あらすじ
人が人を裁くとは? 雫井ミステリーの最高傑作
23年前の時効事件の犯行は自供したが、
老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。
検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、
新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。
しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、
最上と袂を分かつ決意をする。
慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨編!
解説・青木千恵
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
久々の星5でした。
下巻では徐々に追い詰められる最上の状況が素晴らしい。
刑事もの、法廷ものでよくある決定的な証拠を見つけて、法廷であなたが真犯人だ!みたいな感じになるのかなと思いましたが、状況証拠をさがして、そこからは警察が動くリアリティのある内容が逆に良かった。
どんでん返しや最後にスッキリ終わる刑事ものではなく、最後は切なく悲しい終わり方も雫井侑介さんの素晴らしいやり方だと思います。
最初は仲が良くなかった最上家も最後の方は悲しい状況で奥さんが頑張って支えようとしてるところや、石狩鍋を食べたくても食べれないところなど涙が止まりませんでした。
最上が捕まることで、ザマァ見ろと思えるかと思いましたが全然違います。
彼は彼なりに正義を貫いた、法的には間違ったかもしれないが、正義を貫いたところが人として男としてとても魅力的だと思います。
沖野のやり場のない気持ちも心に刺さります。
これから映画を見ようと思います。
このストーリーより心情をテーマにしている小説を実写化で2時間の短時間で表現できるのか不安です。
見ない方が良かったと思うかもしれませんが、見てみようと思います。
追記)
映画を見ました。本当に残念です。
映画の感想をここに書くのは間違っていますが、原作を読んでいないと分からないところ多数。
沖野や最上の心情が全然ダメ。
映画は星二つ。キムタクがかっこいいだけ。
Posted by ブクログ
後半戦もすごい展開。検察と弁護士のやり合いというか、真相に近づいたときの沖野の葛藤などは読んでいて感情移入してしまった。映画になっている作品なので、映像ではどのようになっているのか、原作を読み終わった今だからこそ観たいと思った。
Posted by ブクログ
かなり食わされた気持ちで読み終えた
最初は最上のことが理解できないと言うかそこまで熱くなるものがあるのかと思ったけど、将来がほとんど約束されている検察官だったが故に、その選択をせざるを得なかったんだというのを、下巻まで読んでやっと納得しました
代償を払わせると言うことは自身も同じ大きさの代償を払うということ…それは法の遂行が不可能だから。正義は法の遂行であると言うが
法の遂行でしか人を制裁することができないのか。またその制裁は果たして誰にとっての正義なのか?
考えて考えて行き着いた先が、時効を過ぎた人間を制裁することはおそらくできない。
自分が信じる“正義”を貫いてるはずなのに否応無しに心を突く無力感。
法をもって裁きを人に与えることだけが、果たして“正義”であるといえるのか
悔しさの残る、でも多分どんな結果だとしても、濁りが残る、物語だった
Posted by ブクログ
【法定サスペンス】【ヒューマンドラマ】【社会ミステリー】
面白かったです。読み応えがありました。
