雫井脩介のレビュー一覧

  • つばさものがたり

    Posted by ブクログ

    天使が見えるという男の子(叶夢)、闘病しながら夢を叶えようとする叔母(小麦)、そしてその家族の物語。

    天使の世界観の作り方などは、どこか児童文学的な要素もあって、独特の雰囲気だった。また、天使の存在について、現実だと思わせる描写を重ねつつ、最後まで妄想である可能性も残しているように思えた。特に、叶夢が小学生になり、天使と会う機会が減ったことは、成長につれて、幼い頃にあった不思議な錯覚が減っていく、現実的な描写にも感じる。

    小麦の行動について、若くして尽きる自身の人生に納得するためには、あのくらい行動して、周りを巻き込み、何かを残したという実感が必要だったのだと思う。

    0
    2025年12月17日
  • クロコダイル・ティアーズ

    Posted by ブクログ

    息子が殺されて捕まった犯人は、息子の嫁の元交際相手で、嫁に殺害を依頼されたと供述~ そこから嫁への不信感が募っていき~

    嫁のキャラ設定が少し現実離れしているため、今一つ感あり。ラストにかけては納得感があるのだが。

    ありそうであまりない展開の作品で目新しさはある。

    0
    2025年12月17日
  • クローズド・ノート

    Posted by ブクログ

    もうこういうのに感動しなくなってしまったなぁ。

    ストーリーは良いし、香恵の女子大生っぽさも良かった。
    石飛のマイペースっぷりや不器用さも上手く描けており、伊吹先生のノートの内容も教師とプライベートの両立の大変さも伝わってくる。

    中盤辺りから結末も分かってくるので、最後のシーンもそこまで心に響くものではなかったかも。
    結末はそんなドジする?って感じだった。

    0
    2025年12月17日
  • 火の粉

    Posted by ブクログ

    「贈り物のネクタイを使ってくれなかったから」とういう無理な自白をさせられ殺人容疑をかけられた男。裁判で無罪になるが、ある日判決を下した裁判官の隣に引っ越してきて…
    善人なのか、ヤバいやつなのか、どっちなんだと最後までハラハラさせられる展開。

    0
    2025年12月14日
  • クロコダイル・ティアーズ

    Posted by ブクログ

    雫井修介、直木賞候補作。

    老舗陶磁器店『土岐屋吉平』の息子・久野康平が殺された。犯人は、康平の妻・想代子の元カレ・隈本。
    想代子を康平に取られた腹いせに、殺害したものと思われていたが…
    『想代子に頼まれて、康平を殺害した』と、発言する。

    想代子に対して、疑いの目を向ける、康平の母・暁美…

    想代子がほとんど語らない…
    何を考えているのかがわからない…
    暁美はどんどん想代子への疑いを強めていく。
    姉・東子の存在、発言も暁美の疑いを強めていく。
    想代子は想代子で何も言わない,何もしない…
    結局は何もない…
    ただ何もしなかっただけだった…

    何かモヤモヤしたまま。
    何か靄がかかったまま終わってし

    0
    2025年11月21日
  • 望み

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    種村
    家を新築しようとしている夫婦。

    石川一登
    建築家。埼玉県戸沢市の緩やかな丘陵地に住まいと仕事場がある。家の離れを事務所にして、アシスタントの梅本と二人で仕事をする。

    梅本克彦
    一登のアシスタントスタッフ。

    高山
    高山建築の社長。一登がよく仕事を依頼する施工業者。

    石川貴代美
    一登の妻。もともと建築雑誌の編集者をしていて、一登と知り合った。今は会社を辞め、フリーの校正者として細々と活動している。

    石川規士
    一登と貴代美の息子。高校一年生。中学時代はサッカーのジュニアユースの武州戸沢FCに所属していた。高校の部活でサッカーを続けていたが、紅白戦で後ろからタックルを受け、膝の半月板損

    0
    2025年11月19日
  • 犯人に告ぐ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    巻島史彦
    神奈川県警の警視。ワシと出会ったその年、県警本部捜査一課の特殊犯係に戻ってきていた。四十五歳にして警視に昇進し、港北署の次長として主に掲示部門の統括管理的な職務経験を積んだ上で古巣に復帰。若手時代から刑事に見えない刑事。→神奈川県警足柄署特別捜査官。→神奈川県警刑事総務課付特別捜査官。川崎男児連続殺人事件「バッドマン」の担当。

