西澤保彦のレビュー一覧

  • 麦酒の家の冒険

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    ベッドと大量にビールが入った冷蔵庫しかない山荘という謎を主人公たちがビールを飲みながら推理し合う安楽椅子探偵もの。各登場人物の案とそれをひっくり返す反証の提示は小気味良いが長編で読むと疲れるなぁ。

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    2016年07月10日
  • 殺意の集う夜

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    ネタバレ

    サスペンスと本格ミステリをぐちゃぐちゃに詰め込んだ西澤作品。
    20年前の作品とは思えないほど、雰囲気が冷徹で、展開がぶっ飛んでいる。これでキャラクターがもっと独創的ならメフィスト賞作品のよう。
    どの作品もそうだが、設定が非現実的なのにロジカルに探偵していく骨格は読んでいて飽きない。
    ただ今作は、登場人物の誰しもが最後まで全体を紐解けずに終わるという点で少しもったいなかった。そこに至った上での心理や結末の描きっぷりも、著者の読みどころであると思うので。
    3

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    2016年07月08日
  • 動機、そして沈黙

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    西澤保彦、ノンシリーズ短編集。
    猟奇的だったり、アブノーマルな印象のある話を集めた作品集。
    奇抜で特異な謎は、やっぱり著者にしか出来ないとは思う。一方で、やはり謎解きのプロセスが乏しい。意外で、かつロジカルな真相ではあるものの、探偵役がそれを掴むきっかけが弱い。
    例えそれでも面白いと思ってしまう、例えば表題作や「九のつく歳」なんかを読むと、この作家はなかなかやめられない。
    3

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    2016年04月22日
  • 探偵が腕貫を外すとき 【電子特別版】 腕貫探偵、巡回中

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    腕貫探偵シリーズの短編集。
    捻りの効いたミステリと、それを無駄遣いしない意外な真相は、この著者の魅力。
    今作は特に、起承転結の前二つが冴えていた。四話それぞれ違った形で始まり、違った展開で安楽椅子探偵の推理に至るわけだが、元々凝った、つかみどころない謎を、更に語りの上手さで摩可不思議なものにしていく展開が、一定ののめり込みを生む。
    強いていえば謎解きの過程がさっぱりしていのが残念だが、それは作風上致し方ないか。
    真ん中の二作がお気に入り。
    3+

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    2016年05月10日
  • 麦酒の家の冒険

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    西澤保彦の初期作品。匠千暁シリーズの長編。
    著者の初期作品は、色々な面で、どちらかといえば斬新で、でも安定して読めるものが多い。
    このシリーズは、限定的な情報を元に酒を飲みながら大学生が半分妄想を築くように不可解な事象を解明していくものだが、そんな喜劇を、とにかく会話で押し倒す、という構造で作っているのがユニーク。
    更に、会話文が丁寧、というか決め細やかなのがよい。不必要な部分を敢えて散りばめることで、リアリティとテンポをはらんだものになっており、読みやすさを生んでいる。
    ネタや結末も、ちょっと他の作家にはない感じで魅力的だ思う。
    まだまだ未読作があるので、順次読んでいきたい。
    3+

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    2016年03月30日
  • 殺す

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    ネタバレ

    動機の異常性と終盤にかけての犯人の意外性などロジック面ではさすがの冴えを見せるのだが、如何せん「何故、殺したか?」の理由が理はあるけど、納得はしにくいという点で評価が分かれるところか。一方で、ある人物はタイトル通りに単に「殺す」だけという動きをしており、これが本当に本筋とは殆ど関係ない上にこれといった着地も見せないという凄まじい演出を取っている。敢えて意義を取るとすれば、それこそ理由があろうがなかろうが「殺す」とはこういうことだ、ということを見せたかったのかもしれないな。

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    2016年03月30日
  • モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵

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    腕貫探偵シリーズ第三作。主人公が裏側に回った長編。
    展開も人物も喜劇的で、テンポも良いので読み易い。
    思わせ振りなプロローグから、肉付けするように謎を上乗せしていき、最後まで引っ張って伏線をまとめて回収する、という構造も雰囲気とマッチしてよかった。
    強いていえば、謎解きの過程がほぼすっとばされていて、ただの種明かしになっている点は残念。
    それにしても、このシリーズは著者にしてはやけに爽やかなオチばかりで、なんだか気味が悪い。
    3+

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    2016年03月08日
  • 身代わり

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    トリックには途中で気づきましたが、これは推理を楽しむものじゃないんですね。
    大学生のキャラと彼らが推理していく様子を読んで楽しむものなんですね。
    シリーズのようなので、他も読んでみたいです。

