小谷野敦のレビュー一覧

  • 頭の悪い日本語

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    著者が鋭い口調で誤用されている日本語を喝破していく一冊。「自作自演」や「大盤振舞」など、私も誤用していた言葉があったので大変勉強になった。
    「看護婦」のくだりは"爆"笑した。

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    2021年09月18日
  • 日本人のための世界史入門

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    歴史を語るにあたって著者の主観が大いに入っていてかえってわかりやすくなっている。
    宣教師たちはヨーロッパでは磔刑にされないので秀吉によって磔刑に処されてさぞ喜んでいただろうとか笑える。

    各章でさまざまな歴史本がさらさらと紹介されていて、ガイド本としても優れた一冊。巻末にまとめてほしかったなぁ!
    しかし日本の若者は歴史を知らなすぎるという指摘は耳が痛い。大学生でも中学生レベルと言っていて、はい、その通りですね…。私も知らないことだらけ。
    暗記重視の受験勉強スタイルへの批判はずっと続いているけれど、歴史のようにそもそも覚えなくてはいけないものもあるのでやっぱり一概に批判はできないよなぁ。

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    2020年02月29日
  • 帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて

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    小谷野氏の代表作「もてない男」の続編。ざっくり言えば女性にもてないことを根源とした恋愛論、女性論であるが、著者の主張には肯首できる部分とそうでない部分があるものの、論旨は明解で面白い。要所要所で著者の実体験を記しており、それらに裏打ちされた主張は単なる言葉の羅列よりも重く感じる。

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    2019年03月23日
  • 純文学とは何か

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    書店に並んだときにも気にはなったけど、いったんスルー。この度、中古で安価に入手。やっぱり本著者、題材の設定が上手。というか、個人的にツボ。かといって、手放しで絶賛したくなるほど好きな訳じゃなく、それなりに楽しめはするけど、っていうくらいなんだけど。まあでも、書店で数多並んでいる本の中から、題名を見て手に取って、パラパラめくって購入を決める訳だから、興味を惹く題材設定は圧倒的に大事な訳で、それだけでも凄いと思います。で、純文学に関しては、要は作者毎にはっきり分かれるのではなく、各作品毎にマチマチだ、ってことですね。当たり前みたいだけど。

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    2019年01月17日
  • 美人好きは罪悪か?

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    「美人好きは罪悪か?」というタイトルから、一部の急進的なフェミニズムを批判する内容を予想したのですが、美人についての著者自身の所感を自由につづったエッセイというべき内容でした。とはいえ、古今東西の文学や歴史、さらにサブカルチャーにいたるまで、あらゆる知識を総動員して著者がみずからの趣味を語りつくしており、おもしろく読めました。

    個人的にもっとも共感したのが『宇宙船サジタリウス』のアン教授についての議論で、著者は「これは「美人問題」最大の謎の一つだと言っても過言ではない」と述べてさえいるのですが、言われてみるまでまったく気が付かなかったものの、たしかにあれはいったい何なのだろうかと不思議になってしまいます。

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    2018年11月21日
  • 帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて

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    正直、眉を顰める向きも少なくないんじゃないかって内容ではある。でも、それは本作者に関しては折り込み済みな訳だし、ここで目くじら立てても仕方ない。という訳で、個人的には純粋におかしみました。これをかいているときの著者と、今の小生がちょうど同い年ってのも奇遇で、より楽しめたって部分もあるのかも。とはいえ10年以上前の著作だから、出会いの在り方とか、この頃とは更にまた違ったものになってるなぁ、って印象。谷崎作品とか、彼の女性遍歴とかを事ある毎に引きまくってるけど、よほど好きなんですね。

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    2018年11月14日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

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    色んな文学作品にかこつけてのモテ論。ところで、気付けば本筆者の作品を結構読んでいる。今回もそうだし、毎回その主張に対しては首を傾げる部分が少なからずあるんだけど、どこか惹かれてしまう。題材の求め方が秀逸なんですね。巷の恋愛論なんて全く興味ないんだけど、上記の理由で本作も紐解くことに。相変わらず独特の論調で、逆に安心して読めました。レイプの項で取り上げられていた、筒井をはじめとした全時代的な言い分には参ったけど、それに対しても至極マトモな返しがなされていたし。総じて”分かる”言い分でした。

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    2018年07月11日
  • 文豪の女遍歴

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    ネタバレ

     高名な小説家のスキャンダルが下世話でよかったのだが、作品についてとてもあっさりと評価を下しているところもよかった。有名なだけで実際読んでも全く面白くない上に、読んでないことでなんだか後ろめたいような気持ちを抱き続けてしまうことがあり、このように言ってもらえると助かる。

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    2018年03月29日
  • 純文学とは何か

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    ネタバレ

     文学と大衆小説があるというのを知ったのは予備校の現代文の授業で、人によって定義があるようだ。この本では「純文学」に限っては、明確に私小説に限定していてとてもすっきりする。「文学」と「純文学」でまた違うのかもしれない。ノベルズを出版すると、純文学作家に入れてもらえないといった因習があるのが面白かった。

     外国の小説家の名前や作品が列挙されているところはさっぱり分からなくて、注釈があったらいいと思ったけど、ちょっとした注釈なら分からない上に読むのが面倒になるので、これでいいのかもしれない。

    ※著者ご本人より指摘いただき、「私小説」に限定はしていないそうです。また、ノベルスを出した作家は「純文学作家に入れてもらえない」のではなく直木賞が取れないとのことでした。うろ覚えで適当な感想を書いてしまい、失礼しました!!

