折口信夫のレビュー一覧

  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

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    2025年08月12日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても良い!!!!!!!
    読んだことあるやつもあったけど、乱歩の芋虫、坂口安吾の桜の森の満開の下、太宰治の駆込み訴え、辺りが気になっていたので読めてよかった。

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    2024年10月01日
  • 口訳万葉集/百人一首/新々百人一首

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    『口訳万葉集』:万葉集の現代語訳を手掛けた折口信夫の著書より抜粋。折口信夫を知る上ではちょうど良い分量と難易度。

    『百人一首』:現代の詩人である小池昌代による分かりやすい現代訳で,他2作に比べると浮いて見えるが,『竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03)』に近いテイスト。

    『新々百人一首』:丸谷才一が自ら百人一首を手掛けたテキストより抜粋。和歌研究の深層に踏み込んだ内容を含む。

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    2024年03月17日
  • 釈迢空全歌集

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    民俗学者にして歌人の釈迢空の歌をすべて収める決定版。ぽつりぽつりと言葉を編みながら、自己の内面へ深く降りていく語り口が魅力的だ。「葛の花 踏みしだかれて 色あたらし。この山道を行きし人あり」「人も馬も 道ゆきつかれ死ににけり。旅寝かさねるほどのかそけさ」「道に死ぬる馬は、仏となりにけり。行きとどまらむ旅ならなくに」「ながき夜の ねむりの後も、なほ夜なる。月おし照れり。河原菅原」「なき人の 今日は、七日となりぬらむ。遭ふ人も あふ人も、みな 旅人」「たゝかひに果てし我が子の 還り来し夢を語らず。あまりはかなき」「山の葉のわかやぐ村に かへりゐて つくづくに思ふ。われは死なざりき。」「いまははた 

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    2023年08月18日
  • 死者の書・口ぶえ

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    ネタバレ

    姉御の歌う二上山。闇に眠る皇子が目覚める。
    月が照らす峰々を見下ろし、鳥のように砂光る川へ下降する。当麻路へと続くその光景を声にして味わえば、中将姫の、郎女の、大津皇子に重なる天若日子への、尊者への彩画は曼荼羅となる。
    なんと美しく狂おしい物語。中将姫へのオマージュ…

    女人結界を犯した罪で当麻寺山陰の小さな庵室に籠る藤原南家郎女の、世に疎い純真さと賢さは何処からくるのだろう。
    叔父である恵美押勝と大伴の話も絡めた事も面白く、俗世と郎女のストイックさの対比にも思えた。

    郎女が織る命の蓮の織物
    中将姫の当麻曼荼羅信仰に重なる。
    中将姫が蓮糸で織った「当麻曼荼羅」

    未完の死者の書続編が気になり

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    2023年05月19日
  • 沖縄文化論集

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    【沖縄文化論の草分け論集】
    明治政府による廃藩置県で琉球王国が滅亡し沖縄県とされたのは、1879年である。日本で沖縄文化研究の本格的な気運をつくったのは民俗学の創始者の柳田国男だった。柳田は南島こそ日本文化の源流と見ていたのだ。柳田の『海南小記』に刺激されて、折口信夫も沖縄を訪ね、『琉球の宗教』を書く。他方、民芸運動の主唱者柳宗悦は、沖縄における「民衆芸術」の営みを愛でた。
    本書は、柳田、折口、柳をはじめとする沖縄文化論の草分けの論考が詳細な注記とともに読みやすい形で提供されている。返還50周年を機に、沖縄の文化を見つめ直すのに格好な本である。
    柳田「日を経て南の風の吹く頃には、遙かなる常夏の

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    2022年10月14日
  • 死者の書(上)

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    物語の舞台は奈良時代。
    二上山(ふたかみやま)の麓にある當麻寺(たいまでら)に、ひとりの娘が迷いこんだ所から物語は始まります。
    娘の素性は藤原南家郎女(ふじわらなんけのいらつめ)、藤原鎌足を祖先に持つ貴族の姫君でした。
    本来なら家来にかしずかれ、立ち歩くことさえ稀であるはずの姫が、一晩中山を歩きとおしたあげく女人禁制の寺の境内で見つかったのですから、僧たちも藤原家も大騒ぎです。

    姫に家を忘れさせ、寺の禁忌を破らせたもの。
    それは何百部もの写経の末に見た奇蹟であり、
    二上山の向こうに顕れた御仏の尊いお姿であり、
    女人には禁じられているはずの思索と自我の萌芽でした。
    しかし掟は掟、罪を償うまでは

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    2022年01月14日
  • 死者の書(上)

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    とにかく美しく。

    細かめのわたしなりの解釈は下巻のレビューに書きました。

    他の方のレビューにある
    魂の飢えという言葉が、非常にしっくり感じました。

    忘れさらるる時代の魂たちよ
    どうか鎮まりたまえと
    斎女となる運命を背負った乙女が
    祈り(折り)を捧げている
    そんな話にも思いました。


