雫井脩介のレビュー一覧

  • 引き抜き屋(2)鹿子小穂の帰還

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     構成は「引き抜き屋の苦心」「 〃 報復」「 〃 帰還」と1巻同様3章からなる。

     1・2章ではコンサルタントとしての苦労が描かれている。人材確保の難しさとともに、ペアを組む相手とスタンスが違うときの苦労。
     3章はフォーンの新社長を小穂が送り込むという予想通りの展開だったが、その人材が畔田でなく終盤いきなり登場した醍醐だったことと小穂と畔田に恋が芽生えなかったことは予想外だった。 

     守り型だった小穂が攻めの姿勢を身につけて物語は終わるのだが、大切なのは人脈であり、それを手繰り寄せるのは向上心とコミュニケーション能力であるというメッセージはよくわかった。
     楽しめる作品だった。

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    2021年10月11日
  • 引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険

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     引き抜き屋を扱ったお仕事小説。「引き抜き屋の代理」「 〃 微笑」「 〃 冒険」の3章構成。  

     雫井作品は硬軟の幅が広い。
     本作は第1章の読み始めがどろどろした権力闘争中心のハードな作りだったが、並木登場からコミカルなシーンが適度に入った、軟寄りで軽めのテイストだとわかった。

     そこそこのお嬢様の成長物語で楽しめる。

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    2021年10月12日
  • 犯人に告ぐ 上

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    ネタバレ

    久しぶりに一気読みの警察小説
    巻島の娘が亡くならなくて本当に良かったが、、、
    曾根は一癖アリ、植草も公私混同。。どうなることやら。

    下巻も楽しみ。

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    2021年10月03日
  • つばさものがたり

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    パティシエになるため頑張っていた小麦が癌に冒される。
    そんな小麦は実家に戻り、母と義姉とケーキ屋を始めるが。
    天使が見える甥の叶夢。
家族と一緒に最後の炎を輝かせる。
    前半の負の連鎖を描くシーンは読んでいて辛かった。
    最後は通勤電車の中で読んでいて、涙が出そうになり読むのをやめてしまった。

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    2021年09月08日
  • つばさものがたり

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    叶夢には天使が見える。これは生まれた時かららしい。パティシエの叔母がケーキ屋を開いた。叔母は病気が再発していた。叶夢や叔母の小麦そしてその家族が協力しあい小麦を支える。天使のレイ、小麦を何とかして、、と思ったが、、

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    2021年07月25日
  • つばさものがたり

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    雫井脩介さんの本は2冊目。
    一冊目に読んだ「検察側の罪人」は個人的にしっくり来なかったけど、こちらはまた毛色が全く違っており、私としてはヒットでした!

    病魔と戦う妹の夢を叶えるべく、家族が団結し、支える。
    切ないけど家族の絆、愛情を感じることのできる温かい一冊。

    ストーリーテラーは、病気で亡くなった父の夢を背負い、パティシエとして店を開くべく奮闘する小麦。家族の希望の星と言われ皆にもてはやされ、愛されながらも、闘病していることをずっと隠し続ける。
    もう1人が、ズボラで頓珍漢だけど、愛すべきキャラの小麦の兄、代二郎。
    彼もまた、なかなか友達を作ろうとしない内気な息子、叶夢のことが気がかり。

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    2021年07月13日
  • ビター・ブラッド

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    以前の雫井脩介さんの作品とは一味違ったコメディ感溢れる警察小説です。主人公の佐原夏輝は、嫌っている父の職業である警察官の道に進むのだが、配属された警察署には少年時代に離別した父・島尾明村が、署内では”ジェントル”と言う渾名で呼ばれ任務にあたっていた。
    或る日、捜査一課係長・鍵山が何者かによって殺害された。警察内部の犯行が疑われ、お互い疑心暗鬼になっていく中、新入りの夏輝は事件の真相に迫る。
    こんな感じの内容なので気になる方は是非、手に取ってみて下さい。

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    2021年07月05日
  • 栄光一途

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    ー 真実とはすなわち、百パーセント信じ切る心理状態の対象物でしかないのよ。あなたの内面の極めて主観的な問題なの ー

    オリンピックを目前に控えた柔道界のドーピングをめぐる物語。

    後半のもやもや感が凄い。
    タイトルが皮肉でしか無い。

    ミステリーとして好きなスタイルではないけれど、小説としては好き。

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    2021年07月03日
  • つばさものがたり

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    パティシエの女性・小麦のお話
    地元に戻ってお店をひらくのですが・・・
    天使のレイが見える叶夢が物語に絡んできて

    ちょっと悲しかったです

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    2021年06月06日
  • クローズド・ノート

