雫井脩介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スケートを習う少女とその母の物語。主人公の大学生藤里小織が友人に、思い出を語るという形式で、物語は進んで行きます。モデルとなっているであろう「スケートの女王」の面影を追いながら読みました。
夫の浮気で離婚し、関東から郷里の名古屋に戻った藤里梨津子と娘の小織。夫からの養育費を娘のスケート教室代にし、梨津子は高校生になったばかりの娘のスケートに生き甲斐を見出します。
小織にはスケートのセンスがあったのか、どんどん成績をあげてオリンピックを目指すまでになります。そんな中、元夫の会社が倒産し養育費が振り込まれなくなり、生活を切り詰めるはめに。それでも梨津子は、一途に小織の練習をバックアップします。そんな母に対し、高校生になったばかりの小織は戸惑いながらも、スケートを続けていました。シューズを脱いだその日まで。
フィギアスケートの演技など、先日の冬季オリンピックの様子を思い出しました。詳細に描かれたフィギアの演技の描写で充分、楽しめます。友人へ語る思い出話といった形で、主人公のスケート人生が語られているのが面白いなと思うと同時に、天分のある主人公を一生懸命応戦する母の梨津子に、共感を感じました。
一生懸命になっている子どもにできるだけのことをしてあげたい。
こんな思いで、私もかつては、中学生の子どもを部活に送り出していました。私ごとですが、ほろ苦い体験を一つ述べます。
子どもが中学2年の春、人事異動で部活の顧問が変わり、指導も信頼も何もかもが一変。
顧問と性格が合わない子どもは、「新キャプテン」を任せられながらも、毎日いやいや部活をしていました。新人戦が終われば、足の不調をいいことに休部状態です。「退部」をなんとか思いとどまらせ、足の治療をしていました。毎日ぶらぶらしている子どもには、引退した別の部活の上級生から「遊び」の誘いがかかります。
「どうして、 受験勉強で忙しい中学3年生が、下級生を夕方の7時頃から遊びに誘うの!」
私の怒りは頂点に達しそうでした。 (>_<)
そんな不満を担任の先生たちに訴え、なんとか子どもも部活に戻り、普通の中学生として無事に卒業して、高校生になりました。
部活を何にしようか迷う子どもに、私はまたおせっかいな一言を。
「もう一度、やり直したら?」
これで決心したようで、部活づけの高校生活が始まりました。
・・・が、今度はとても楽しそう。
私もその分、はりきりました。子どもが疲れて帰ってくれば、必ずマッサージをしてやり、朝練習のある時は、2つのお弁当と菓子パンも持たせました。試合には必ず応援に行き、他のお母さんたちとも意気投合!その時思ったのです。私は、これがやりたかったのだなと。
一生懸命になっている子どもの姿を見て、精一杯応援してあげたい。
この気持ち、主人公のお母さんの梨津子と同じだと思いました。
作品のラストでは、小織はお母さんにささやかながらも感謝しています。うちの子どもはそうは思っていないでしょうが。(笑)
スポーツ選手を裏で支える家族の苦労、ほんと、大変です。
でも、引退しても、スポーツを辞めていても、当時を思い起こしたとき、
そこに必ず応援する家族の姿があるのなら、こんなに素敵なことはないでしょう。
選手とその家族・・・共通の思い出があるのですから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフィギュアスケートの世界のお話。月々20万とか、ものすごいお金をかけ、母は全身全霊をかけてサポートする。
最初の方で離婚するのだけど、その後のお金の工面が今一つ府に落ちなかった。
この話の中では、お弁当当番やコーヒー当番があり、作ってもコーチの口に合わないと全く食べてもらえない。普通の精神なら心が折れます。お母さん本当によく頑張った。
後にオリンピック選手となる希和ちゃんを怒鳴りつけたりもするんだけど、希和ちゃんのお母さんが亡くなる前後も本当に親身に助けてあげて、到底真似できない、素敵なお母さん。
それに比べて、小織はもう冒頭からスケートをやめていて過去を振り返っている構成。これが一番つまらなかった。
希和ちゃんが主役だったらもっとずっと良かったのに・・・でもそれでは普通すぎるのかな?
とにかく小織は、多少の素質はあれどどうにも闘争心がなく、本番に弱く、コーチや親の期待を裏切ってばかりだったから、そこががっかりでした。