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    2017年12月10日
  • 頭の悪い日本語

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     言葉には五月蠅い方だと思っていた自分だが、教わることが多かった。
     「ひもとく」は本来「繙く」と書く。これは知っていたが、「ぬきんでる」を「擢る」と書くのは知らなかった。
     ほか「キャスティングボート」も「〜ボード」と思い込んでいた。嗚呼、日暮れて道遠し。
     ただ、これだけ間違いに拘泥する小谷野氏でも「ウルトラマンがいた時代」では「『帰ってきたウルトラマン』のヒロインは水沢アキ」等々、大間違いをやらかすのが不思議だ。
     人間、専門外には疎いという一例か。他山の石としたい。

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    2017年11月23日
  • このミステリーがひどい!

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    いつも思うのだけど、なぜ小谷野敦は全方向に敵を作るような書き方をするのか。
    推理小説嫌いと言いながら、それなりには読んでいるのだ。
    そしてほぼボロクソにけなしている。
    嫌いなら読まなきゃいいのに。

    彼は純文学の人だ。
    だからトリックのためにストーリーやら人物造形やらが不自然にゆがめられるのが許せない。

    好き嫌いはしょうがないと思う。
    私も結構毒舌を吐くし、気持ちはわかる。
    だけどどうにも彼の書く文章は品性に欠けるような気がする。

    “『赤毛のアン』が好きなのは、二流大学卒の女子あたりが中心だろうと書いたのだが、これが何だかバカにしていると思われて、いまだに話題になる。(中略)だいたい、私自身が『赤毛のアン』が好きで言っているのに、なんちゅうひがみ根性であろうか。”
    もし本気でこの文章を書いたのだとしたら、作家をやめればいい。
    この文章を読んで、「『赤毛のアン』が好きなんて、趣味が合いますね」と握手を求めてくる人はいないだろう。
    意図した読ませ方ができない自分を嗤うがいい。
    そして“『赤毛のアン』が好きなのは”ではなく“『赤毛のアン』を好きなのは”と書くほうが文章的に正しいのではないでしょうか。

    と、ついこちらも厭味ったらしい文章を書いてしまうくらい、えげつない文章が続く。
    そして、つるっとネタバレ。

    そしてタイトルには表れていないが、純文学にもSFにもファンタジーにも毒を吐いております。
    私よりはるかに大量の本を読んでいながら、その9割に不満爆発なのは、不幸なことなんじゃないかな。

    ちなみに著者の推理小説ベスト
    1位 西村京太郎『天使の傷痕』
    1位 筒井康隆『ロートレック荘事件』
    3位 貴志祐介『硝子のハンマー』
    4位 ヘレン・マクロイ『殺す者と殺される者』
    5位 中町信『模倣の殺意』
    6位 北村薫『六の宮の姫君』
    7位 折原一『倒錯のロンド』
    だそうです。
    『六の宮の姫君』しか読んだことないや。

    『未来少年コナン』と『機動戦士ガンダム』と『風の谷のナウシカ』と広瀬正をほめてくれたのはうれしく思います。
    最後は気持ちよく読み終わりたいもんねえ。

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    2017年10月30日
  • 頭の悪い日本語

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    タイトル買いである。第一部の誤用編が、本書の趣旨であるところの日本語の頭の悪い使い方で、公の場や文章での誤用を怒っているのに対し、第二部以降は雑学・豆知識に終始する感があった。まあ、それでも本書で初めて本来の意味を知ったものも少なくなかった。差別語狩りは私も嫌いである。「いちいち言葉を法律にのっとって考える必要はないのである。」にも賛成だ。また、本書では主題として取り上げられてはいないが漢字かな混じりの交ぜ書きも嫌いであることを読みながら考えていた。

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    2017年08月28日
  • 友達がいないということ

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    太字でフロムのバカ!と書いてあって、これは悩める文学青年あるあるなのだろうか。笑ってしまったが、誤読したのはお前だろうと思う。ちくまプリマーなだけに、もっと人生の早い時期、出来れば高2くらいで読みたかった。それなら親への過剰な期待も、早めに諦めがついていただろう。本書にある、「グランド・フィナーレ」の引用のあたりで述べられている「友人知人からの全否定の怖さ」というのがいまいちよく分からない。作中に出てくるロリコンが、自己肯定して全く反省してない怖さなら分かるが……。これは、私が全否定をしてしまう側の人間だからなのかもしれない。とりあえず笑える部分もあったがためになる部分もあった。徒然草と、吉村昭(某ツイッタラーが吉村昭を推してたのは彼が著者と同質の孤独を抱えてたのだとわかった)と、大江健三郎を読んでひとりぼっちに耐えようと思う。

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    2017年03月30日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

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    面白かった!
    恋の悩みに取り込んでる自分に、ここには答えが用意されていた!

