西澤保彦のレビュー一覧
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不思議とひきこまれた。不思議、というのは最初から読んでいて混乱したんだよね。この人、誰だっけ?とか前に名前出てきた?とか、あれ、誰としゃべってるんだろう?なんて、並べていくと、自分の読解力のなさを暴露しているみたいなんだけど。ただ、それでもなんとなく引き込まれてページをめくった。読み終えて、謎自体はミステリとして解決されたんだろうけど、微妙にかたづかない感がある。あれって、結局どういうこと?というパーツがあれこれ。最後の方でも、ヒロが警察の人に何やら言われて出て行ったのは、なんのためだったんだ?とか、いわくありそうで、置き忘れられているものがちらほらと。エンタメとして読む小説としては良かったんだけど、なんか、うーん、このかたづかない感も面白さととらえるべきなのかな。
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マニアックなSF映画やミステリーが好きな変態…いやオタクな柚木崎渓は夏休み明けのある日、クラスメイトに一目惚れをした。彼女の名はエミール、日柳永美。無類の読書好き、一人でいるのをなんとも思わない孤高のタイプ。そんな彼女との距離をなんとか縮めたくて持ちかけたのはお気に入りのカフェで聞いたとある過去の謎。一人の男が3件の事件に関わった果てに死んでしまった。彼は死の間際に何かメッセージを残したようだがそれに隠された意図とは…?
相変わらず小ネタが非常に多いのとぶっとんだ人が多いけど主人公たちが概ねまともな二人なので軽やかにさくさく読める、でもしっかりしたパズラー。事件の調査をするのではなく誰かの話を聞きながら答えにたどり着くタイプのミステリーだけどそれ自体はわりとフェアな、手堅い内容。しかもどちらかに推理力が偏っていて片方が無茶苦茶なタイプ、とかじゃないのでストレスも少ない。ユッキーとエミールのコンビは微笑ましく、ブック・ステアリングは素敵なカフェ。今後も楽しみだーと思ったどうやらシリーズ二冊目だったようだ。一冊目を探そう。 -
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読書録「腕貫探偵、残業中」3
著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫
p66より引用
“「一般的な市民にとって役人の杓子定規ぶ
りは、彼らの常識に馴染むものではありませ
んからね」”
目次より抜粋引用
“体験の後
雪のなかの、ひとりとふたり
夢の通い路
青い空が落ちる
流血ロミオ”
街のあちこちに出没する役所の相談窓口と、
そこにいる事務員の記号のような男に持ち掛
けられる出来事を描く、短編連作ミステリ小
説。シリーズ第二弾。
夕食時のカフェレストラン、食事を楽しむ
客の幸福な時間は、日常生活からかけ離れた
格好の三人組によって突然壊された…。
上記の引用は、主人公・腕貫男の台詞。
多くの人と公平に接するためには、杓子定規
な態度で臨むのが一番無難なのかもしれませ
んね。少しでも個人と親しくしたら、癒着が
どうとか言われかねないのでしょう。
神出鬼没で現実の人間かどうかその存在が
不思議な腕貫男でしたが、どうやら役所に問
い合わせたら普通に連絡もとれるようです。
今巻では出番も台詞も多くなった腕貫男、し
かしまだ名前も分かりません。その人の一番
わかりやすい目印がないことが、一番特徴と
なっている気がします。登場人物の多くが特
徴的で珍しい苗字なので、名もない主人公と
の対比がより強く表れているのではないでしょ
うか。
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読書録「腕貫探偵」3
著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫
p129より引用
“寿憲が〈かや〉へ通いつめてきたのは、そ
こが他者の心情を慮ることなくお互い思う存
分馴れ合って生きてもいいんだという刹那的
な錯覚を提供してくれる場所だからである。
”
目次より抜粋引用
“腕貫探偵登場
恋よりほかに死するものなし
化かし合い、愛し合い
喪失の扉
すべてひとりで死ぬ女”
神出鬼没の役所の相談窓口とそこにいる事
務員の記号のような男に持ち掛けらえる出来
事を描く、短編連作ミステリ小説。
同社刊行作文庫版。
昨夜の出来事の対応で、疲れ切っていた大
学生・蘇甲純也。事務手続きのため大学の事
務室を訪れた彼の目に、一枚の張り紙が映り
込んだ…。
上記の引用は、なじみの飲み屋で失敗した
男についての一文。
外にありながら、少しでも気を許せる場所と
いうのは、あるとありがたいものなのでしょ
うね。こういう場所が、歩いて行ける距離に
ある生活に、少し憧れを持ちます。
名前もない、役所の相談窓口の男が、一応
の主人公なのでしょう。すべての話を通して
出てくるのは、舞台となる架空の都市とこの
男だけです。しかし、本文中でこの男が出る
場面の方が少なく、事件の相談を持ち込んだ
人たちがそれぞれの話の中で、男のアドバイ
スに従って対応していきます。解説では狂言
回しと表現されています。
登場人物の苗字など、名前の付け方が特徴
的。解説によると、この著者の持ち味のよう
ですが、希少な苗字の人ばかりで、最初に振
られた読み仮名を忘れると読めなくて、途中
から頭の中でアイツ・コイツと変換している
自分がいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレメカニズムもへったくれもないトンデモ設定を大前提に、条件の中でいかに論理的な謎解きを展開するか、というのが、この方の作品の見どころですね。しかし、今作はご都合主義やこじつけが論理を上回っているような印象を受けて残念。そして登場人物たちの心情や、そこから生まれる行動が、いまいち腑に落ちない……。
瞬間移動のために「アルコール摂取が必要」「着ている衣服が脱げる」「移動先にある何かが対価として移動されてくる」といった条件が、謎解きの要所要所で生きてくるのはさすがですが、しかしここでもトリック成立のためにあとからこじつけたような設定もあって、う~ん……という感じ。
そしてラスト、話の収拾をどうつけるかを、あんな形で丸投げして終わらないでいただきたい。いや本当に。 -
Posted by ブクログ
変わった映画マニアのユッキーこと『柚木崎渓』が気になっているの同級生のエミールこと『日柳永美』、本好きの一風変わった女子高生だ。そんな二人が趣味と食欲を満たすため、忘れられた過去の謎に挑む。
ちょっと変わった高校生コンビが活躍するパズラー連作集第二弾。え、第二弾!?どうりで所々気になることがあったわけだ。まあ読んでなくても支障はなかったけど、やはり読んでおいた方が楽しめたんじゃないかと思う。
語り手は高校生とは言え、扱っているのは殺人事件だし、しかもどろどろとした悪意が発端だったりするので重苦しい気分にはなるが、まあ過去の出来事だし、織り込まれる日常が救いになってるかな。
それにしてもこの著者が描くお店の食べ物はいつも美味しそうで、行ってみたくなるなぁ。