ただ最終章が呆気なく終わったので、少し物足りなかったです。
それでもまたいつか再読したい本になりました。
Posted by ブクログ
蒲田で起こった老夫婦刺殺事件の容疑者のひとりの名前を見て、検事の最上は強く記憶を刺激された。最上が学生時代にお世話になった寮の管理人の娘が殺された事件で重要参考人となりながらも、逮捕されることのなかった男だったからだ。この男は裁かれなければならない、と怒りを燃やして行動する最上に、彼に憧れていた若き検事は違和感を覚え、徐々に強固だった『正義』という足場は揺らいでいく――。
試されているのではないか、と読んでいる途中、ふとそんなことを考えてしまいました。読者である私たちは、検察側の〈罪〉を知っているからこそ、〈冤罪〉の可能性に強くよりかかることができるわけですが、それを知らない状況で、松倉という人物の情報だけを聞かされたら、そんなふうによりかかることはできるだろうか、と。決してすべてが清廉潔白とは思えないそのキャラクター像が秀逸で、心理は描かれず、しこりの残るラストの若干の不気味さも印象的でした。検事ふたりの感情がつぶさに描かれているからこそ、より印象に残ったのかもしれません。
Posted by ブクログ
最上がしたことはやりすぎのように思っていましたが、最後に松倉が出所祝いの会を楽しんでいるのを読んで、複雑な気持ちになりました。正義とは何か、考えさせます。
Posted by ブクログ
小兵が大関を倒すような展開は爽快感もあり後半は一気に読んだ。
しかし、やりきれない。
登場人物がそれぞれ苦しい。
どう見ても犯人ではない容疑者を上司の命令で厳しく追及しなければいけない若手検事、
知人の娘を殺され、その犯人は捕まらずその無念を抱えたまま過ごさなければならない、上司、
過去に罪を犯したものの、身に覚えがない事件について犯人と決めつけられ、厳しい追及を受ける容疑者、
誰もが、冷酷な面や優しい面、哀れな面が垣間見え、わかりやすい感情で登場人物を追うことができない。
1つの決定で多くの人のその後の人生が変わる裁判。歯車が狂うのは簡単で、取り返しはつかない。
若手検事も、上司の検事も、そうするしかなかったといえる決断をしている。
でもこの先も本当にそれでよかったのだろうか、と自らに問い続けるのだろう。
Posted by ブクログ
最上さん、流石にそれはやり過ぎだろう!
と、呆れて終わった上巻から続けて読んだが、雫井さんの素晴らしい文章にどんどん引き込まれて、最後は寝不足になるくらい一気読みでした!
Posted by ブクログ
頭の中で、沖野はずっとニノ。沖野が最上を信頼してるときの無垢な表情や真相に近づいてきたときの苦悩してる表情、映画は観てないけど目に浮かぶようです。
無罪になって松倉と再会したが、その松倉の態度がもう腹立つ。また罪を犯しそうな気さえするし、だから沖野も「何か間違ったことをしたのだろうか」と悩んでしまう。法的には正しいのに、何か釈然としない気持ち。
沖野のせつない気持ちに泣きそうになった。
Posted by ブクログ
ストーリーはかなり良かったけど、裏でじわじわ最上を追い詰めていくのが単調に感じたから中盤でも盛り上がるところが欲しかった。でも事件が解決しないモヤッとするようなところは無かったから◎
Posted by ブクログ
面白かった。下巻はどうなるのかハラハラしながらページを読み進めた。検察官の正義、検察官だからこその犯罪、沖野には真相に近づいて欲しくないという思ってしまい、最上は彼に真相を突き止められることを早い段階で予期していた感じもある。松倉を無罪にした沖野は罵声を吐かれて、再び心情的には最上の犯した犯罪の意味を理解したのではないだろうか。最上には情状酌量された刑罰を、そして無罪となったが23年前に犯罪を犯した松倉には天罰がくだることを祈るばかりだ。