    ワシ
    健児少年の誘拐犯。幼児誘拐及び殺害と死体遺棄。

    いずみ
    巻島の娘。

    園子
    巻島の妻。

    本田明宏
    神奈川県警本部捜査一課特殊犯係係長。→神奈川県警刑事特別捜査隊隊長。「ワシ」事件当時の巻島部下であり、「バッドマン」事件においても信頼している数少ない

    0
    2025年11月18日
  • 犯人に告ぐ 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    巻島史彦
    神奈川県警の警視。ワシと出会ったその年、県警本部捜査一課の特殊犯係に戻ってきていた。四十五歳にして警視に昇進し、港北署の次長として主に掲示部門の統括管理的な職務経験を積んだ上で古巣に復帰。若手時代から刑事に見えない刑事。→神奈川県警足柄署特別捜査官。→神奈川県警刑事総務課付特別捜査官。川崎男児連続殺人事件「バッドマン」の担当。

    ワシ
    健児少年の誘拐犯。幼児誘拐及び殺害と死体遺棄。

    いずみ
    巻島の娘。

    園子
    巻島の妻。

    本田明宏
    神奈川県警本部捜査一課特殊犯係係長。→神奈川県警刑事特別捜査隊隊長。「ワシ」事件当時の巻島部下であり、「バッドマン」事件においても信頼している数少ない

    0
    2025年11月17日
  • 検察側の罪人(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最上毅
    東京地検の検事。

    沖野啓一郎
    司法制度改革によって始まった法科大学院を経ての新司法試験に合格した事実上の第一期。最上の部下である新人検事。

    前川直之
    弁護士。最上が学んだ市ヶ谷大学法学部の同期で、同じ北海道出身。同じ学生寮「北豊寮」に住んでいた。最上より一つ年上。月島に小さな事務所を構えて、民事・刑事問わず細々とした仕事を請け負っている。いわゆる街弁。胃癌で胃を半摘した。

    久住理恵
    最上たちが世話になった「北豊寮」のおかみさん。
    久住義晴の妻。癌を患い、死去するが、最上は葬儀には行かなかった。

    久住義晴
    東京都文京区根津にある「北豊寮」の管理人。かつて寮を所有する会社に勤めてい

    0
    2025年11月15日
  • 検察側の罪人(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最上毅
    東京地検の検事。

    沖野啓一郎
    司法制度改革によって始まった法科大学院を経ての新司法試験に合格した事実上の第一期。最上の部下である新人検事。

    前川直之
    弁護士。最上が学んだ市ヶ谷大学法学部の同期で、同じ北海道出身。同じ学生寮「北豊寮」に住んでいた。最上より一つ年上。月島に小さな事務所を構えて、民事・刑事問わず細々とした仕事を請け負っている。いわゆる街弁。胃癌で胃を半摘した。

    久住理恵
    最上たちが世話になった「北豊寮」のおかみさん。
    久住義晴の妻。癌を患い、死去するが、最上は葬儀には行かなかった。

    久住義晴
    東京都文京区根津にある「北豊寮」の管理人。かつて寮を所有する会社に勤めてい

    0
    2025年11月13日
  • 犯人に告ぐ : 4 暗幕の裂け目

    Posted by ブクログ

    天才詐欺師・淡野は、警察の包囲網を潜り抜け、深手を負ったまま行方をくらました。神奈川県警の特別捜査官・巻島は、淡野を逮捕すべくネット配信番組へ再度出演し、公開捜査を試み…。

    「犯人に告ぐ 3」を読んだ2019年のブログを見ると、「2」を読んだのは2015年でほとんど覚えていなかったのに面白かったようだ。それから6年経っての本作、やはり前作「3」のことは覚えていなかったけれどそれなりに楽しめた。主人公のキャラは全く違うのになぜか「新宿鮫」を思い起こした。
    (C)

    0
    2025年11月12日
  • 犯人に告ぐ <文庫合本版>

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まず感じたのは、非常に読み応えのある作品だということです。
    物語からは警察内部の陰湿さや緊張感がひしひしと伝わってきました。
    当初は複数の事件が絡み合うストーリーを想像していましたが、実際には一人の警察官に焦点を当て、その行動や内面を丁寧に描いた作品で、予想とは少し異なる印象を受けました。

