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Posted by ブクログ
久々の星5でした。
下巻では徐々に追い詰められる最上の状況が素晴らしい。
刑事もの、法廷ものでよくある決定的な証拠を見つけて、法廷であなたが真犯人だ!みたいな感じになるのかなと思いましたが、状況証拠をさがして、そこからは警察が動くリアリティのある内容が逆に良かった。
どんでん返しや最後にスッキリ終わる刑事ものではなく、最後は切なく悲しい終わり方も雫井侑介さんの素晴らしいやり方だと思います。
最初は仲が良くなかった最上家も最後の方は悲しい状況で奥さんが頑張って支えようとしてるところや、石狩鍋を食べたくても食べれないところなど涙が止まりませんでした。
最上が捕まることで、ザマァ見ろと思えるかと思いましたが全然違います。
彼は彼なりに正義を貫いた、法的には間違ったかもしれないが、正義を貫いたところが人として男としてとても魅力的だと思います。
沖野のやり場のない気持ちも心に刺さります。
これから映画を見ようと思います。
このストーリーより心情をテーマにしている小説を実写化で2時間の短時間で表現できるのか不安です。
見ない方が良かったと思うかもしれませんが、見てみようと思います。
追記)
映画を見ました。本当に残念です。
映画の感想をここに書くのは間違っていますが、原作を読んでいないと分からないところ多数。
沖野や最上の心情が全然ダメ。
映画は星二つ。キムタクがかっこいいだけ。
Posted by ブクログ
かなり食わされた気持ちで読み終えた
最初は最上のことが理解できないと言うかそこまで熱くなるものがあるのかと思ったけど、将来がほとんど約束されている検察官だったが故に、その選択をせざるを得なかったんだというのを、下巻まで読んでやっと納得しました
代償を払わせると言うことは自身も同じ大きさの代償を払うということ…それは法の遂行が不可能だから。正義は法の遂行であると言うが
法の遂行でしか人を制裁することができないのか。またその制裁は果たして誰にとっての正義なのか?
考えて考えて行き着いた先が、時効を過ぎた人間を制裁することはおそらくできない。
自分が信じる“正義”を貫いてるはずなのに否応無しに心を突く無力感。
法をもって裁きを人に与えることだけが、果たして“正義”であるといえるのか
悔しさの残る、でも多分どんな結果だとしても、濁りが残る、物語だった
Posted by ブクログ
蒲田で起こった老夫婦刺殺事件の容疑者のひとりの名前を見て、検事の最上は強く記憶を刺激された。最上が学生時代にお世話になった寮の管理人の娘が殺された事件で重要参考人となりながらも、逮捕されることのなかった男だったからだ。この男は裁かれなければならない、と怒りを燃やして行動する最上に、彼に憧れていた若き検事は違和感を覚え、徐々に強固だった『正義』という足場は揺らいでいく――。
試されているのではないか、と読んでいる途中、ふとそんなことを考えてしまいました。読者である私たちは、検察側の〈罪〉を知っているからこそ、〈冤罪〉の可能性に強くよりかかることができるわけですが、それを知らない状況で、松倉という人物の情報だけを聞かされたら、そんなふうによりかかることはできるだろうか、と。決してすべてが清廉潔白とは思えないそのキャラクター像が秀逸で、心理は描かれず、しこりの残るラストの若干の不気味さも印象的でした。検事ふたりの感情がつぶさに描かれているからこそ、より印象に残ったのかもしれません。
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