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Posted by ブクログ
あとがきによると,著者にとって,本書は,同じ岩波新書の以下の2冊
『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』
『感染症と文明 共生への道』
に続く三部作らしい。このうち,『新型~』はまだ読んでいないのだが,『感染症と文明』との流れはよくわかる。だから,これから本書を読もうと思う方がいたら,筆者の書いた順に読んでみるのもいいかもしれない。
いや,本書のユニークな長い「あとがき」を読んだあとで,3冊に当たってみるのがいいかもしれない。ネタばらしみたいになるけれども,筆者の意見がより頭に入ってくるんじゃないかな。
筆者は,感染症を撲滅しようなどとは思っていないし,できるとも思っていない。それどころか,ちょっとした病気でさえ抗生物質を使うことを繰り返しているうちに,返って人体に悪影響を与えるのではないかと危惧する。実際に,今ではほとんど使われなくなった抗生物質クロラムフェニコールの話題もあるが,それより怖いのは,抗生物質に対抗できる薬剤耐性菌の存在だ。
「万能の薬はいまや効力を失うだけでなく,私たちを『ポスト抗生物質時代』に陥れつつある。」(扉より)
抗生物質の発見,病気の原因がさまざまな細菌にあることが分かった頃の話など,バラバラだった知識がつながる気持ちよさもある。
産褥熱の原因を見つけたゼンメルワイスが,神経衰弱を発症して死んでいたなんて初めて知った。人類が未知のことを知っていくことって難しいんだな。これまでの常識をすぐに改めることなんてできないのだなと思う。
それとからんで,帝王切開の話。本来,胎児が参道を通るときに得てくるはずの「母親のもっている細菌の塊(幼児の常在細菌の基礎)」が,帝王切開では手渡されない。そのことが,生後,さまざまな病気にかかりやすくなるのではないかと警鐘を鳴らす。
さて,昨今の新型コロナウイルスである。これにたしても,これまでのいろんな薬が効きそうだとか言われているが,今後,どうなっていくのだろうか。山本太郎氏がどのような発言をされているのか気になる。
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