    わけではなく、もてない男、持たざる者たちの声がここにはあった。

    恋愛なぞするべきでない、とまでは言わないが、どうやら恋愛とはとんでもなくやっかいなものなのである。
    だから悩むわけだが、それが恋なのでしょう。不合理な行為だとわかっているのに。

    「なぜ愛してくれる相手を愛し返せないのか」

    名言である。

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    2017年02月17日
  • 「昔はワルだった」と自慢するバカ

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    小谷野氏のエッセイで、自分がした悪いことを自慢気に話す者の話から、悪とは何かという問いへ漂うように論が進む。著者の他の著作に書かれたエピソードも出てきて既視感を感じるときもあるが、個人的には後半の俗物論が独特の視点で面白かった。

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    2016年04月27日
  • このミステリーがひどい!

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    ミステリ愛好家としてはかなり構えて読んだのだが、意外にもうなずけるところが多い。
    ねちねちしたところのないさっぱりとした「面白くない」の断定は、ときにユーモアも感じられ、小谷野節健在だなあとニヤリとさせられる。ここ数冊の著書の中では最高の質なんじゃないかなあ。

    にしても「俗謡に合わせて人が死ぬと何が面白いのであろうか」には吹き出してしまった。えー!面白いじゃん!むちゃくちゃ面白いじゃん!
    そこの感覚の有無が、ミステリ好きになるか否かの分水嶺になるような気がするな。

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    2016年04月18日
  • 日本人のための世界史入門

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    世界史の授業にちょいちょい蘊蓄やトリビアを混ぜて面白くしていますが、それと覚えることとは別で、まぁそんな脱線した内容が魅力的なんですが、僕はどうにも覚えられません。
    世界史の勉強って、暗記がどうしても多くなるのですが、全体像からの位置付けが分からなかったり、カタカナが多くて混乱したり、地名人名が似たり寄ったりで頭の中で整理が追い付きません。
    それなんかよりは、世界ふしぎ発見のような番組を見せる方が分かりやすいように思います。文字だけでなく視覚にも訴える情報を与えないと覚えられないなあと痛感しました。結局本初を読んでも頭の中には入ってません(笑)
    内容はまぁまぁ面白いのですが、それ以上の感想を持てなかったので、僕の評価はAにします。

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    2016年03月21日
  • もてない男 ――恋愛論を超えて

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    この本に書かれているが、もてないということは、自分の好きな女性にもてないということで、万人にもてないということではない。そのとおりである。かなり、女性に優しい筆者であると思う。だから、女友達が多いのであろう。その意味では、フェミニストであると思う。何か、女性とトラブルを起こしたときは、おそらく、女性の側について、相手をストーカー呼ばわりするタイプであろう。もてない男の恋愛論として面白い。また、恋愛が一種の強烈な宗教であるという部分も面白かった。なかなか、他の書籍の紹介も多くて、内容があるので、また、繰り返して、読んだほうがより、おそらく、理解が進むと思った。

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    2016年02月15日
  • 悲望

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    何がセクハラで何がセクハラでないか、というのは
    パワハラとの複合を前提にしない限り
    結局は個人の主観的判断にもとづくのであって
    極端なことを言えば
    恋愛に関するあらゆる言説は、セクハラ認定しうるものなんである
    それはまあ仕方のないことだろう
    どうやっても苦痛にしかならない組み合わせというものは
    悲しいかな存在する
    しかしそこで、セクハラ忌避と恋愛願望を合致させようとするあまり
    潔癖症になってしまっては
    さびしい人生が待っているばかりだぞよ
    といった主張が、これらの小説には見え隠れしてあり
    それは確かに一面、真理なのだけど
    だからってもちろんストーカー行為は正当化されえないし
    またそれによって与えられた(かもしれない)PTSDが
    癒されることもないのだった

    「なんとなく、リベラル」
    高等遊民的な立場の人が自由主義を支持することに
    欺瞞がないとはいえない
    それはつまり
    自分がその立場から引きずり下ろされる心配はないという確信に
    もとづいた考えだから、なんだけど
    社会全体が豊かなら、それもなんとなく許されるだろう
    しかし同時に、この豊かな世の中で
    それに迎合できない人々も確かに存在するのであった

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    2015年08月17日
  • 頭の悪い日本語

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    良い。ユニークな本。
    著者は日本語に詳しく、だからこそ誤用に我慢できない
    らしい。
    誤用なのに大多数が使うともはや誤用とは言えなくなる。
    言葉はいきものと言われる所以だ。
    誤用かどうかの判断も難しい。
    目から鱗が落ちる事例が沢山あった。

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    2014年11月03日