雫井脩介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。
五輪を目前に控えた日本柔道の女性コーチが主人公。
彼女は怪我のために柔道の選手生活を断念した過去を持つ。
スポーツ心理学が専門の彼女は柔道界の重鎮たちから,
ドーピングをしている強化選手を突き止める任務を言い渡される。
嫌疑をかけられているのは男子81kg級の強化選手2名。
重圧の中,真実を追う彼女はスポーツ界を蝕む病に直面する。
ドーピング規定そのものが不完全で,
商業主義とスポーツマンシップの間を揺れている。
そのようなスポーツ界の実状を扱いながら,
ミステリー要素もうまく盛り込んでいる。
彼女に協力する剣道家の女友達がいい味を出 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想代子の得体の知れなさが強すぎて大事件を起こした隈本の存在が霞んでしまっている。これは作者の作戦なのだろうか?隈本の一言で想代子を得体の知れない存在にして黒幕説に誘導されてしまった気がする。
想代子が現れたときは店の乗っ取りを隈本と企んでいる悪女か、感情を表に出さないサイコパスのどちらかだと思っていたが、結果どちらでもなかった。個人的にどちらかの展開を期待していたから少し残念。
終盤、成長した那由太を見守る想代子の姿が康平を見る暁美に似ているなと思った。将来有望な頼れる息子への目線。ありがちな親視点ではあるけれど、なにか因果を感じられずにはいられなかった。