雫井脩介のレビュー一覧
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構成は「引き抜き屋の苦心」「 〃 報復」「 〃 帰還」と1巻同様3章からなる。
1・2章ではコンサルタントとしての苦労が描かれている。人材確保の難しさとともに、ペアを組む相手とスタンスが違うときの苦労。
3章はフォーンの新社長を小穂が送り込むという予想通りの展開だったが、その人材が畔田でなく終盤いきなり登場した醍醐だったことと小穂と畔田に恋が芽生えなかったことは予想外だった。
守り型だった小穂が攻めの姿勢を身につけて物語は終わるのだが、大切なのは人脈であり、それを手繰り寄せるのは向上心とコミュニケーション能力であるというメッセージはよくわかった。
楽しめる作品だった。 -
Posted by ブクログ
雫井脩介さんの本は2冊目。
一冊目に読んだ「検察側の罪人」は個人的にしっくり来なかったけど、こちらはまた毛色が全く違っており、私としてはヒットでした!
病魔と戦う妹の夢を叶えるべく、家族が団結し、支える。
切ないけど家族の絆、愛情を感じることのできる温かい一冊。
ストーリーテラーは、病気で亡くなった父の夢を背負い、パティシエとして店を開くべく奮闘する小麦。家族の希望の星と言われ皆にもてはやされ、愛されながらも、闘病していることをずっと隠し続ける。
もう1人が、ズボラで頓珍漢だけど、愛すべきキャラの小麦の兄、代二郎。
彼もまた、なかなか友達を作ろうとしない内気な息子、叶夢のことが気がかり。
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ネタバレ 購入済み
身に覚えのある恐怖
引き込まれる面白さで、一気読みできた
登場人物の空回りや鈍感さには苛立つこともあるが、思い違いか?と読んでる自分が騙されることも多々あり
犯人のような執着心を持つ人物は世の中に割といるし
自分自身良かれと思った行動を受け取ってもらえず、怒りを覚えたこともあり
このような犯人の動機、言動は、異常であるが身の回りにある恐怖であり想像がついた
それにしても長男の明るさと鈍感さは、あそこまでいくと賞賛できる
途中かなりイライラしたなあ -
Posted by ブクログ
前半はオノミツが『凍て鶴』に強引でしつこく落花の会を絡めてくるのが本当に不快だった。
汚い言葉ですみませんが、本当にウザイ奴だな!!って。
落花の会が自殺願望者が集うサイトなので、いくら主宰者が人間的に魅力的だったとしても、陰鬱で読み進めるのに頭痛に似た感覚があった。
誤解を恐れずに言うと、こっちの私からすると、あっちを信奉する異常さというか。
サイトの書き込みや幹部と思われる人からのメールなど、こっちの私からすれば普通じゃないし、気持ちの悪い恐怖を覚えた。新興宗教みたいな。
でも自殺願望が今や過去にあった人にとっては、知らず知らずのうちに引き付けられて、どっぷり浸かってしまうんだろうな