山本太郎のレビュー一覧
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細菌学の大家が、抗生物質の乱用などに伴う人間の細菌バランスの崩壊の危険性を説く。
腸チフスやHピロリ菌のような人間に病気をもたらす細菌があるが、そもそも生物は細菌と何万年もの間共進化しており、人間に宿る細菌の重量は数キロありどの臓器よりも重い。消化や免疫などで大きな役割を果たしているらしいということがわかりつつある。抗生物質の幼少時からの度重なる使用により、体内の細菌バランスが乱されることが、慢性疾患やアレルギーなどの近年の増加につながっているかもしれないとしている。
Hピロリ菌では、胃がんの原因とされ駆除されてきたが、実は適切な免疫反応を促すものであるかもしれず、喘息やアレルギー逆流性食道炎 -
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あなたは1人で生きているのではない、といわれたら何を思うだろうか。
人は誰しも支え合って生きている、とか、友達や家族は大切だ、とか、それはそれで言えることだろうが、本書の主題は、もう少し、いやかなり小さい生き物のことだ。小さいけれどもその数は膨大だ。その名は細菌。真菌やウイルスとともに、人の体を住処とする。
我々の体は30兆個の細胞からなる。一方で、人体には、100兆個もの細菌や真菌が住むという。長い進化の過程で、ヒトとの暮らしを確立してきたものだ。皮膚、食道、胃、腸、口腔、膣。多種多様な菌を抱える私たちは、1人でいても「孤独」ではない。さながら大きな森のように、多くの生き物を抱え、彼らに恵 -
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ソフトバンク・孫正義氏の「原発賛成?反対?」のツイートをきっかけに、自分の信念を解放した山本太郎。
その山本太郎の「原子力のない安全で平和な日本で生きたい」という魂のこもった作品。
原子力の反対運動を続けるとサヨクだと言われることがあるという、それに対して太郎は人が生きるという問題に右も左もないと答える。むしろ国を愛する、国土を愛するという右翼は原子力で国土が汚染されている今、お前らが怒らんでどないすんねん、と。右翼が支持する石原伸晃などは東電から献金漬けで原子力は安全だという嘘を撒き散らす。
p193「原発の事故が本当に問いかけてくるもの」より
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大平洋戦争末期、ソ連が日ソ中立 -
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[ 内容 ]
アジアを中心に流行している鳥インフルエンザ。
病原性の強いこのウイルスが人間への感染力を獲得するのは、もはや時間の問題かもしれない。
グローバル化が進行する現在の世界において、地球規模の感染症対策を考える際に忘れてはならないことは何か。
第一線で対策に奔走する著者が多角的な視点から提言する。
[ 目次 ]
プロローグ―渡り鳥の死
第1章 いま私たちの住む世界―「適切な危機感」を共有するために
第2章 歴史のなかのインフルエンザ―経験・記憶・対策
第3章 ウイルスとの共生を考える医学へ―生態系のなかで
第4章 新型インフルエンザにどう対応するか―国境を越えて
エピローグ―もうひと -
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現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝 -
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ネタバレちょうど1週間前の2021.2.13夜のニュース番組を見ていたテレビの画面に映し出された緊急地震速報。
横浜にいる私のスマートフォンは緊急地震速報を告げるアラームは鳴っていない。
と思った矢先に訪れた揺れ。
体感的にもかなり長い時間の横揺れで、思わず倒れそうになったTVを支えながら、まるで海上を漂う小舟に立っているような体験をしました。
遡ること10年、2011.3.11に東北地方を襲った東日本大震災が発生し、多くの被害と犠牲者が出ました。
阪神・淡路大震災を兵庫県で体験した私には、TVに映し出される津波の映像に声を失ったのを記憶しています。
そしてチェルノブイリ以来の原発事故。
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山本太郎氏の参議院議員生活をルポタージュ風に振り返る内容。経済学者や憲法学者との対談や山本太郎氏への質問コーナーなども盛り込んでいる。
山本太郎氏の政治家としての行動や政策には個人的に肯ぜられない点も少なくなく、イロモノ的なイメージも先行してしまっているが、本人の信念のもと、誠実に政治家としての職務を全うしているということは本書を読んでよくわかった。行動や政策の是非は置いておいて、山本太郎氏の思いは本物であるように思う。
特に「第1章 山本太郎にもできた!―意外な「成果」の数々」は、一国会議員が実際に政策を動かす様子が垣間見えて、非常に興味深かった。 -
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ネタバレずっと読みたかったけど、他の消化すべき積読群もあったし、日々の予定もあったから、我慢していた。
今回のコロナ禍で少しだけど積読本を解消したので、思い切って購入した。一気に読んでしまった。
昨夏、れいわを追ってきた身としては、収録されている選挙時のスピーチに関しては7割くらいチェックしたんじゃないかな?それでも、あらためて活字で読むと、なんだか見落とし(聞き落とし?)ていたこともあり、なぞりながら発見もありながら読み進めていった。
インタビューも面白かった。ネット動画やツイッターでおなじみになった方も多いけど、まだあまりそういう情報が出てきていない方もあって、それぞれのバックグラウンドなどを知 -
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あとがきによると,著者にとって,本書は,同じ岩波新書の以下の2冊
『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』
『感染症と文明 共生への道』
に続く三部作らしい。このうち,『新型~』はまだ読んでいないのだが,『感染症と文明』との流れはよくわかる。だから,これから本書を読もうと思う方がいたら,筆者の書いた順に読んでみるのもいいかもしれない。
いや,本書のユニークな長い「あとがき」を読んだあとで,3冊に当たってみるのがいいかもしれない。ネタばらしみたいになるけれども,筆者の意見がより頭に入ってくるんじゃないかな。
筆者は,感染症を撲滅しようなどとは思っていないし,できるとも思っていない。それど -
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会社の健康診断で、オプションでピロリ菌検査がありますと言われた。陽性だと除菌もしてくれるらしい。ただ何となく面倒くさかったのでことわったのだが、「ピロリ菌の除菌って、なにか反対するような説も出ていなかったか」というのはすこし気になっていた。そうしたら、まさか自分の本棚にそのものの本が眠っていたのを見つけた。
著者はアメリカの微生物学者で、おそらく医師であると言ってもよいのだと思う。みすず書房の装丁でいかにも難しい本のように見えるのだが、中身はどうしてこなれた語り口のあまり肩のこらない読み物である。医師というのは臨床でさまざまな患者と接するからか、わかりやすく面白い文章を書く人が多いような気が