雫井脩介のレビュー一覧
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さて、下巻。
ようやく明らかになるワイズマンの計画。上巻でちょこっと出て来ていた捜査一課が犯した禁忌に付け込まれる。
若宮って組織を束ねる課長としては共感できるタイプだったので、いささか気の毒、その後の姿はかなり残念。
一気に読ませる作者の筆力は流石だが、秋本の二転三転や淡野の不用意な行動などここでも都合よく進んで気になるところはあり。
淡野の人物像について、上巻の感想に「やや冗長とも思えた」と書いた、そのくどいくらいの描写がここでは活きてきたようにも思ったが、反面、その悲哀に焦点があたり、巻島vs怜悧な天才詐欺師という構図の緊迫感は薄れた。
★★★★にしたけど、3.5くらいの心持ち。 -
Posted by ブクログ
本格的に劇場型捜査が始まった下巻。
犯人が見え隠れするも一筋縄ではいかない場面にモヤモヤしながらも、展開が気になってサクサク読めた。
最初は協力的だったテレビ局も捜査が進展しない状況に不満を募らせ、視聴者からの批判も相次ぐ。そこに自分や組織の保身しか考えていない上司からの圧力や妨害もあり、巻島がまた潰れてしまうのではないかと不安が生じたが、6年前とは違う踏ん張りを見せる!
己の欲望から暴走する年下上司をスパッと黙らせる巻島と、津田長の言葉はよかった。
犯人に繋がるきっかけはちょっと拍子抜けしたけれど、後半はさらに騒動が1つ増えて盛りだくさんで、前半にも少し登場した小川かつおが再び活躍。実際 -
Posted by ブクログ
はじめての雫井脩介さん作品。
豊川悦司さん主演で映画化もされているみたい。
「劇場型捜査」という斬新なやり方で犯人逮捕に挑む過程や主人公:巻島が実直に犯人逮捕に取り組む姿が良かった。
上巻は、劇場型捜査が始まる前の地盤固め的な話がメインに感じられ、6年前の巻島の失態がどのようなものだったかも詳細に描かれている。曾根や植草といった残念な上司もいれば津田長のような人格者もいて、勉強になる。劇場型捜査を始めるにあたって事前に被害者遺族に誠意を伝えに行った津田長の姿がさすがで、巻島が信頼を寄せるのも納得した。
上巻の最後、上司:植草の行動が何やら怪しすぎる…
下巻で捜査に影響してくるのか、やめて