Posted by ブクログ
ベテラン検事と若手の検事との意見の食い違いから起こる物語。
仕方なく殺人を犯した検事である最上に対し同調する気持ちと、それを法律という正義で対立していく沖野といった、2つの正義がぶつかり合うという矛盾。現実でもそのような「矛盾」した事件は多く報道されるので、考えさせられる部分も多くありました。
何が「正義」で何が「悪」なのか答えを出す事は難解ですが、自分なりに考察してみようと思います。
またマイケル・サンデスの「これからの正義の話をしよう」という本の内容と照らしながら読むと良いかもしれません。
Posted by ブクログ
最上毅
東京地検の検事。
沖野啓一郎
司法制度改革によって始まった法科大学院を経ての新司法試験に合格した事実上の第一期。最上の部下である新人検事。
前川直之
弁護士。最上が学んだ市ヶ谷大学法学部の同期で、同じ北海道出身。同じ学生寮「北豊寮」に住んでいた。最上より一つ年上。月島に小さな事務所を構えて、民事・刑事問わず細々とした仕事を請け負っている。いわゆる街弁。胃癌で胃を半摘した。
久住理恵
最上たちが世話になった「北豊寮」のおかみさん。
久住義晴の妻。癌を患い、死去するが、最上は葬儀には行かなかった。
久住義晴
東京都文京区根津にある「北豊寮」の管理人。かつて寮を所有する会社に勤めていたが、作業中の事故で身体を痛めてリタイアし、寮の管理人となった。二年前に他界。
久住由季
久住義晴・理恵夫妻の一人娘。最上が寮生活を送っていた頃、勉強をよく見ていた。最上が卒業して四年後に殺された。二十三年前、当時中学二年生。
水野比佐夫
「北豊寮」の先輩。通信社の政治記者から、週刊誌の契約記者になった。週刊誌『週刊ジャパン』の記者として、老夫婦刺殺事件に関する記事を執筆。
末入麻里
沖野の同期の東京地検・検事。去年刑事部に配属され、四月に公判部に移った。
三木高弘
沖野の同期の東京地検・検事。去年刑事部に配属され、四月に公判部に移った。
栗本政彦
沖野の同期の東京地検・検事。公安部に所属。
橘沙穂
沖野と一緒に仕事をする立会事務官。沖野より三つ若い。優秀な事務官で、沖野は信頼を寄せる。
諏訪部利成
美術品や宝飾品から拳銃まで、闇社会の取引に関わっているブローカー。最上に依頼され、拳銃マカロフを手配する。
北島孝三
女性関係のトラブルで、嫉妬に駆られ、一方の男に暴行を働いた。
中崎真一
北島の共犯者。個人的に金銭を巡るトラブルで被害者に恨みを持っていた。
小池孝昭
弁護士。大学時代の友人。大手弁護士事務所「三田村・ジェファーソン事務所」につとめる弁護士。
丹野和樹
大学時代の友人。元弁護士。与党・立政党より立候補し代議士に転身。立政党の大物政治家・高島進の娘婿。闇献金疑惑事件で追い込まれ、自殺する。妻・尚子との間に中学生の息子・正がいる。
高島進
立政党の大物政治家。次期首相候補の筆頭。
最上朱美
最上の妻。韓流ドラマのファンで、よく韓国に旅行へ行く。
最上奈々子
一人娘、女子大生。名古屋の高校を卒業後、東京の女子大の大学生となる。
長浜光典
最上の相棒の事務官。三十代半ば。
青戸公成
警視庁刑事部捜査一課七係の係長。警部。
都築和直
七十四歳。大田区蒲田六郷の自宅室内で刺殺された被害者。アパートや貸家を持っており、家賃は手渡しでもらっていた。何人かの知り合いに金を貸しをしていた。
都築晃子
七十二歳。夫とともに、縁側に面した廊下で刺殺された被害者。
原田清子
都築晃子の妹。刺殺された夫婦の第一発見者。姉とは週に一度ほどは電話でやり取りをし、月に一度くらい会っていた。川崎大師に住む。
林
蒲田署署長。
北野
蒲田署副署長。
山瀬
蒲田署刑事課長。
松井
