雫井脩介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
天使が見えるという男の子(叶夢)、闘病しながら夢を叶えようとする叔母(小麦)、そしてその家族の物語。
天使の世界観の作り方などは、どこか児童文学的な要素もあって、独特の雰囲気だった。また、天使の存在について、現実だと思わせる描写を重ねつつ、最後まで妄想である可能性も残しているように思えた。特に、叶夢が小学生になり、天使と会う機会が減ったことは、成長につれて、幼い頃にあった不思議な錯覚が減っていく、現実的な描写にも感じる。
小麦の行動について、若くして尽きる自身の人生に納得するためには、あのくらい行動して、周りを巻き込み、何かを残したという実感が必要だったのだと思う。 -
Posted by ブクログ
雫井修介、直木賞候補作。
老舗陶磁器店『土岐屋吉平』の息子・久野康平が殺された。犯人は、康平の妻・想代子の元カレ・隈本。
想代子を康平に取られた腹いせに、殺害したものと思われていたが…
『想代子に頼まれて、康平を殺害した』と、発言する。
想代子に対して、疑いの目を向ける、康平の母・暁美…
想代子がほとんど語らない…
何を考えているのかがわからない…
暁美はどんどん想代子への疑いを強めていく。
姉・東子の存在、発言も暁美の疑いを強めていく。
想代子は想代子で何も言わない,何もしない…
結局は何もない…
ただ何もしなかっただけだった…
何かモヤモヤしたまま。
何か靄がかかったまま終わってし -
Posted by ブクログ
ネタバレ種村
家を新築しようとしている夫婦。
石川一登
建築家。埼玉県戸沢市の緩やかな丘陵地に住まいと仕事場がある。家の離れを事務所にして、アシスタントの梅本と二人で仕事をする。
梅本克彦
一登のアシスタントスタッフ。
高山
高山建築の社長。一登がよく仕事を依頼する施工業者。
石川貴代美
一登の妻。もともと建築雑誌の編集者をしていて、一登と知り合った。今は会社を辞め、フリーの校正者として細々と活動している。
石川規士
一登と貴代美の息子。高校一年生。中学時代はサッカーのジュニアユースの武州戸沢FCに所属していた。高校の部活でサッカーを続けていたが、紅白戦で後ろからタックルを受け、膝の半月板損 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巻島史彦
神奈川県警の警視。ワシと出会ったその年、県警本部捜査一課の特殊犯係に戻ってきていた。四十五歳にして警視に昇進し、港北署の次長として主に掲示部門の統括管理的な職務経験を積んだ上で古巣に復帰。若手時代から刑事に見えない刑事。→神奈川県警足柄署特別捜査官。→神奈川県警刑事総務課付特別捜査官。川崎男児連続殺人事件「バッドマン」の担当。
ワシ
健児少年の誘拐犯。幼児誘拐及び殺害と死体遺棄。
いずみ
巻島の娘。
園子
巻島の妻。
本田明宏
神奈川県警本部捜査一課特殊犯係係長。→神奈川県警刑事特別捜査隊隊長。「ワシ」事件当時の巻島部下であり、「バッドマン」事件においても信頼している数少ない -
Posted by ブクログ
ネタバレ巻島史彦
神奈川県警の警視。ワシと出会ったその年、県警本部捜査一課の特殊犯係に戻ってきていた。四十五歳にして警視に昇進し、港北署の次長として主に掲示部門の統括管理的な職務経験を積んだ上で古巣に復帰。若手時代から刑事に見えない刑事。→神奈川県警足柄署特別捜査官。→神奈川県警刑事総務課付特別捜査官。川崎男児連続殺人事件「バッドマン」の担当。
ワシ
健児少年の誘拐犯。幼児誘拐及び殺害と死体遺棄。
いずみ
巻島の娘。
園子
巻島の妻。
本田明宏
神奈川県警本部捜査一課特殊犯係係長。→神奈川県警刑事特別捜査隊隊長。「ワシ」事件当時の巻島部下であり、「バッドマン」事件においても信頼している数少ない -
Posted by ブクログ
ネタバレ最上毅
東京地検の検事。
沖野啓一郎
司法制度改革によって始まった法科大学院を経ての新司法試験に合格した事実上の第一期。最上の部下である新人検事。
前川直之
弁護士。最上が学んだ市ヶ谷大学法学部の同期で、同じ北海道出身。同じ学生寮「北豊寮」に住んでいた。最上より一つ年上。月島に小さな事務所を構えて、民事・刑事問わず細々とした仕事を請け負っている。いわゆる街弁。胃癌で胃を半摘した。
久住理恵
最上たちが世話になった「北豊寮」のおかみさん。
久住義晴の妻。癌を患い、死去するが、最上は葬儀には行かなかった。
久住義晴
東京都文京区根津にある「北豊寮」の管理人。かつて寮を所有する会社に勤めてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ最上毅
東京地検の検事。
沖野啓一郎
司法制度改革によって始まった法科大学院を経ての新司法試験に合格した事実上の第一期。最上の部下である新人検事。
前川直之
弁護士。最上が学んだ市ヶ谷大学法学部の同期で、同じ北海道出身。同じ学生寮「北豊寮」に住んでいた。最上より一つ年上。月島に小さな事務所を構えて、民事・刑事問わず細々とした仕事を請け負っている。いわゆる街弁。胃癌で胃を半摘した。
久住理恵
最上たちが世話になった「北豊寮」のおかみさん。
久住義晴の妻。癌を患い、死去するが、最上は葬儀には行かなかった。
久住義晴
東京都文京区根津にある「北豊寮」の管理人。かつて寮を所有する会社に勤めてい -
Posted by ブクログ
子どもを含む一家惨殺の罪で被疑者となった武内真伍。その武内に無罪の判決をくだした裁判官梶間勲。定年を間近に退職し、閑静な住宅街に居を構える梶間の家の隣に、なんとあの武内が引越して来た…。
もう、このあらすじを聞いただけで怖い。ゾクゾクするわ〜。
そして期待通り、サイコパスの真骨頂。武内が薄気味悪く、ヤバさがジワジワと迫ってくる。貴志祐介の「黒い家」を思い出した。
元裁判官の梶間勲が、いけすかない。死刑判決をくだしたくないとか、そんな気持ちで裁判官がよく勤まるよな。仕事も介護もその責任からうまく逃げている。頼れない。一方、妻の尋江は寝たきりの姑を看病し、無職の息子一家と同居する健気な良い妻。