【感想・ネタバレ】死者の書のレビュー

あらすじ

水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。
一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。
罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、「つた つた つた」滋賀津彦の亡霊が訪れ――。
ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。
折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。『死者の書』の決定版。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

巡り巡ってやっとこの本の順番に至った
そんで、見たぞ、景色を
自分の生半な知識ではあえて描きたくなかった景色を、折口信夫を頼って見たぞ
松岡正剛が、僕の中に蟠っただけのことを、千歩くらい先回りして見事に言葉に言ってくれてるので、そこはパス
日本の古代が、ヌーベルバーグのように描かれる
これを混乱と読むか、あるべくままと読むか

1
2018年11月24日

Posted by ブクログ

民俗学者である折口信夫の文学作品としての代表作。
奈良の二上山に伝わる大津皇子、中将姫伝説を下敷きとした、奈良時代を舞台とした幻想小説。
非業の死を遂げた大津皇子が墓の中で目覚めるところから物語は始まる。
同じくして、中将姫は當麻寺に導かれる。
意図的に時系列を前後させているため、しばらく物語の輪郭は掴めない。
蒙昧とした死者の意識が、次第に明らかになるように物語は進む。

0
2018年08月19日

Posted by ブクログ

過去分

このような文体の本をしっかり読んだのは初めてだったので、読みづらかった!意味もあまり理解できず、、。
しかし、情景の美しさは目に浮かぶようで、奈良時代の良さ、悪いところが見えた気がした。
文章は流れるようで美しいと感じた。

0
2021年09月11日

Posted by ブクログ

古代の奈良を舞台にした折口信夫の『死者の書』は目に見えぬ魂の声に耳を澄ませた物語である。藤原南家の姫が死者の影に引き寄せられ夢とうつつを往還する姿は人と死者の境を越えた対話を思わせる。そこに描かれるのは恐怖ではなく忘却を拒む心の深みだ。現代社会は死を遠ざけ、語らぬものとして封じがちだが死者の存在を思うことは生の確かさを教えてくれる。古代の声は今日も私たちに問いかける。

0
2025年08月16日

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