あらすじ
本書は、もし古典文学の時代から芥川賞・直木賞があったら、どの作品が芥川賞で、どの作品が直木賞を受賞するか、という単行本企画のために架空の出版社に月1回訪れる架空の作家の講義を小説風に描く「日本文学史早わかり」。
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Posted by ブクログ
勉強になる
かるく日本文学史が語られてゐて、著者の好みもありおもしろい。なにより小谷野を模した小谷崎(谷崎潤一郎の大谷崎を対比させたのかと勘繰りたくなる)に垂髪きらりが添へてあることで対話形式になり、客観的に捉へられて露悪的なかんじがなくおもしろい。丸谷才一がソクラテスの対話をほめてゐたのをおもひだした。郷右近聖は本郷和人かな。
惜しいのは、だんだん垂髪きらりが大したことをいはなくなって、へえへえをくりかへすところ。もしこのふたりのかけあひがもっと見られるなら見たいとおもった。
ところでほかのひとは敬称略なのに、なぜか丸谷才一は丸谷さんと書いてゐた。