    ところで全然話も変わりますが
    古典やってて時々でてくる
    斎女ですが、なんというか
    俗世の争い…政治も恋愛も…から離れて一定の地位にあるワーキングウーマン的な感じを私は持っておりまして。
    そこにいるのが一番安全な気がする…っていつも思うのですよね。
    いいじゃん!って。伊勢に行くのは寂しいかもしれ

    #感動する #深い #癒やされる

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    2022年01月02日
  • 南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一

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    神仏合祀、民俗学の芽生えから、小説、聞き書きなど多角的な内容。日本民俗学の芽生えや成果を知ることができる

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    2021年05月31日
  • 呪詞及び祝詞

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    興味深い

    祝詞についての解説。旧字体なので、少し読みにくい。ただ、こういう本をなかなか手に取らないので、教養という意味でありがたい。

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    2021年03月11日
  • 死者の書(下)

    匿名

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    華美とは真逆の、しんとした美しさのある作品。
    シンプルな線が原作の雰囲気を損なわず、神さびた雰囲気を見事に描き出している。
    原作から読んでも、こちらから読んでもいい。

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    2019年11月27日
  • 死者の書・口ぶえ

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    夢幻能のような小説である。

    折口信夫『死者の書』、1939年に書かれた幻想小説だ。長くはないが濃密な、この異色の傑作を読むにあたっては、いくらかの知識を事前に仕入れておいた方が良い。これから書くことは所謂ネタバレだが、古代史に相当詳しい人でない限り、この予備知識によって謎解きの楽しみを奪われたと感じることはないと思うので、このまま書き進める。独力で折口の仕掛けに挑んでみたいと思う人は、ここで引き返されたい。

    物語の舞台は奈良県葛城市、二上山(ふたかみやま)の麓にある当麻寺(たいまでら)である。七世紀に建立されたこの仏教寺院には、当麻曼荼羅(たいままんだら)と呼ばれる織物が保管されている。中

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    2022年09月06日
  • 死者の書

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    巡り巡ってやっとこの本の順番に至った
    そんで、見たぞ、景色を
    自分の生半な知識ではあえて描きたくなかった景色を、折口信夫を頼って見たぞ
    松岡正剛が、僕の中に蟠っただけのことを、千歩くらい先回りして見事に言葉に言ってくれてるので、そこはパス
    日本の古代が、ヌーベルバーグのように描かれる
    これを混乱と読むか、あるべくままと読むか

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    2018年11月24日
  • 死者の書

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    民俗学者である折口信夫の文学作品としての代表作。
    奈良の二上山に伝わる大津皇子、中将姫伝説を下敷きとした、奈良時代を舞台とした幻想小説。
    非業の死を遂げた大津皇子が墓の中で目覚めるところから物語は始まる。
    同じくして、中将姫は當麻寺に導かれる。
    意図的に時系列を前後させているため、しばらく物語の輪郭は掴めない。
    蒙昧とした死者の意識が、次第に明らかになるように物語は進む。

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    2018年08月19日
  • 口訳万葉集/百人一首/新々百人一首

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    かるたとりの趣味もなく、普段和歌に触れることなく数十年生きてきたが、本書で、大げさかもしれないが歌に少しばかり親しみを持てたような気がする。
    それにしても折口信夫は天才だ。「死者の書」でも度胆を抜かれたが、この作品も口述筆記で作られたとか。どのような頭の構造をしたいたのだろうか。古代人の生まれかわりではないかと真面目に思ったりする。

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    2016年04月26日
  • 南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一

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    南方熊楠の論文は初めて読んだが、大変ロジカルであり、また先駆的な手法に基づいた内容であると感じた。さすが天才たる所以だと思う。
    「死者の書」は、飛鳥時代を舞台にしながら素晴らしいリアリティ。文学作品として非常に質が高いと思う。
    「土佐源氏」も同様。ノンフィクションとはとても思えない高度な短編小説として読めた。

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    2016年04月14日
  • 死者の書・口ぶえ

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    1943年(昭和18年)9月末に刊行されました。大東亜戦争宣戦布告から2年の秋、戦場や軍事工場へ多くかりだされていた若者が、戦地にただ一冊携えたといいます。折口が戒名にもした釈迢空の名で詠まれた壮行の詩は「生きて帰れ」というメッセージでした。折口信夫素晴らしい。

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    2014年09月06日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても豪華な1冊。
    求めていた文豪の短編がビッシリ詰まっていて、不気味!耽美!最高!
    夏目漱石、夢野久作、江戸川乱歩、太宰治が入っていてとても嬉しい。
    どれも面白くて良い。

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    2025年08月14日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • 沖縄文化論集

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    沖縄事前読書週間4冊目。沖縄文化論は個人視点で面白かったが、こちらはこちらで包括的感があってよかった。年代も古いものが多いが、押さえるべき評論や議論の流れの数々なんだろうなと。
    琉球の宗教(折口信夫)をお勧めされてから手に取ったのだけど、柳田邦夫やら伊波普猷やらも読めてよかった。『月と不死』やはり読まないとなあ。

    そのほか「南島の入墨(針突)に就いて」、「尾類考」が面白かった。本当はここら辺も深めたいんだけど、一旦沖縄シリーズはこちらで終わり!

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    2024年11月04日