后さま」って言うんだよな。

    また、政治家がよく口にする「粛々と」も気になるし、「ダイバー
    シティ」「レガシー」などの外来語も気になると言うか気に障る。
    「多様性」「遺産」でいいじゃないか。

    いずれにしろ、やっぱり日本語は難しいと思うのよ。言葉は時代と
    共に変わっていく。「全然」論争のような例もあるから、間違いと
    されていた使い方でも時を経ると正しい使い方になることもあるの
    だからね。

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    2019年04月10日
  • このミステリーがひどい!

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    バシバシ斬りまくるのでドキドキしますが、最初のあたり、あら!私と好み一緒なのね!と、つい嬉しくなったり(笑)
    私も小学生の時、ポブラ文庫のルパンが大好きで繰り返し読んでたんだけど、ホームズと少年探偵団にはピンと来なかったんだよな〜。
    あとヒカルの碁が好きってのも。
    アンナ・カレーニナ好きじゃないのは残念だわ…

    とりあえず、あんま難しいこと考えずにもっと自由に感想言っていいよね、と励まされました。

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    2019年02月02日
  • 芥川賞の偏差値

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    ここまで読んでいる人なら辛辣な物言いでも楽しく感じる。芥川賞にまつわるエピソードを知れるだけでそれなりに楽しめた。

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    2019年01月05日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

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    2018年12月31日
  • 日本人のための世界史入門

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    ・夏殷周秦前漢新後漢三国西晋東晋南北朝隋唐五代北宋南宋元明清中華民国中華人民共和国「かいんしゅうしん、ぜんかんしん、ごかんさんごく、せいしんとうしんなんぼくちょう、ずいとうごだい、ほくそうなんそう、げんみんしん」
    ・イベリア半島はイスラムのウマイヤ朝が支配し、コルドバを首都として栄えたが、十世紀末から、キリスト教徒による領土の奪回の動きが始まる(レコンキスタ)
    ・シェイクスピアは、1564年生まれ、1616年死去「ひとごろしをしていろいろやった」

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    2018年11月04日
  • 日本人のための世界史入門

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    この年になって世界史入門もないのだが、知識がないからこういうとっつきやすいものを読むほかない。言っていることがはっきりしていて(というか著者の好き嫌いで語られていて)、小気味よかった。
    「現在では、西洋中心主義への批判から、東洋の学問・藝術を高く評価しようとする傾向が一般化しているが、私には依然として、文学も美術も、西洋での発達のほどのものを東洋は生み出さなかったとしか思えない。日本もまた、平安朝から中世にかけてに比べると、近世の文藝・美術は程度が低く、日本文化史のうちの不毛の時代だと思う。」等。

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    2021年08月08日
  • 川端康成伝 双面の人

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    読み終えた……読み切った感がすごかった……。
    長命な人の伝記なので、長いこと長いこと。

    川端を中心とした人間関係がよくわかった。ただ、彼に対して辛辣な著者の意見も有り。

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    2018年09月26日
  • 純文学とは何か

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    日本近代文学、文芸とその周辺についての真面目な雑学的知識満載なので、その周辺に関心のある方には面白く読めると思います。
    とはいえ、取り上げられている作家はやはり偏りがあるし、書名の純文学とは何か、について結局著者の結論も見えてこない少々中途半端な本です。

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    2018年09月06日
  • 私小説のすすめ

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    「〆切本」を読んだ時、田山花袋や車谷長吉の文章がかっこよいことに気付いた。

    今まで「私小説ってなんだか露悪的で自己愛が強くてジメジメしてそうで嫌だな」と勝手に想像して、食わず嫌いだったのだが、やはり一流の作家の文章として、光るところが確実にあるのだから、読まないで人生終わるのは、もったいないのではと感じた。

    私小説についてもっと知りたいと思ったので、この本を手にとった次第です。
    読んでみた結果、半分はその目的に答えてもらったし、半分は目的外の内容でした。

    タイトル通りの「私小説のすすめ」としての論旨としては、だいたい以下の通り。

    私小説というジャンルが日本においては異様に確立されており、私小説擁護派と批判派にわかれて長い間論争されているが、私小説ではないとされている大文筆家の小説だってある程度自分の体験に基づいているものもある。世界に私小説というジャンルがないとはいえ、ルソーの告白をってもそのような本はごまんとある。

    なので、リアリズム小説として、私小説の面白さは批判されるべきではないという趣旨。

    筆者の膨大な文学知識に、なるほどーと唸る部分も多い。
    また冒頭に書いたように、食わず嫌いで倫理的な嫌気が優って読んでいなかったような私小説の有名作(「蒲団」「火宅の人」「死の刺」)や西村賢太は読まなければという思いになった。(「死の刺」は小栗幸平の映画は観て、すごいと思ったが)

    ただ、この本は、章が進むにつれて筆者の小谷野さんの息遣いというか色が濃くなってきて少し胸焼けする。

    ・私小説=片思い文学として、もてない男の気持ちを強調。

    ・文学賞とは時の運もあったり章の選考基準もわからないなどの話に脱線しがち、逆に文学賞にこだわりあり。

    ・中村光夫、大塚英志にたいする批評的な部分などで、悪口めいた割と感情的なニュアンスのこもった批判もあり、狭い文学会での評価されかたなどへの恨み、妬みなどもあるのでは?と感じさせらえるような気がしてしまった。(「二流」、「三流」、「四流」だとかのワード。自分を評価しない編集者を「ダメな編集者」と呼んだり。)

    ここまで権威主義で、ねちっこく細かくロジカルで、感情的であると、確かに「女子からもてない」という筆者の自己認識に同感してしまう。

    ただ、ここらへんの自分の思っている通俗的な感情を露わにしていくこと自体がこの人の芸のようなものなのだろうから、すこし脂っこいがそちらも含んでこの人の文章を読むのが良いのでしょうね。なんとなく憎めないけど、毎日接すると疲れるだろうな。というような人柄なのかなと思いました。

    要は、筆者にいわゆる人間的な器の大きさ、人を受け入れる許容量が大きさが感じられない。
    しかし人間の本質ってそんなものかもしれない、そういうネガティブな部分を楽しみ認められるのが、ビジネスなどの息苦しい実社会のルールから解放され、小説が輝ける部分なのかもしれない。

    その意味で、ネガティブな感情であれどんどん出していくべきという筆者の意見は初志貫徹していていて、説得力もある。

    また、筆者の私小説「非望」も、赤裸々な非モテ男の片思いとのこと、後味悪そうで、すこし怖いけれども、いつか読んでみたいと思いました。

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    2018年05月19日