雫井脩介のレビュー一覧
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出てくる登場人物のほとんどに嫌悪感を抱く、ある意味恐怖しかない物語だった。
「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」
元裁判官の梶間勲の隣家に、
二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。
愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い。
武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴む。
しかし梶間家の周辺で次々と不可解な事件が起こり……。
人を見極める目、これは本当に難しい。
善人だと思ってた人間が裏ではクソみたいな人間だったなんてことは
相応にしてあるものだし、その見極めは簡単にわかるものではない。
人を見る目がないと落ち込むことなんてザラにある。
武内という男は本当に罪を犯していないのか、
主だってはこの点が主軸になるのだが、
物語の前半とそれ以降で登場人物たちへの印象が違うものになっていく。
簡単に言えば、梶間家の男性陣たちがクソ過ぎるという点。
だからこそ、同情という共感性が自然と女性陣に向く。
この物語の上手く出来ていた部分は、そういった点ではないだろうか。
義母の介護を一人で背負う尋恵の辛さ。
娘のまどかの育児に苦悩する雪見のフラストレーションなど
読んでいるうちに、こちらも二人に同情していく。
ある種、簡単にコントロールされていることさえ気付けない。
この物語における梶間家の男性陣と同じ体験を知らず知らずしている。
裁判官としては立派だった勲の家での無能っぷりにも驚かされた。
無関心というよりも、責任の回避でしかないムーブに
より、梶間家の二人の女性に同情してしまう。
そういった流れを積み上げることによって、
真実をぼかし最後までハラハラする展開に持っていく、
この辺の導き方が非常に巧みだったなという感想。
物語の内容もハラハラドキドキさせるもので、
あっという間に読み終えてしまった本作なのだが、
また読みたいとは何だか思えなかったのも正直な意見。
登場人物たちへの感情移入が強ければ強いほど、
何とも言えない嫌な感触が最後まで残った。 -
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隈本重邦は大犯罪人だ
死刑を求めるっ!
土岐屋吉平の会長就任反対ビラ配布は姑息な手段
こんなことがあってはならない
息子の名前が那由太って
ここに、キラキラ名前のニューウェーブが極まる
想代子の妖艶さに亡き康平、ブタ箱入り確定の隈本もタジタジ
朕も拝見してみたい
久久里窯さんのコヴァチが二つ足りないっ!
小泉窯さんの茶碗も足りないっ!
万引きされてしまったのだろう
店員はもっと目を光らせていないとダメだ~っ?
人間国宝・山本喜市の黄瀬戸を割ったのは誰だっ!?
俺は絶対に許さない…
捕まえて弁償させる
「ハルサンド」の食材産地偽装問題に鋭く追及をする週刊東西の米村
彼にかかっては秘密なんてもてないょ
最後は、嘘泣きではなく自然な涙を流す
やったね!