    0
    2025年11月01日
  • 霧をはらう(下)

    Posted by ブクログ

    販促帯に伊坂幸太郎「雫井さんの小説は全部読んできているけど、個人的1位はこれ!」

    小児病棟で4人の子供の点滴にインスリンが混入された殺傷事件。
    逮捕された母親の無罪を信じきれない娘と、稼ぎにならない事件にも最善をつくす若い弁護士の二人の視点で書かれた事件・法廷もの。
    ミステリ色は薄く、サスペンス色は無いが、読みやすく、主人公を応援しながら読んでしまう小説。(伊坂幸太郎には同意しないけど・・・)

    0
    2025年10月18日
  • クロコダイル・ティアーズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんか「笑うマトリョーシカ」みたいだな~って思ったけど結末は真逆みたい感じでした。
    最後までどっちに転ぶのかな~って思ってたけど、まぁ、現実にもそういうことってあるのかな、って思った。でもほんと、解説でもあげられてたけど無自覚ってこわい。

    0
    2025年10月09日
  • ビター・ブラッド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    導入部分が長すぎた感が……、なかなか入り込めず……。ただ全部繋がってるので読み応えはあるんだけど……そこまでページを割く必要あったかな。ページ数の割には内容が……。

    キャラが全部良いので、短編で続篇欲しいなと。
    相星が推しだったので辛すぎた。

    0
    2025年09月23日
  • 火の粉

    Posted by ブクログ

    子どもを含む一家惨殺の罪で被疑者となった武内真伍。その武内に無罪の判決をくだした裁判官梶間勲。定年を間近に退職し、閑静な住宅街に居を構える梶間の家の隣に、なんとあの武内が引越して来た…。

    もう、このあらすじを聞いただけで怖い。ゾクゾクするわ〜。
    そして期待通り、サイコパスの真骨頂。武内が薄気味悪く、ヤバさがジワジワと迫ってくる。貴志祐介の「黒い家」を思い出した。

    元裁判官の梶間勲が、いけすかない。死刑判決をくだしたくないとか、そんな気持ちで裁判官がよく勤まるよな。仕事も介護もその責任からうまく逃げている。頼れない。一方、妻の尋江は寝たきりの姑を看病し、無職の息子一家と同居する健気な良い妻。

    0
    2025年09月20日
  • 互換性の王子

    Posted by ブクログ

    玉手親子のクズぶり。
    あんな男を旦那に選ぶ千登勢が英雄の前妻ってちょっと意外。
    成功は星奈、早恵里は実行を選ぶと思った。
    全員聞き分けが良い。
    表紙のコアラは何なのかな?

    0
    2025年09月11日
  • 火の粉

    Posted by ブクログ

    不当に感じる判決や加害者に甘い量刑の事件裁判のニュースを見ると裁判長に少なからず敵意が行ってしまう昨今。そう思うとある意味、復讐スッキリ系のお話なのかも。だいぶ変化球だけど。

    サスペンスものなので深みはなかったけど、文章が読みやすかったので別のテーマの作品も読んでみたい。

    0
    2025年09月08日
  • 望み

    Posted by ブクログ

    180度全く違う2つの望み、その間で揺れる重たい物語だった。
    読み手全員が必ず、自分だったら・・・と考えさせられるとおもう

    「望み」がテーマなだけに、話のテンポは悪いから、どんどん展開を期待する人はむいてない。
    「望み」をとことん深掘りしていけばいくほど、もう片方の望みもチラついて苦しい切ない、まさに究極の選択(自分たちで選択はしないけど)だなあとひしひしと感じた。

    0
    2025年09月05日
  • クロコダイル・ティアーズ

    Posted by ブクログ

    陶磁器店の跡取り息子が殺害された。

    捕まった犯人は妻、想代子の元恋人。

    犯人が裁判の判定直後に放った、"想代子に頼まれてやった"の一言に、義父母や、その家族が翻弄される。

    人の心はほんとに、わからない。
    計算なのか、無意識なのか。
    他人の言葉に翻弄され、自分を見失ってしまう。あげく、何が真実なのかもわからない、ほんとに怖い。

    0
    2025年08月30日