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    ネタバレ

    香恵は主体性がないと言われがちだけど、天然で憎めない可愛らしさをもつ普通の女子大生。親友の葉那ちゃんが留学してしまってから、寂しさと物足りなさを感じながらアルバイトに勤しむ中で、前の住人が置いていったノートと、ある男の人と出会うという物語。
    香恵の日常と伊吹先生のノート、二つが交互に進んでいく話なのだが、中弛みもなく引き込まれるストーリーだった。特に、伊吹先生のノートの言葉がなんだか血が通っているというか、とても温かみがあるのだが、巻末を読んで衝撃を受ける。心が疲れた時に読みたくなる、素敵な作品だった。

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    2021年05月29日
  • つばさものがたり

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    ︎ いつも読む事件ものとは趣向が違えど、さすが雫井さん作品。天使とパティシエの世界を絡める構成がすごい。主人公の苦悩や周りの人達の温かさに触れラストは涙なしには読めませんでした。

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    2021年05月18日
  • 栄光一途

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    柔道の若い女性コーチが主人公
    オリンピック出場を目指す二選手にドーピングの疑いがありその調査をまかされる
    調査しながらもいろんなことが起こっていた

    柔道の試合の描写などはすごかったです
    あんまり想像はできませんでしたが

    終盤の経過はまたいろいろと大変でした

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    2021年05月03日
  • 火の粉

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    身に覚えのある恐怖

    引き込まれる面白さで、一気読みできた
    登場人物の空回りや鈍感さには苛立つこともあるが、思い違いか?と読んでる自分が騙されることも多々あり
    犯人のような執着心を持つ人物は世の中に割といるし
    自分自身良かれと思った行動を受け取ってもらえず、怒りを覚えたこともあり
    このような犯人の動機、言動は、異常であるが身の回りにある恐怖であり想像がついた
    それにしても長男の明るさと鈍感さは、あそこまでいくと賞賛できる
    途中かなりイライラしたなあ

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    2021年03月21日
  • ビター・ブラッド

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    ネタバレ

    2021/3/17
    なんか久しぶりに直球の小説を読んだ気分。
    正統派の。みたいな。落ち着く。
    ちょっと人が死にすぎるけどな。
    相星は残念やわ。
    相星はもっと見たかった。
    彼が主役の小説書いて欲しいくらい。
    出てくる人で一番魅力的やったのに。
    あと警察が犯人の話はやっぱり胸糞悪いけど、煮えたぎってくるような怒りじゃなかったのはそこまで入り込んでなかったからやね。
    足攣ったってのはマジなのか。

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    2021年03月17日
  • 検察側の罪人(下)

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    本当の正義とは?善と悪の境界線。沖野の最後の叫び。結局何が正解だったのか?考えさせられる物語でした。

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    2021年03月14日
  • クローズド・ノート

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    物語が繋がった時、失われた人の空白の大きさに切なくなった。「今が幸せだ」という伊吹先生。その1年の締めくくりである、子供達とのお別れの日にこの世を去る事になって、どれほど無念だったろう。1人1人の顔を見て進級する子供達の背中を押したかったろうな。
    想いの人との距離もあと少しだったのに、思いの丈を伝える事なく死別だなんて夢にも思わなかったろう。
    何もかもこれからという、未来ある人だったのに。

    ノートを読んだのが彼女で良かった。
    失った人は戻らないけど、想いや気持ちは繋いでいける。

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    2021年02月25日
  • 犯罪小説家 <新装版>

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    前半はオノミツが『凍て鶴』に強引でしつこく落花の会を絡めてくるのが本当に不快だった。
    汚い言葉ですみませんが、本当にウザイ奴だな!!って。

    落花の会が自殺願望者が集うサイトなので、いくら主宰者が人間的に魅力的だったとしても、陰鬱で読み進めるのに頭痛に似た感覚があった。
    誤解を恐れずに言うと、こっちの私からすると、あっちを信奉する異常さというか。

    サイトの書き込みや幹部と思われる人からのメールなど、こっちの私からすれば普通じゃないし、気持ちの悪い恐怖を覚えた。新興宗教みたいな。

    でも自殺願望が今や過去にあった人にとっては、知らず知らずのうちに引き付けられて、どっぷり浸かってしまうんだろうな

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    2021年02月23日
  • 検察側の罪人(下)

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    ネタバレ

    ストーリーはかなり良かったけど、裏でじわじわ最上を追い詰めていくのが単調に感じたから中盤でも盛り上がるところが欲しかった。でも事件が解決しないモヤッとするようなところは無かったから◎

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    2021年02月17日
  • 望み

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    読みやすかった

    最初から割と入りやすく読みやすかった。
    事件の展開がと言うより犯罪者家族になったらという人間心理の話がメイン。

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    2021年02月02日
  • 虚貌(下)

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    上で色んな人が出てくるの珍しいなと思ったら、そういうことか〜!やられた!
    犯罪小説でこの手法は賛否あったみたいだけど、雫井さん本当に面白いもの書くなぁ。

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    2021年01月20日