これで君も普通人の仲間入りだ! -
Posted by ブクログ
本作を読み終えて、どうにも胸のつかえが取れません。その最大の理由は、登場人物の造形にあるのだと思っています。
特に「息子」という存在の、あまりの薄っぺらさが気になって仕方がないのです。作中では彼がDV気質になった背景として「甘やかされて育った」というエピソードが提示されるが、私にはそれが、人物を立体的に見せるピースとしてはあまりに不十分に感じられました。彼が抱える闇や、彼に注がれる家族の視線、そして何より「息子の子(孫)」から彼がどう見えていたのか。その複雑な人間関係が、物語からはほとんど立ち上がってきませんでした。
一方で「息子の妻」には妙な納得感があります。ダメ男をナチュラルに引き寄せてしまう危うさ。彼女には、物語の登場人物を超えた生々しい実在感がありました。
妻のリアルな息遣いが伝わってきた分、他のキャラクターたちの背景が見えづらかったことが、少しだけ心残りです。物語としての厚みをもう少し感じたかった、という個人的な感想を持ちました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ曾根要介
神奈川県警本部長。
徳永一雄
神奈川2区選出代議士。国土交通相。
福間唯司
警察庁官房長。曾根にとって三期上の先輩。
仲川
曾根の同期。トップランナー。
門馬敦也
横浜市長。もともと民和党で徳永と同じ釜の飯を食ってた仲。
柴田
県遊協。神奈川県のパチンコ・パチスロ業界の代表者。
網代実光
新興IT企業「AJIRO」。AJIROホールディングス社長。ワイズマン。詐欺集団を束ねている。
本田明広
刑事部特別捜査隊隊長。
巻島史彦
神奈川県警特別捜査官。
津田良仁
足柄署の刑事課。巡査部長。
水岡勝俊
ミナト堂社長。
祐太
勝俊の息子。
砂山知樹
誘拐事件の実行犯。
砂山健春
知樹の弟。誘拐事件の実行犯。
大下
誘拐事件の主犯格。
アワノ
淡野悟志。リップマン。社本のグループの指南役。ディベロップ・サポーターズ。世界の環境問題や途上国の貧困対策に貢献している会社の資金繰りを支援するNPO法人という設定。ワイズマンの手配で朽木浩司の戸籍を得た。
社本豊
詐欺事件で摘発された。
向坂篤志
社本グループで詐欺を働いていた。殺されて、遺体の服に「RIP」の文字を残された。
秋本貴幸
捜査一課特殊犯中隊。
若宮和生
捜査一課長。
村瀬次文
特殊犯中隊主任。巻島が特殊班の担当課長代理を務めていたときから可愛がっていた中堅刑事。警部補。
松谷鈴子
特別捜査隊。
長沼真也
特殊犯中隊の主任。交渉人も務める敏腕刑事。
小川かつお
刑事特別捜査隊の巡査長。
山口真帆
刑事総務課長。
小石亜由美
特捜隊。
米村数正
捜査支援室室長。
飯原樹人
特捜隊。
古井正俊
特捜隊。
河口敬彰
山手署の刑事課員。かつおとは高卒組の同期。
青山祥平
特捜隊。かつおとは高卒組の同期。
引地和佳子
七十九歳の独居老婦人。
朽木くみ子
鎌倉の老人ホーム〔汐彩苑〕に入居している。六十九歳。アルツハイマー型認知症。
春原由香里
淡野が鎌倉のスナック〔パビリオン〕で知り合った。源氏名はユリ。
山村大介
由香里が住んでいた部屋に住んでいる。
リコ
スナック〔パビリオン〕のホステス。絵里子。
菅山渉
リコの元カレ。リコ曰く淡野に似てる。サーファー。米軍の横流し品をネットのフリマでさばいている。
越村
手配師。闇の人材派遣業者。
ポリスマン
淡野に警察の内部情報を伝えてくれる人間。ワイズマンに言われてけいさつかんになった。薮田。少年時代の名前は沼田。
松原
AJIROホールディングスの秘書室長。
井筒孝典
昨年までニュースライブのキャスターを務めていた。
杉村美央子
ニュースライブの女性キャスター。番組改編期に降板。
西出素弘
第一機動捜査隊。かつおと高卒同期。
久留須理
捜査一課第四強行犯捜査中隊。かつおと高卒同期。
藤原
中畑正興
強行犯中隊担当課長代理。
新山
亀川栄一
特殊班筆頭中隊長。警部。
戸部
かつおをいじることを趣味にしている先輩刑事。
富田
戸部の相棒。
大渕
木根貞二
特殊犯中隊長。
寺尾
渉の借金の取り立て屋。
いずみ