警視庁捜査一課長。
田名部
警視庁刑事部捜査一課、管理官。二十三年前、女子中学生絞殺事件の捜査を担当していた。
脇坂達也
東京地検の最上の上司。刑事部の副部長。
松倉重生
老夫婦刺殺事件の容疑者。六十三歳。二十三年前に起きた女子中学生殺人事件で、真犯人に一番近い男と目されたものの、決め手の証拠がなく、逮捕を見送られた。リサイクルショップでアルバイトをしている。
稲見
二十三年前の事件当時、学生住人四人のうちの一人。四年生で就職活動のために残っていたが、当日は風邪で寝込んでいた。
高田憲市
二十三年前の事件当時、「北豊寮」の二階の二〇三号室(久住由季の部屋の真上にあたる)に住んでいた人物。板金工場に勤める四十代の男。松倉重生の勤め先の同僚。松倉はよく高田の部屋に遊びに来ていた。
大橋
二十三年前の事件当時、「北豊寮」の二階の二〇二号室に住んでいた。
谷川
二十三年前の事件当時、「北豊寮」の二階の二〇七号室に住んでいた。
柏村
松倉が場外馬券売り場で知り合った友人。湯島に住む八十歳の独居老人。
小杉祐吉
窃盗や障害の前科がある。
宮島
関口
内藤
片山
和田
森崎
警部補。大田区蒲田で起きた老夫婦刺殺事件の松倉重生容疑者の取調担当。
入江圭三
大井競馬場で会う都築和直の競馬仲間の一人。
弓岡嗣郎
五十八歳。刺殺された都築和直の競馬仲間の一人板前だそこそこ繁盛したた店に雇われていたが、競馬中継が始まると仕事をほったらかすてしまうためクビになった。
尾野治子
七十代後半の老婦人。
加納
当番弁護士。六十歳。司法修習は最上の九期上。検事は十年前に辞めている。
矢口昌広
弓岡嗣郎と見られる相手として焼き鳥屋で飲んだ人物。三十八歳。手癖が悪く、窃盗の前科があり、今回も置き引きの現行犯で捕まった。
最上清二
叔父。七十七歳。叔母はすでに他界し、最上毅と同年代の息子は埼玉で所帯を持っているため、小田原に一人で住んでいる。最上毅が「キャンプ」と偽って、車やシャベルなどを借りる。最上義一の弟。
最上義一
最上毅の父。妻が他界した後は札幌の老人ホームに入り、札幌に住む弟夫婦が面倒を見ている。
岡田
弓岡の競馬仲間。
小田島誠司
老夫婦刺殺事件の裁判で松倉重生被告の国選弁護士となる。弁護士になって三年目。
浅草橋にて小田島法律事務所を経営。幼い子どもが1人いる。
間宮
連続強盗殺人の被疑者。
永川正隆
東京地検刑事部のトップ。刑事部長。
酒井達郎
東京地検公判部の副検事。
大滝
裁判長。
和泉三郎
二十三年前の女子中学生絞殺事件で、捜査一課の警部補で取り調べを担当した。元刑事。
小田島昌子
小田島法律事務所の事務員として働いている。
白川雄馬
刑事弁護の世界でいくつもの無罪を勝ち取り、その名をもじって“白馬の騎士”あるいは“無罪職人”などの異名で知られるベテラン弁護士。マスコミをうまく使って捜査のずさんさを訴えることで、世論の流れを変え、裁判の勝利につながる。人権派の弁護士の第一人者。小田島が憧れている弁護士。松倉の弁護団に加わる。
船木賢介
「週刊平日」の記者。小田島、白川に協力する。
岩崎美和
殺された都築夫妻の一人娘。
北山光明
高島進や丹野和樹の顧問弁護士として表に出ていた。
石塚昭二
最高検。
Posted by ブクログ
最上検事が、松倉に制裁を科すために罪を犯した理由について、もっと深い背景があったのだと思っていた。最後にそこに関するドラマチックな描写があると期待していたが。
Posted by ブクログ
下巻に入ってからも怒涛のスピードで展開していったが、クライマックスはなんだか拍子抜けのように感じてしまった。もう少し濃い内容を期待してしまった。
これは勝手に期待した私が悪いのです。
総じては面白かったと思う。
疑問は何故上下巻にしたのだろう?