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    2016年03月07日
  • 腕貫探偵

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    ネタバレ

    市内のあちこちに出現する「櫃洗市市民サーヴィス課臨時出張所」。相談員が殺人事件の謎から市民個人のお悩みまで的確にアドバイス。でもその先の解決は本人次第。各話の登場人物や地名が少しずつリンクしているのも楽しい。軽く楽しめる作品。ただ苗字が難読ばかりで覚えられない。

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    2016年02月21日
  • 黄金色の祈り

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    若い時期の自意識と他人視点の無さ、楽な方へ流れたい弱さ、ナルシズム、人に追い抜かされる恐怖辺りをものすごく露わに書いている小説。
    いわゆる今風の臆病な自尊心と尊大な羞恥心。

    読んでて辛いものが有りましたが、他者のこのような思考を登場人物のものとして辿れるのも小説の良さと思います。(エッセイとしてなら面映ゆくてムリかな)
    謎要素についてはオマケみたいなもの

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    2016年05月01日
  • 彼女はもういない

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    ビブリオバトルで見た。
    読みたくなって読んでみた。
    ん~、バトルで見なければ選ばないかなぁ。
    後味がよくない。
    もう一度バトル、見てみよう。

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    2016年01月05日
  • ぬいぐるみ警部の帰還

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    主人公の音無警部を筆頭に、色んな個性もった登場人物が出て来るのに、イマイチ設定が生かし切れてない気がする

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    2015年12月21日
  • ぬいぐるみ警部の帰還

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    ぬいぐるみ警部より、妄想女刑事さんやミステリオタク刑事さんの方がキャラが濃い。むしろ警部、さっさと事件解決してるのにサラッとしてます。

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    2015年12月17日
  • いつか、ふたりは二匹

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    たしかにミステリーとしては物足りない。伏線も明らかで、真相もすぐに読める。やはりジュブナイルとして読むのが正解か。

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    2015年11月26日
  • 生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿

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    〈チョーモンイン〉神麻嗣子シリーズ七冊目。今回は神麻嗣子、保科匡緒をはじめとする主要人物がほとんど出番がなく、シリーズ物としてはやや物足りなく感じました。「殺し合い」に関してはあまりにもやりきれなくて、ちょっと苦手なラストでした。やっぱり、持つならテレポーテーションかな。他所のテーブルから食べ物をテレポーテーション、食事を味わった後、食道を通るタイミングで、元の持ち主の胃袋にテレポーテーションで返す…いいじゃないですか!(笑)

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    2015年11月08日
  • スナッチ

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    突如宇宙からの未確認生命体に自我ごと体を乗っ取られた男が、31年後に自我を取り戻す。SFであるものの生きるとは何ぞやを考えさせられる。ちなみに、乗っ取られても記憶や人格はそっくりそのまま、という設定が粋。全く変わらなかろうが、身近な人間がある日を境にベツジンになる、というのはどのような感覚なのだろうか。

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    2015年09月28日
  • 解体諸因

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    安楽椅子探偵というよりは妄想探偵?(笑)
    「解体守護」がほのぼのとしていて面白かった。
    戯曲部分が読み慣れないので苦戦。
    エロ本買い漁る中年女性とかちょっとシュールな人物もいたり。。。

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    2015年09月11日
  • 探偵が腕貫を外すとき 【電子特別版】 腕貫探偵、巡回中

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    腕貫探偵シリーズ!

    連作。
    犯人がさっぱりわかる、という感じでもないので、「あくまで仮説」。でもすごい。
    探偵の登場の仕方が毎度うまいな~とおもう。メインでもなく、完璧にサブでもなく。

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    2015年09月10日
  • 完全無欠の名探偵

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    ネタバレ

     西澤保彦のデビュー二作目の作品。サービス精神旺盛な西澤保彦らしく,いろいろな要素を盛り込んでいるが,やや過剰に盛り込み過ぎており,かえって「完全無欠の名探偵」である山吹みはるの個性が生きていないのが残念
     山吹みはるが話を聞くことで,人々が勝手に記憶の糸を辿り,意外な真相に気付く話がいくつか並ぶ。そして,これと並行して,白鹿毛りんの少女時代の思い出の話が挿入される。
     さらに,白鹿毛りんが,「愛」と引き換えに能力を手に入れるというSFめいた設定まで加わり,物語全体の構成がややこしくなるが,真相はこれに輪をかけて複雑
     睡眠薬を使い,襲われたことを理由として自殺したと思われていた紫苑瑞枝は生き

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    2016年10月30日
  • 赤い糸の呻き

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    ミステリーのバリエーションの見本のようだなと思いつつ、それでもやっぱり西澤ワールドなのが……。

    一言、たぶんほとんどの読者がモン・スイユのショコラと言ってもわからないような気がするんですが。(ぶたぶたファンとしては確かに常識なんですけどね^_^;)

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    2015年09月05日