巻島の娘。
一平
いずみの息子。
園子
巻島の妻。
郭
中国人。日本車を中東に売りさばくルートを持っていた。
槐老人
今でもトバシ携帯や空き部屋の調達などで取引がある道具屋〔槐屋〕。今は息子が本牧界隈を転々としながら店舗を営んでいる。
佐川
大学を辞め、とにかく金が欲しいと言っていた男。
倉重将典
〔ネッテレ〕報道局プロデューサー。
竹添舞子
フリーアナウンサー。早津名奈の大学時代の一年後輩。
座間
バッドマン事件の際に出演したニュースナイトアイズのプロデューサー。
早津名奈
ニュースナイトアイズのキャスターを務めている。
槐
槐老人の息子。五十代半ば。
藤吉周良
今年の春から捜査一課のナンバー2である理事官を務めている。
岩本
刑事部長室。
長谷川
十五年ほど前の捜査一課長。
関
特捜隊の中堅。
坂倉
山手署刑事課長。
兼松
〔大日本誘拐団〕のときにも、金塊を運ぶバイクを運転した青年。
寺尾
裏カジノの借金を渉の家まで何度も取り立てに来た男。
八手
ワイズマンのグループのヒットマン。
魚住
監察官室の室長。 -
Posted by ブクログ
★3.5
面白かった。
ある家族石川家の長男が殺人事件に関わっているという。被害者なのか加害者なのかわからないまま、家族の心情が繰り広げられていくストーリー。
事件の真相や捜査の進展よりも、息子の行方が分からなくなった家族の心の揺れが物語の中心にある。
息子が見つかるまでのほんの数日間の出来事なのに、不安や希望、疑念、世間の目からの後ろめたさ等々。。。
母の立場、父の立場、妹の立場。。。
これらの感情が次々と掘り下げられて、これまた濃密な物語になっていた。
大きな展開が続くわけではないのに、
人の気持ちだけでここまで読者を惹きつけられることにとても感心しました!!
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Posted by ブクログ
ざっくりとも、どんなストーリーか知らずに読みました。
息子は加害者なのか被害者なのか、親の望みはどちらなのか。そんな話でした。
そして、それが全体の9割ずっとそんな感じで
どんどんいろんな謎が解けていくとかヒントが出てくるという感じでもなく、(物語が進むので多少はありますが。)あぁ、でもその前に読んだお気に入りの「つばさものがたり」あれも半分くらいまではあまり話も進まず日常がたんたんと書かれているような印象だった。
ラストで、話は動くのですが、息子のことがわかるのですが、わかったところで、その後の話もあまり引き込まれず。ラスト数ページが退屈に感じるのはなかなか珍しい経験でした。
ただ私も親なので、親の心情は痛いほど伝わりました。
読みやすかったので、1日で読めました。 -
Posted by ブクログ
怖いわ。
ミステリーというよりもホラー。
オバケでもゾンビでもなく、人間のホラー。
真犯人は誰なんだ?というような推理系ミステリー要素は無い。
笑顔で紳士的に振る舞う親切な隣人=武内の纏う、何か説明できない違和感。読者はそれを初めから感じている。
しかし、勲は自らが裁判官として武内に無罪の判決を下した過去を正当化するため、無意識にその違和感から目を逸らす。尋恵は義母の介護をめぐり打ちのめされた心を慰めてくれた武内を信じてしまう。唯一、その違和感に無根拠に気付いていた雪見だが、ワンオペ子育てへの疲弊と夫の無理解から、彼女の言葉を信じる者はいない。読者はヤキモキしつつ、次にどんな恐ろしい事が起きてしまうのか、恐怖しながら読み進める。
一人ひとりのキャラクターが立っていて、特に血の繋がっていない家族(義理の母、義理の姉、夫)との信頼関係の無さ、ああ、やっぱり他人なんだなと諦め力が抜けてへたり込んでしまうような、そういう尋恵や雪見の感情がものすごく伝わってくる筆力。
そのせいで序盤の物語の暗さがものすごいんだけど(笑)、その無力感が、武内の恐ろしさに見事にリアリティを与えている。
見事。
太田愛「幻夏」、NHKドラマ「テミスの不確かな法廷」など、冤罪ものに面白い作品が多いことも、この作品に魅力を与えている気がする。冤罪は良くない、けれど、逆もまた然り。そんな簡単な話じゃないわな。