Posted by ブクログ
社会の構造を描写し、読者は物語の続きが気になる。それは良いんやけど、その「社会」が誰もが気付いている当たり前のところに焦点当てるのがもったいないと思った。もっと斬新な角度だともっとおもしろかった。
善と悪のグレーゾーン。これは近年子供向け作品でも取り上げられている話題だと思う。「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」でも、悪役はそれぞれの背景があってそうなってしまう。
ただ、登場人物「松倉」は最後までクズで、モヤっと。
Posted by ブクログ
前半に比べて後半の方が面白かった。
尊敬する先輩検事の最上に付き、がむしゃらにやって来た沖野だったが、ある時から最上に対しての不信感が止められなくなる。
結局、沖野は検事を辞めることになる。
そこから、最上に対抗する道を選ぶ。
正義を信じてのことだったが、その先にあったラストは本当に求めていたものだったのか…
2024.4.9
Posted by ブクログ
加害者に更生の機会が与えられるのは、性善説がベースになっているから。さらに、育った環境や社会が悪いと甘やかし執行猶予を付けるのも量刑の相場となっている。
そうした反省なき犯罪者の多くが、安易に再犯を重ね新たな被害者を生み出す。
しかし、なぜこれ程加害者に優しい社会を維持する必要性があるのか、真剣に考えて欲しい。この仕組みで得をするのは、加害者と弁護士くらい。彼らは雇主と顧客の関係なので、再犯すればするほど、仕事が増えていく。そして、損をするのが被害者家族。死人に口なしとばかり、裁判でありえない抗弁をされたり、例え勝訴しても故人が生き返るわけでもなく、賠償金すら払われないケースさえある。このように被害者ではなく加害者側にとって有利な社会のまま放置するのにはわけがある。(人権を錦の御旗にする)弁護士にとっての人権という名の金づるは加害者であって被害者ではないから。もちろん彼らは、犯罪者の減刑のために雇われているので、被害者側の悲しみや苦しみを無視し、姑息な法廷戦術を平気で行う。仕事とはいえ、そこでは一般社会にあるべき良心や正義など期待できない。
ってことで、このまま加害者優先社会でいいのだろうか?少年法や心神喪失による減刑などのあり方を含めて改めて問うべき。もちろん冤罪を防ぐための努力は必要です。
さて、「正義とは何か」をテーマにした本書。下巻では、証拠捏造と殺人というワイルド7顔負けの私刑を行った検事の「正義」が問われる。結末は想定内だが、最終章が読ませる。とはいえ、沖野の最上弁護申し入れはやりすぎでしょう。
おまけで星3つ。
Posted by ブクログ
下巻はテンポ良くあっという間に結末まで行きました。でも一番最後の方でまた一番最初の読みにくさに戻った?クライマックスからエンディングまでが長いと言うのかな、、そこがよかったらもっと星が多かったです。
Posted by ブクログ
例えどのような背景があろうと、法曹界にいる人が私的に犯罪者に制裁を加えることはあってはならないと思う。
前半で早々に全てのネタを開示しているので単純でなはい結末を期待したのですが、こんなありきたりの展開で終わるなんて、、、
Posted by ブクログ
202103
下巻が圧倒的によい。上巻のありきたり感がもったいないな。人間味あふれるし、人としての葛藤や良心、それを支える家族、実は心が繋がってた。そんなもん。今の見た目だけ仲良く見える家族なんて、上辺だけだよな。
Posted by ブクログ
人の数だけ正義の形があり、例え家族であっても自分の正義と他人の正義が同じとは限らない。自分の正義を貫く事にとらわれすぎると、他人を傷付けたり相手の人生を変えてしまう事もある…その先に残るのはきっと罪悪感や後悔なのだと思いました。相手の正義を受け入れ、その形に歩み寄る柔軟さがあったとしたら、もっと平和な世の中になるのかなぁ…。
Posted by ブクログ
古本屋さんで目についから買った一冊。
上巻下巻通して中盤からだんだん興味が湧いてくる展開だった。
殺人を犯してまで貫く正義は正義でないと思うが、殺人を犯してまで罪を罰したい気持ちはなんとなくわかる。
ラストはスッキリしなかった。
単純に考えると罪を犯してない人は無罪、罪を犯した人が捕まるという事だけど、そこにその人に対する感情などが加わると、無罪の人には負の感情で罪を犯した人には同情のような感情が出てくる。
そうゆう意味でスッキリしない。
正義とは何かを考えた小説でした。
Posted by ブクログ
最後、沖野の咆哮が全てを物語っている。最終的に幸せになったものがいない。しかし読んだ後の嫌な感じはなかった、何とも言えない割り切れなさはあったが・・・ 最上が一線を越えてしまった理由も正義を貫く検事だからこそ、その後の葛藤もしっかり伝わってくる展開であった。 沖野も悩みながら弁護側につきながら冤罪を晴らすがこれまたすっきりした終わりにはならず老婆心ながら沖野の将来が心配になる。 映画も観たが、やはり原作の方が良いかな★★★☆☆